また航空特攻についてです。
いくつかの特攻記念館を訪れると、館内に出撃2時間前に撮られたという、子犬を抱いた5人の少年兵達の写真が展示されています。この写真の事は以前から知っていましたが、5人の少年達の事に詳しくなるにつれ、写真前列右側の千田孝正さん(愛知県出身)が、台湾の台南空から鹿児島の万世(ばんせい)飛行場に赴任する途上で、近隣の目達原(めたばる)飛行場(現目達原自衛隊駐屯地)に、立ち寄られていた事が分かっています。周辺のお寺に寄宿し、彼等のお世話をされていた地元の福田〇子さんを、母親の様に慕っておられた事も分かりました。出撃当日急きょ命令が変更され、〇子さんは千田さんを見送る事が出来なかった様です。赤の他人のお二人が心を通わす事が出来たのは、千田さんにとって一時の安らぎではなかったかと、思われます。特攻で亡くなられた若者は4千人程だと言われています。4千人それぞれに、それぞれの希望の人生が有った筈です。また第二次世界大戦の日本の戦没者は、230万人と言われています。230万の希望の人生が有った筈です。無為な戦争に駆り出された、若者達の将来を奪った戦争の事を、私達は忘れてはならないと思います。一部の指導者の采配で多くの若者が命を落として行った事を、私達は決して忘れてはならないと思います。