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和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

紀の国トレイナート開幕、寺内町探索や作品鑑賞 〈2018年8月21日〉

2018年08月21日 08時30分00秒 | 記事

西御坊駅では岩塚さん(左)の説明で作品を鑑賞

伊勢屋旧酒蔵で紀州鉄道創設の話を聞く参加者


 御坊駅-新宮駅のJR紀勢線などで展開する鉄道と芸術の融合イベント「紀の国トレイナート2018」は18日に開幕し、19日には芸術家とともに列車でまちをめぐる「ローカルダイブ」が御坊と紀州鉄道を舞台に行われた。県内外から訪れた35人が、昭和にタイムスリップしたかのようなノスタルジックな紀州鉄道の旅を楽しみ、元酒造業「伊勢屋」の酒蔵や日高別院、中川邸など巡り寺内町を堪能した。

「ローカルダイブ」は、今回で5年目を迎えたトレイナートの目玉企画。「列車を降りて、まちへ」をコンセプトに駅舎に作品を手掛けた芸術家と一緒に深くもぐるように地域の魅力を楽しむ「小旅行」を提供する。
 この日、JR御坊駅に集合した参加者らは、ゴトゴトと揺られながら走る紀州鉄道の旅を楽しみ、終点の西御坊駅に到着。駅では現代芸術家・岩塚一恵さん=東京在住=が手掛けた作品を鑑賞した。御坊がかつて紡績業で栄えたことから繊維を用いた作品で岩塚さんは「紀州鉄道はアットホームな鉄道で西御坊の駅舎は地域の人に愛されている。紡績業の拠点となり、戦禍もくぐり抜けたこの駅がいつまでも続いてほしいとの思いを込めた」と作品を紹介。紀州鉄道の大串昌広さんが駅の歴史を説明したあと、御坊のまちに〝ダイブ〟。御坊市文化財保護審議会の大谷春雄さんの案内で岩塚さんとともに寺内町を探索した。国の登録有形文化財の「伊勢屋」の旧酒蔵をはじめ、金山寺味噌やしょう油で有名な堀河屋野村、和泉屋長屋蔵、江戸時代建設の志賀屋川瀬家、日高別院、南紀小竹屋旧跡、昭和13年完成の中川邸など巡り寺内町の魅力にふれた。
 伊勢屋9代目の田淵栄次郎さんは、紀州鉄道の前身「御坊臨港鉄道(株)」の設立へ中心となって尽力し、取締役社長を務めた人物。「伊勢屋」の旧酒蔵では、参加者らは酒蔵を見学しながら、12代目の光彦さん=和歌山市在住=と大谷さんから昭和3年に創設、6年に完成した御坊臨港鉄道(株)敷設の秘話を聴いた。田辺市から訪れた岡田治さん(58)は「寺内町に来たことはありますが、知らなかったことをいろいろ知ることができた。酒蔵にも入れてとても有意義な1日になりました」と話していた。
 紀の国トレイナートは誘客や交流を目的に2014年から始まったプロジェクト。地元住民らでつくる実行委員会主催、JR西日本の協力で若手芸術家に呼びかけて実施している。御坊駅-新宮駅間の駅舎や構内を絵画や立体作品、オブジェなどで彩り、週末を中心にローカルダイブをはじめとする各種イベントを開催する。9月24日まで。


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御坊市温暖化対策2年連続増、新庁舎の次期計画で取り組み促進へ 〈2018年8月19日〉

2018年08月20日 08時30分00秒 | 記事

節電対策に努めている市庁舎


 御坊市は、第2次地球温暖化対策実行計画(平成23年度から10年間)の29年度実績をまとめた。22年度実績を基準とした温室効果ガス総排出量(二酸化炭素換算)の削減目標を「7%削減」に設定し、27年度まで5年連続で目標をクリアしたが、28年度から発電実態に即した算定基準に改訂したことから一転して2年連続増となり、目標を達成するのは厳しいのが実情。老朽化した現庁舎の対策は限界にきていることもあり、省エネ対策などが格段にレベルアップする新庁舎で取り組みを促進させる考え。

