東京歌舞伎座の木挽町広場に登場した釣り鐘バルーン
日高川町鐘巻、道成寺本堂(重要文化財)を1357年に新築し、二代目の釣り鐘を寄進した豪族、逸見万寿丸(1321~1378)の生誕七百年を迎える今秋、国民文化祭の事業で京都の妙満寺から二代目釣り鐘が道成寺に里帰りし、生誕祭も行われる。それを前に、来年1月上映予定の松竹シネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道成寺」などのPRを兼ねた連動プロモーションとして、東京銀座の歌舞伎座小挽町広場に高さ約3メートルの巨大釣り鐘バルーンが12日から登場した。
日高川町では、今秋に開催する第36回国民文化祭・わかやま21の地域文化発信事業で「道成寺釣り鐘里がえり事業」を実施。平成16年以来17年ぶりの二代目釣り鐘里帰りと、釣り鐘を再鋳した逸見万寿丸の生誕700年に合わせ、その功績を伝えようと、命日の昨年12月22日に民間有志が万寿会(湯川宗一会長)を発足させ、生誕七百年祭を開催する。
一方、東京銀座の歌舞伎座では12日から6月6日まで歌舞伎巡業公演地第5弾関西地方物産展を開催。同期間中に道成寺の二代目釣り鐘お里帰りと生誕700年祭をプロモーションし、歌舞伎の演目として名高い道成寺物の展示、来年1月上映予定の松竹シネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道成寺」などをPRしようと釣り鐘を模した釣り鐘バルーンを特別に設置した。バルーンは高さ約3メートル×直径1・8メートル、釣り鐘の緑色を基調にし、「鐘供養」「万寿丸」と記されている。
道成寺の初代釣り鐘は、安珍・清姫伝説で焼き払ったと伝えられ、二代目の釣り鐘は約400年後の1359年、土生八幡神社に釣り鐘(兄弟鐘)を寄進した「万寿丸」が道成寺にも寄進。盛大な鐘供養の場に白拍子が現れ、釣り鐘が落下して白拍子が日高川に姿を消した物語が伝わった。二代目の鐘に安珍と清姫の恨みがこもって音が悪く、近隣に悪疫が流行したため竹林に埋められたと言われ、その後、秀吉の紀州・根来攻めで大将の千石権兵衛が戦利品として京都に運ばれ、妙満寺にたどり着いた。
国民文化祭の一環で二代目釣り鐘が10月24日から11月18日まで一般公開されるほか、道成寺では万寿丸が作ったと伝わる33年に一度しか開帳しない北面秘仏の千手観音像が中開帳として9月20日から11月28日まで16年ぶりに一般公開される。
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