紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

御坊市文化賞に個人は竹内一郎医師(横浜市)、団体は御坊日舞の会 〈2022年10月16日〉

2022年10月17日 08時30分00秒 | 記事


竹内一郎医師

御坊日舞の会


 令和4年度御坊市文化賞に、個人は横浜市立大学医学部救急医学教室主任教授の竹内一郎氏(50)=横浜市=、団体は御坊日舞の会(休山優美子代表)が選ばれた。竹内氏は医療における先進的な取り組みで横浜市、神奈川県の救急医療の中心的な役割を果たしている。御坊日舞の会は若柳流と花柳流の2つの流派が協力し、半世紀以上にわたり日本舞踊の伝承と普及活動に取り組んでいる。表彰式は11月2日午前10時30分から市民文化会館で行い、三浦源吾市長から賞状と記念品が贈られる。今年で47回目。今回を含めて受賞者は79人、30団体。

 竹内一郎氏 御坊小、智辯学園和歌山中・高、群馬大学医学部卒。平成29年に横浜市立大学救急医学教室主任教授として赴任。附属高度救命救急センター長も兼任。横浜市メディカルコントロール協議会長も務めるなど横浜、神奈川県の救急医療の中心的な役割を果たしている。
 新型コロナ感染症では最前線で治療に当たり横浜全体の急性期医療の責任者として尽力。700人以上が感染した令和2年2月の外航客船ダイヤモンドプリンス号においては神奈川県DMAT統括として行政と連携し、陽性患者を重症者、中等症者、軽症者に層別化し、地域医療が崩壊しないように尽力。マスコミに多数出演し、重症度・緊急度に応じた横浜の取り組みは全国の手本となった。
 重症化時、命をつなぐ切り札となる体外式膜型人工肺(ECMO)や人工呼吸器を必要とする重症患者を多数受け入れ、生存率90%と世界トップレベルの治療成績を維持。先進的な取り組み、功績は極めて大きい。御坊市民大学副学長、竹内文雄氏の長男。
 竹内氏の話 栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます。これからの私の使命の一つには日本救急医学会や日本ECMOネットの活動を通し、大都市と地方の救急医療体制の格差を埋めることがあります。これがふるさと御坊、和歌山県の救急医療体制の向上につながり、少しでも地域の発展に貢献できればと考えています。文化賞を誇りに日本での救急医療体制の充実に努力したい。
 御坊日舞の会 昭和41年に「いづみ会」が「御坊日舞の会」に改名したのが始まり。古き良き伝統芸能を後世に伝えようと、若柳流と花柳流の2つの流派が協力し、56年間活動。日本舞踊の魅力である着物を着た所作や立ち振る舞いを原点とした謙譲の美徳などを伝え、子どもたちにはあいさつや礼儀、感謝の心を持つ大切さを育むなど人としての成長にも取り組む。
 習い事の多様化などで稽古場から子どもの姿が少なくなり、カラオケが盛んになると演歌にあわせて踊る新舞踊が流行するなど時代の影響を受け、これを打開するため、古典的な形態を守りつつも新しいジャンルに挑戦しようと新舞踊の振り付けや指導も行うなど活躍の場を広げてきた。
 ごぼう商工祭、道成寺会式など各種イベントへの参加、老人ホームへの出張交流など地域に根ざした文化活動に取り組み、令和3年の国民文化祭では「道成寺釣鐘お里がえり」でジャンジャカ踊りを披露。長年にわたり日本舞踊の伝承と普及活動に努め、地域文化向上に大きく貢献。
 休山代表の話 栄えある文化賞をいただき、大変感動しております。半世紀以上にわたり活動を続けてくることができ、そしてこのような賞をいただけるのは、これまでの諸先輩方の活動や結成から応援してくださっている方々のおかげです。これからも日本舞踊を通じて地域の文化向上に努めていけるよう頑張ってまいります。 


 その他の主なニュース

藤井若中(土生祭・日高川町)がのぼり2本を新調、(株)狩谷電気店と津村光信さんが寄贈

髙辻幹雄医師(御坊市)に救急医療功労者知事表彰

中学生対象の日高地方競書会審査会で硬筆、毛筆で特賞97点を選ぶ

15日、産湯海水浴場駐車場(日高町)で「うぶひだか なみうちマルシェ」開催