 実行計画は市役所や教育委員会、水道事務所、消防本部の各公共施設で地球温暖化の要因となる二酸化炭素の主な排出原因である電気や燃料使用量の削減に向けた課題や対策をまとめている。第2次計画は平成22年度の温室効果ガス総排出量2303トンを基準に「7%削減」を目標に定め、電気やガソリン、灯油、水道使用料など9項目で節減に努めている。
 23年度から5年間は目標の7%削減を達成。27年度は12・6%と初めて二けた台に乗ったが、28年度から排出量算定に用いる排出係数を関電の発電実態に即した係数に改訂。これまでは基準年度の平成22年度の係数で固定していたが、原発がフル稼動していた時の係数のため、火力発電に多くをたよっている実態に即しておらず、国や県に準じ前年度の発電実績に基づいて算出される係数に変えた。
 この係数で算出すると28年度は7・2%増となり、目標に遠く及ばない結果となった。29年度も猛暑や寒冷の影響で電気使用量が増えたため、温室効果ガス排出量は2789トンで、基準の22年度に対して485トン、21・1%の大幅増となった。旧基準で換算すると28年度は19・8%削減、29年度は8・9%削減と目標をクリアしているが、火力中心の電力環境下で目標をクリアするのは厳しい。
 総排出量の88・4%を占める電気使用量を削減しようと、庁舎や出先機関にある蛍光灯の本数を15%(市役所庁舎は21%)削減や昼休みなど不要の電気は消灯、学校教育施設や社会教育施設の照明LED化事業も進めるなどの節電対策で一定の成果を上げてきたが、老朽化した現庁舎では日ごろの努力だけでは限界に来ている。2020年度に改訂する第3次計画は新庁舎が対象になり、最新の空調設備、さまざまな省エネ対策を取り入れることから取り組みを一層促進させる。
「不要な照明を消す」など20項目を得点化したチェック表の総点数(80点満点)は67・8点。22年度61・6点から上がっており、ここ数年は横ばい。市環境衛生課は「ガソリンや軽油、灯油、プロパンガスなどの燃料使用量は大幅に削減できており、職員の意識は高まっている。電気は削減が難しい状況になっているが、少しでも削減目標に近づけられるように職員一人ひとりが意識を持ちながら努力したい」としている。


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博愛会が腰痛予防研修、県下初の取り組み 〈2018年8月17日〉

2018年08月18日 08時30分00秒 | 記事

床走行式介護リフトをフル活用し、職員の負担軽減へ


 職員の腰への負担を軽減し、利用者の安心感の向上を図ろうと、社会福祉法人博愛会(小林隆弘理事長)は16日、御坊市名田町野島、ケアハウス博愛で「ノーリフトケアで持ち上げない・抱え上げない介護」をテーマにした腰痛予防研修を実施。福祉用具などを取り入れている施設はあるが、研修を開き職員に徹底させるのは県下初の取り組みで今後、定期的に研修会を開き、介護の質の向上を図っていきたい考え。

 ノーリフトは、ビクトリア州にあるオーストラリア看護連盟が看護師の腰痛予防対策のために1998年ごろから提言した。危険や苦痛を伴う、人力のみの移乗を禁止し、患者の自立度を考慮した福祉用具使用による移乗介護を義務づけている。これにより「移乗時の利用者のけが」や「寝かせきり」がなくなるとのメリットがある。
 研修には同会の各施設でリーダーを任せられている職員12人が参加。ノーリフトについて詳しい研修を受けた職員がノーリフトの概要や福祉施設での介護職員の労災発生状況を説明したあと、同会が導入している床走行式介護リフトや介護ロボットHALについても触れ、「介護はすべての手で行うという介護に根付いた文化を変えるために、周りを巻き込み全員で取り組みたい」とした。実技では、福祉用具や介護機器の使い方や重心のとらえ方を学んだ。
 床走行式介護リフトは、専用にシートに利用者を乗せて、吊り上げ、腰に負担をかけずに車いすなどに移動させる機械。これまでは、職員2人がかり行っていた作業で1日10回以上に及ぶこともあり、腰への負担を訴える職員もいた。同リフトを同会のようにフル活用している福祉施設は県下でも珍しく、2014年に導入後、試験期間を経て、3分台での操作が可能になっている。利用者からも人の手を借りることへの気遣いがなくなることや、ゆっくりとした移動のため、コミュニケーションを取れることも好評を得ているという。
 このほか、移動用シート「スライディングシート」についても、使い方を学び、ベッドの上を移動させたり、体位を変える時に発生するずれによる圧迫感をシートの上を滑らせて負担を軽減することを確認した。座っている状態からの立ち上がり、転落からの介助など介護現場のさまざまシーンで、利用者と職員の両者の負担が軽くなる方法を学んだ。
 小林理事長は「今は若手の職員も今後、高齢化していく。その時でも利用者の方に安心感をもらえるようにしなければならない。県下初の研修で介護の質の向上を図ってほしい」と話している。同会では今月中に3回の研修会を開く。


