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日高川町坂野川集会所に昭和、平成の大水害水位を刻むモニュメント設置 〈2018年8月10日〉

2018年08月10日 08時30分00秒 | 記事

昭和と平成の2つの大水害の浸水位を示すモニュメント


 平成23年9月3日から4日かけて襲った台風12号による大雨で甚大な被害をもたらせた紀伊半島大水害から来月で7年が経とうとする中、3人が犠牲になった日高川町では、坂野川地区集会所前に同水害の水位と、昭和28年の7・18水害の水位を刻んだモニュメントが建てられた。平成23年の水害時に同地区では人的な被害はなかったが、すぐ上流の小釜本では2人が犠牲になり、2つの水位を記すことで水害の教訓を後世に伝えていく。

 平成23年9月3日早朝に高知県東部に上陸した台風12号は紀伊半島に断続的な雨を降らせた。上流の寒川などでは、時間雨量が50ミリを超す豪雨が数時間降り続き、7時間で約300ミリを記録。椿山ダムの放流量は前例のない約4000トンに達し、下流で堤防が決壊した。日高川沿いに広がる坂野川地区でも川の水が県道を越えて集会所が床上浸水した。下流の民家でも床上浸水の被害があり、多くの住民が濁流から逃げようと、水の中を背後の山中や高台の山向寺などに避難。上流の田尻地区にあった別荘地では30軒以上の建物が流出する甚大な被害が出た。
 町の助成金(50%)を受けて建てられたモニュメントの下部には、紀伊半島大水害の水位の文字とともに赤線が入れられ、災害の日時とともに椿山ダムの放流量が毎秒3958~4000トンに達したことを記している。この平成23年の水位をはるかに上回る約1・5メートル上には、昭和28年7月18日に発生した紀州大水害(7・18水害)の水位も赤線で示され、65年前に発生した被害の大きさを伝えている。当時は、集会所より高い場所にある背後の民家が浸水し、下流の佐井地区では多くの民家が流出したという。
 地元の60歳代男性は「平成23年の紀伊半島大水害とともに昭和28年の大水害の水位を示すことで、ここまで水が迫ったという記憶を胸にとどめ、今後の災害時にも避難意識などを高められるはず」と話した。


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