紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

日高港に飛鳥Ⅱ寄港へ岸壁改良、10月完成 〈2018年8月30日〉

2018年08月30日 08時30分00秒 | 記事

岸壁(写真右)から20メートル沖の海に沈める係船杭


 来年3月23日に日高港へ初寄港する日本最大のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」=全長241メートル、総トン数5万142トン=に備え、国が大型客船が接岸する日高港塩屋第一岸壁の改良工事を行っている。同岸壁の長さは飛鳥Ⅱより1メートル短い240メートルしかなく、係船時に綱をつないでおく杭が足りないため、岸壁の先端から約20メートル先の海上に係船杭を新設し、船首部分をつなげられるようにする。29日に係船杭の据え付け作業が行われ、10月はじめに完成する。

 完成時の係船杭は5・8メートル四方、高さ17メートル、総重量約1200トン。和歌山下津港で高さ15・5メートル、重さ558トンの係船杭を製作し、28日に台船に乗せて日高港まで海上輸送し、29日早朝から据え付け作業を行った。当初は8月7日に予定していたが、相次ぐ台風襲来で延び延びになっていた。据え付け作業は2050トン吊りのクレーン船で係船杭を吊り上げ、設置場所の海にゆっくり沈め、水深約13メートルの海底に据え付けた。
 係船杭の中は空洞になっており、30日以降に砂約600トンを詰め、総重量約1200トンにする。砂を詰めたあとは上部をコンクリートで蓋をし、来週初めからその上に高さ1・5メートルの上部工コンクリート打設を行い、1カ月程度の養生期間をおいて10月はじめに完成する。この時点で杭は使用できるが、管理等で利用するための岸壁と係船杭をつなぐ渡橋の設置工事もその後行い、今年中に終える。
 岸壁改良に併せて県が5万トンクラスの大型客船を想定した操船シミュレーションを行い、港内を安全に航行できることを確認済みで、係船杭が完成すれば飛鳥Ⅱ寄港の環境整備が全て整う。飛鳥Ⅱは「春の休日小豆島・紀州日高クルーズ(横浜~小豆島~和歌山日高~横浜)」で3月23日午前8時に日高港に入港し、午後1時に出港予定。市は「心に残る温かいおもてなしをしたい」と、9月市議会にも補正予算を計上し、振興局補助事業も活用しながら官民一体で受け入れ組織をつくり、盛大なおもてなしイベントを行う考え。


その他の主なニュース

 全日本実業団Sテニス選手権で塩嵜弘騎、堀内幹太選手の県庁Aが3年連続8強

 御坊市第8回野菜の絵特別賞に川﨑翔弥君、山本士桜君、大西香羽さん

 美浜町カナダミュージアムに百年前の蓄音機、笠野和男副町長が修理し復活

 高専教授らが美浜町で松林保護研究中間発表