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興国寺(由良町)で鎌倉時代から続く伝統の灯ろう焼き 〈2018年8月17日〉

2018年08月17日 08時30分00秒 | 記事

切り子灯ろうを焼く

地元の青年が土傭担ぎを披露


 由良町門前の開山・興国寺(山川宗玄住職)の灯ろう焼きが、うら盆の15日夜に行われ、檀家が持参した切り子灯ろうを焼いて先祖の霊を供養した。台風の影響で心配された雨もやみ、地元の青年団が土傭担ぎなどを披露。県無形文化財に指定されている750年続く伝統行事をカメラに収めようと、アマチュアカメラマンが訪れシャッターを切っていた。

 午後8時過ぎから檀家が切り子灯ろうを灯して集合し、9時から法堂で虚無僧が尺八を献奏、法要を行い、僧侶や檀家らが法堂を3周。虚無僧を先導に六斎念仏衆、檀家らが灯ろうを手に境内から約500メートル離れた無常堂へ練り歩いた。
 無常堂では松明などをくべた釜場を囲み、六斎念仏衆が唱える「えーなー あむーあ アーミーダー」の念仏、太鼓、笛の音に合わせ地元の子どもたちが「松明踊り」を踊った。
 続いて、地元の青年が土傭担ぎを披露。土傭は干したシダを青竹で巻いて青笹をさした大松明(長さ約4・2メートル、重さ約150キロ)で、朝からの雨を吸って通常より重い上に時折吹く風で火がつきにくい中、両端に火がついた状態で大松明を担いだ青年が登場すると見物客から拍手。担いだまま釜場を3周、途中落としてしまう場面も見られたが、周囲から「頑張れ」の声援を受け、再度担ぎ直して釜場を回りきると「ええぞ~」の歓声もとんだ。
 この後、4本同時に立てる「線香立て」、2本ずつ上部を合わせる「拝み合わせ」、投げて転がす「俵返し」などの儀式も行って力自慢し、見物客から大きな拍手が送られた。
 最後に大松明を井げたに組んで灯ろう焼きが行われ、尺八の音と読経が響く中、檀家の岡良次さん、裕加里さん=門前=が奉納した高さ4メートルの大灯ろうに続き初盆の白張り、3回忌、7回忌を迎えた色張り灯ろうが投げ込まれ、高く上る火柱に手を合わせ先祖を送った。


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全日本女子学童軟式野球大会で岡田未来さん、西山咲良さん準優勝に貢献 〈2018年8月15日〉

2018年08月15日 08時30分00秒 | 記事

準優勝盾、表彰状を手にする岡田さん(右)と西山さん


 学童女子野球日本一を決めるNPBガールズトーナメント2018全日本女子学童軟式野球大会が愛媛県松山市の坊ちゃんスタジアムを主会場に8日から13日まで開かれ、御坊少年野球クラブ岡田未来さん(御坊6年)、三百瀬千鳥少年野球クラブ西山咲良さん(寒川第一6年)がメンバー入りの県選抜チーム「和歌山ハーモニーズ」が準優勝した。岡田さんは2試合に先発、準決勝では完封勝ちするなど準優勝に大きく貢献した。

