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日高町原谷のシカ夜間銃猟、出猟日すべてで捕獲に成功 〈2017年4月14日〉

2017年04月14日 08時30分00秒 | 記事

原谷区で夜間に出没するシカ


 県は12日、6地区でのシカの夜間銃猟実施結果について、54頭を捕獲したと発表。27年度から始めた2年目の事業で日高地方では初めて日高町原谷区で行い、このうち10頭に上った。同地区では前回との比較実績はないが、出猟日すべてで捕らえられ、27年度県全体実績を同地区だけで上回る順調ぶりで、カメラでの出没確認や餌付けによる場所の選定などがうまくいった。シカの獣害対策は求められており、県が今年度も計画をあげれば、町は今回の経験を生かして協力していきたいとしている。

 国の法律改正による規制緩和に伴い、県は指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画に基づいて夜間銃猟を昨年度から導入し、今年度は、原谷区を含め県下6地区で実施。県が県猟友会に委託し、夜間銃猟の認定を受けた会員の6人が各地区5回ずつの計30回、猟に従事した。
 原谷区では11カ所の射撃ポイントを選定し、2月15日から3月15日まで、毎週水曜日に出猟。初日から2頭と幸先良いスタートとともに2日目2頭、3日目1頭、4日目1頭、5日目4頭とすべてで捕獲に成功した。
 県は昨年3地区計14回で6頭にとどまったことから、実施時間をこれまで20時だったのを22時まで延ばし、地区ごと1カ所だったのを多数の餌場を設定し、車両巡回する方法を採用。原谷区でも同様だったが、カメラを設けて出てくる時間帯を確認したり、餌の食べ具合を見て、出没を出猟時に予想し、ミーティングを行い次回への対策につなげた。
 県内のニホンジカ生息数は5万4000頭と推定しており、1万7000頭以上の捕獲による生息数の減少を目指しているが、27年度の捕獲数は1万3846頭であり、さらなる強化が急務。シカの警戒心が低くなる夜間に行う銃猟は、その対策の一つにあげられ、原谷でも黒竹などの林産物や農産物への食害被害は大きく、地元としても獣害対策は求められている。
 町担当課は「餌付けによるバックストップがある場所など安全性を保ち、比較的民家が近くにある場所で、音などによる近隣住民の苦情もなく、地元の協力もあって10頭を捕獲できた。シカは警戒心が非常に強い動物で1回成功した事例で継続すればいいと言うわけでない。巡回方法を考えたり、狙う時間帯や場所がよかったかなどその都度、改善点を考える必要がある。県が町内で出猟ポイントを設定して実施するならば、今回の経験を生かし、対応したい」と話した。


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