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興国寺(由良町)で鎌倉時代から続く伝統の灯ろう焼き 〈2018年8月17日〉

2018年08月17日 08時30分00秒 | 記事

切り子灯ろうを焼く

地元の青年が土傭担ぎを披露


 由良町門前の開山・興国寺(山川宗玄住職)の灯ろう焼きが、うら盆の15日夜に行われ、檀家が持参した切り子灯ろうを焼いて先祖の霊を供養した。台風の影響で心配された雨もやみ、地元の青年団が土傭担ぎなどを披露。県無形文化財に指定されている750年続く伝統行事をカメラに収めようと、アマチュアカメラマンが訪れシャッターを切っていた。

 午後8時過ぎから檀家が切り子灯ろうを灯して集合し、9時から法堂で虚無僧が尺八を献奏、法要を行い、僧侶や檀家らが法堂を3周。虚無僧を先導に六斎念仏衆、檀家らが灯ろうを手に境内から約500メートル離れた無常堂へ練り歩いた。
 無常堂では松明などをくべた釜場を囲み、六斎念仏衆が唱える「えーなー あむーあ アーミーダー」の念仏、太鼓、笛の音に合わせ地元の子どもたちが「松明踊り」を踊った。
 続いて、地元の青年が土傭担ぎを披露。土傭は干したシダを青竹で巻いて青笹をさした大松明(長さ約4・2メートル、重さ約150キロ)で、朝からの雨を吸って通常より重い上に時折吹く風で火がつきにくい中、両端に火がついた状態で大松明を担いだ青年が登場すると見物客から拍手。担いだまま釜場を3周、途中落としてしまう場面も見られたが、周囲から「頑張れ」の声援を受け、再度担ぎ直して釜場を回りきると「ええぞ~」の歓声もとんだ。
 この後、4本同時に立てる「線香立て」、2本ずつ上部を合わせる「拝み合わせ」、投げて転がす「俵返し」などの儀式も行って力自慢し、見物客から大きな拍手が送られた。
 最後に大松明を井げたに組んで灯ろう焼きが行われ、尺八の音と読経が響く中、檀家の岡良次さん、裕加里さん=門前=が奉納した高さ4メートルの大灯ろうに続き初盆の白張り、3回忌、7回忌を迎えた色張り灯ろうが投げ込まれ、高く上る火柱に手を合わせ先祖を送った。


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