 6回目となる今大会には全国から38チームが出場しトーナメント戦で競った。過去5回いずれも初戦負けしている和歌山は初戦の2回戦でオール大分ガールズと対戦し4-2で下して初勝利を上げた。静岡イーストエンジェルスとの3回戦では岡田さんが先発し、6回を投げて2失点と昨年優勝チーム相手に力投、3-2の接戦を制した。準々決勝は8回タイブレークの末、2-1でFUKUOKAガールズを破り最終日の準決勝進出を決めた。
 準決勝は昨年準優勝の千葉ガールズと対戦。先発した岡田さんは制球もよく許した安打はわずか1本と相手打線を完璧に抑える好投を見せ完封。3回、4回に1点ずつを奪った和歌山が2-0で完封勝ちで決勝戦へと駒を進めた。
 YAMAYURI(神奈川)との対戦となった決勝は、和歌山が2回に1点を先制すると5回には左前安打で出塁した岡田さんが犠飛や敵失などで生還し追加点。2点リードで迎えた6回に3点を奪われ逆転を許し、6回、7回と無得点に終わり優勝を逃したものの準優勝と健闘した。
 3回戦と準決勝に登板し好投を見せた岡田さんはプロ野球・中日ドラゴンズの岡田俊哉投手(26)=智辯和歌山高卒=の妹で、兄顔負けのマウンドさばきでチームに大きく貢献。投手のほか、一塁手として全試合にフル出場、4試合で安打を放つなどチームの主力として活躍した岡田さんは「優勝を狙っていたので決勝で敗れて悔しいけど、投手としての力を試したいとの思いで大会に臨んだので良い結果を残せてうれしいです」と喜んでいる。
 西山さんは出場機会がなかったが、大きな声で仲間を鼓舞するなどチームを支えた。


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日高川町夏まつり、花火1000発夜空焦がす 〈2018年8月14日〉

2018年08月14日 08時30分00秒 | 記事

花火が夜空を彩る


 日高川町夏まつり実行委員会(黒田量也会長)主催の「夏まつり」は11日、日高川ふれあいドーム周辺=高津尾=で開催。1000発の花火が日高川の夜空を彩り、アユとウナギのつかみ取り大会、あすなろ倶楽部絆の星のステージなどで賑わった。

 午後から日高川ふれあいドーム内に設けた特設プールで恒例のアユとウナギのつかみ取り大会が行われ、プールに放たれたアユとウナギめがけ、子どもたちが水しぶきをあげながら捕まえては歓声をあげた。
 午後7時からのステージイベントは美山太鼓の太鼓演奏、あすなろ倶楽部のステージで盛り上がり、8時からあやめ橋下流で花火大会がスタート。スターマインや仕掛け花火など1000発が日高川の上空に打ち上げられ、山間部に響く大音響とともに大輪に咲く花火を楽しんだ。


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御坊市議選に共産・小川春美さん(元教師)出馬表明 〈2018年8月11日〉

2018年08月11日 08時30分00秒 | 記事

チーム「共産党」で活動の楠本、小川、田端各氏(左から)


 来年の統一地方選トップを切って1月に執行される御坊市議会議員選挙(定数14・欠員1、任期満了1月25日)に、日本共産党公認で党御坊市委員会女性運動責任者の小川春美さん(60)=島、無職=が10日、出馬表明した。新人の出馬表明は初めて。小川さんは38年間教師を務め、母親運動リーダーとしても活躍。前市議で来春の県議選御坊市選挙区から出馬する楠本文郎氏(63)=塩屋町南塩屋=の後継者として現職の田端卓司市議(68)=当選2回、名田町野島=と2議席確保を目指す。

