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台風12号から4年、日高川護岸改良復旧は約80% 〈2015年9月18日〉

2015年09月18日 08時30分00秒 | 記事

形跡が残る旧堤防(写真中央左)の背後に
完成している白い新堤防(上入野)


 台風11号による東日本豪雨災害で甚大な被害が出たが、日高地方でも平成23年9月3日から4日にかけて、台風12号による豪雨で日高川が氾らんし、大被害をもたらした。あれから丸4年が経過し、管内で最も被害の大きかった日高川町の入野、三十木、皆瀬地内などでは、現在も約85億円を投じた国の災害復旧助成事業で、川幅を広げて新しい堤防を築く工事が続いており、改めて改良の意義が高まっている。改良復旧の進展率は約80%で、今年度内の完了を目指す。

 日高川の増水により、日高川町内では各地で堤防が決壊し、民家や農地などに多大な被害を及ぼした。このうち上流の日高川町美山地区では、皆瀬、川原河地内から下越方地内にかけて約2・8キロ、中津地区は原日浦から三十木、姉子地内にかけての約2・5キロ、川辺地区は松瀬から入野、和佐にかけての約3・6キロの区間は、国の災害復旧助成事業として総事業費約85億円を投じた大規模な護岸工事を継続して進めている。
 日高川の左岸が決壊し、ミカンなどの園地が甚大な被害を受けた入野地内などを含む和佐~松瀬地内間の約3・6キロでは、農家が耕地面積を削減し、川幅を拡幅して新しい堤防が築かれている。入野では川幅を最大で約40メートル拡幅し、約2メートルの堤防幅が5メートルに広がる。上入野では約720メートルの新しい堤防が完成しており、下入野でも長さ約1・3キロの新堤防建設が順調に進んでいる。
 皆瀬地内で103戸が浸水し、日高川に架かる3つの橋が流出するなどの被害が出た皆瀬~川原河間の約2・5キロでは、国道424号の美山大橋から越方橋にかけての1・5キロで護岸工事が完了しているほか、流出して新しく架け替えた皆瀬橋付近の左岸でも川幅を約20メートル拡幅する新しい堤防を建設する工事が続く。民家の浸水被害が出た越方橋下流に位置する下越方地内では、左岸の護岸約400メートルを約2メートルをかさ上げする工事に昨年度から着手した。
 旧子十浦小学校上流付近では、町営住宅10戸が1階部分まで冠水するなど床上や床下を合わせて25戸が浸水。子十浦簡易水道施設も壊滅的な被害を受けた三十木地内では、自然の在石を使用した全長約2・2キロの美しい護岸がすでに完成。護岸に打ち付ける石と同じ強度の在石を使い、護岸自体の強度を強めた。在石使用と併せ、同事業では日高川に面する水田面積を減らすなどして最大で約20メートル川幅を拡幅。管理道を含めて2段階になった幅約15メートルの隔壁を設け、高さを約10メートルに引き上げた。現在は、対岸の姉子地内などの護岸工事が進んでいる。


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