列車から飛び降り避難
紀州鉄道紀伊御坊駅で15日、鉄道防災についての講演会が開かれ、県内外の35人が乗車中に地震が発生した場合の避難行動を学び、列車からの飛び降り避難を体験した。わかやまNPOセンター主催、近畿労働金庫共催、近畿ろうきん「社会貢献プロジェクト・笑顔プラス」の一環。JRきのくに線や紀州鉄道がある県や御坊市でも災害犠牲者を出さない取り組みが重要とし紀州鉄道の協力で企画した。
講演会は、和歌山大紀伊半島価値共創基幹価値共創オフィス准教授の西川一弘さんが講師を務め、紀州鉄道「KR301」の車内で「鉄道の津波被害ゼロをめざして~キテツで学ぶ鉄道の防災~」をテーマに開いた。西川さんは、東日本大震で列車乗車中の人的被害がなかったことのポイントとして事前の避難訓練、マニュアル整備、現場の情報を基にした避難誘導、列車内待機の判断、津波到達までの時間など挙げ、「安全な避難のためには乗客との連携が重要」と強調した。乗車時に津波があった場合は「身の安全確保とともに第一義的には乗務員の指示に従うことが大切だが、主体的な避難行動も必要。迅速な避難のために乗客にもできることは多く、率先避難者として先導して逃げ、避難を促したり励ましたり他の乗客への声掛けや降車の支援も大切。“私は逃げない”という行動はやめてほしい」と話した。
このあと列車からの飛び降り降車を体験。参加者1人ひとりが、約1・2メートルの高さの乗降口から車外へ避難した。しゃがみ込んで飛び降り空中で身体を反転しながら着地。赤レンガ敷きの地面と実際のバラスの地面へ飛び降りた。紀州鉄道副所長で安全統括管理者の岡地重行さんが車両の通報ボタンと非常用ドアコックについて説明し参加者がボタンとコックの使用も体験した。
紀の川市の60代会社員男性は「鉄道乗車中の地震災害について考えたことがなかったので参加しました。飛び降り降車の体験をはじめ、避難方法や心構えなど多くのことを学べた。知る知らないでは大きく違う。備えができてとてもいい機会だった」と話した。
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