 10日に市役所で3人そろって記者会見。田端市議が「チーム『共産党』として田端、小川、楠本の3人で市政、県政で『市民が主人公』の政治を進めていきたい」と紹介。楠本氏が「私の後継者として私と同じ教師畑で、今の市議会にいない女性の候補者を探した。御坊市内の小学校で21年間、教師を務め、地域性はよく知っている。母親運動のリーダーとしても活躍しており、女性の視点を市政、議会に生かしてほしい」と激励した。共産党の女性市議は田端範子さんが平成7年から4期16年務めた。
 小川さんは旧美山村串本生まれ。南部高校、中京女子大学卒。昭和55年から小学校講師を務め、61年に教諭に採用され、湯川、塩屋、内原、畑、御坊小に勤務し、今年3月に定年退職。この間、市母親大会連絡会事務局長を約30年間務め、県母親大会の運営に携わりながら母親の願い、要望を聞き、行政と交渉するなど運動してきた。日高川町小熊で夫、一男一女の家族と暮らしていたが、出馬にあたり、先月下旬から島に住居を移した。
 小川さんは「38年間の教師生活の大半を御坊市内の小学校で勤めさせていただいた。教師生活、母親運動の経験を生かし、子どもたちが安心して学習できる環境整備、市民の皆さまが安心して暮らせるまちにするため、全力で頑張ります。市政についての意見を聞く市民アンケートをとり、現場の声、女性の声、市民の皆さまの要望、暮らしの願いを議会、市政に届けたい」と抱負を述べた。
 市議選に向け、現職13人は全員出馬すると見られ、共産党が前職に代わる新人を擁立したことで、いまのところ定数ちょうどの計算。新人は旧御坊町などから数人のうわさが出ており、今後具体化しそう。前回の選挙でも激戦となった旧御坊町、保守系議員の空白区となっている名田町、大票田にもかかわらず現職議員の少ない湯川町での動向が注目される。


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日高川町坂野川集会所に昭和、平成の大水害水位を刻むモニュメント設置 〈2018年8月10日〉

2018年08月10日 08時30分00秒 | 記事

昭和と平成の2つの大水害の浸水位を示すモニュメント


 平成23年9月3日から4日かけて襲った台風12号による大雨で甚大な被害をもたらせた紀伊半島大水害から来月で7年が経とうとする中、3人が犠牲になった日高川町では、坂野川地区集会所前に同水害の水位と、昭和28年の7・18水害の水位を刻んだモニュメントが建てられた。平成23年の水害時に同地区では人的な被害はなかったが、すぐ上流の小釜本では2人が犠牲になり、2つの水位を記すことで水害の教訓を後世に伝えていく。

 平成23年9月3日早朝に高知県東部に上陸した台風12号は紀伊半島に断続的な雨を降らせた。上流の寒川などでは、時間雨量が50ミリを超す豪雨が数時間降り続き、7時間で約300ミリを記録。椿山ダムの放流量は前例のない約4000トンに達し、下流で堤防が決壊した。日高川沿いに広がる坂野川地区でも川の水が県道を越えて集会所が床上浸水した。下流の民家でも床上浸水の被害があり、多くの住民が濁流から逃げようと、水の中を背後の山中や高台の山向寺などに避難。上流の田尻地区にあった別荘地では30軒以上の建物が流出する甚大な被害が出た。
 町の助成金(50%)を受けて建てられたモニュメントの下部には、紀伊半島大水害の水位の文字とともに赤線が入れられ、災害の日時とともに椿山ダムの放流量が毎秒3958~4000トンに達したことを記している。この平成23年の水位をはるかに上回る約1・5メートル上には、昭和28年7月18日に発生した紀州大水害(7・18水害)の水位も赤線で示され、65年前に発生した被害の大きさを伝えている。当時は、集会所より高い場所にある背後の民家が浸水し、下流の佐井地区では多くの民家が流出したという。
 地元の60歳代男性は「平成23年の紀伊半島大水害とともに昭和28年の大水害の水位を示すことで、ここまで水が迫ったという記憶を胸にとどめ、今後の災害時にも避難意識などを高められるはず」と話した。


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大規模氾濫減災協が21年度目標の取り組み方針策定 〈2018年8月9日〉

2018年08月09日 08時30分00秒 | 記事

協議会で今後の取り組み方針を説明


 県と管内7市町、関係機関で構成する「日高地域における大規模氾濫減災協議会」は、8日に日高振興局で開き、2021年度を目標とする取り組み方針を策定した。全国各地で豪雨や台風等による被害が局地化、集中化、激甚化しており、同様の被害を繰り返さないため「洪水時の逃げ遅れによる人的被害ゼロ」を実現しようと、新たに管内4河川水系を対象にした想定最大規模降雨の洪水浸水予想区域図の作成、それに基づくハザードマップの作成、広域避難計画の検討などハード、ソフト両面から必要な対策を推し進める。

 日高地方では昭和28年7月の「7・18水害」、平成23年9月の「紀伊半島大水害」で甚大な被害を出しているほか、毎年のように浸水被害等が発生しており、国の水防災意識社会再構築ビジョン、水防法等の一部改正に伴い、県、管内7市町、和歌山地方気象台、国交省近畿地方整備局(オブザーバー)で昨年7月に協議会を設立。県が7市町に情報伝達や避難計画、水防、河川施設の整備などについて現状と課題をヒアリングし、21年度までに達成すべき減災目標や取り組み方針をまとめた。
「水害に強い地域をつくるための水防災意識の更なる向上と、現在及び将来世代に確実に普及、継承する」を減災目標に「洪水に対する意識の啓発及び普及」「避難時間の確保」「迅速、的確な行動の備え」を柱に取り組む。具体的には来年度を目標に県が日高川、印南川、切目川、南部川4水系ごとの想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域図を作成し公表。それに基づき関係市町が分かりやすく、利活用されるハザードマップをつくり、周知に努める。
 また、来年度をめどに避難勧告等の発令に着目したタイムラインの策定(県、5市町、気象台)想定最大規模の浸水に対する地域防災計画における被災者支援の見直し(県、7市町、気象台)要配慮者利用施設の地域防災計画への記載(6市町)。20年度をメドに防災用資機材倉庫整備(4町)。21年度をメドに防災行政無線のデジタル化(4市町)災害時の応急対策活動の相互応援に関する協定書に基づく具体的な広域避難計画の検討(7市町)などに取り組む。
 このほか、従来から行っている避難場所等を周知する標識、案内板、誘導灯の設置や避難行動要支援者の個別計画作成の促進、避難行動要支援者が参加する避難訓練の実施、自治会単位での啓発活動や避難対策ワークショップの実施、小中学校と連携した防災教育の実施、河川水位の情報提供、水防資機材の整備、河川整備計画に基づく河川整備の推進などについては継続し、充実させる。


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紀州鉄道西御坊駅26日を最後に無人化、切符求めるファンらでにぎわう 〈2018年8月8日〉

2018年08月08日 08時30分00秒 | 記事

西御坊駅の名とともにさまざまな駅名が書かれた硬券切符
(左下が準常備片道乗車券)

26日を最後に無人化する西御坊駅の窓口


 日本一短いローカル線で知られる紀州鉄道の西御坊駅が今月26日を最後に完全無人化されることになり、二度と手に入らない可能性がでてきた同駅発売の切符を買い求めようと全国各地から多くの鉄道ファンや切符コレクターらが訪れている。紀州鉄道では、現在ではあまり見られなくなった硬券切符を取り扱っており、「西御坊から」と印字が入った多くのJR連絡の切符のほか、昭和40年代の色あせた歴史を感じさせるレアなものまであり、鉄道ファンや長年の駅利用者らが名残を惜しんでいる。

 長年にわたり地域住民の足として“りんこう”の名で知られている紀州鉄道。西御坊駅は1932年(昭和7年)に松原口駅として開業した。2年後に鉄道は日高川駅まで距離を伸ばし、半世紀以上にわたり御坊駅-日高川駅間3・4キロで運行していたが、89年(平成元年)に西御坊駅-日高川駅間を廃止し、営業距離を2・7キロに短縮、西御坊駅は同鉄道の終点駅になった。
 ピーク時の64年(昭和39年)には鉄道の年間乗降客は約105万人(現在は約18万人)を数え、西御坊駅も多くの乗降客が利用、売店も設置し、多くの映画看板が立ち並ぶなど中核駅としてにぎわったが、道路整備の完備(車社会への移行)や人口減少(過疎化の進行)などの影響で鉄道利用者が減少。西御坊駅も利用者が減るなか、開業以来、全日始発から最終まで窓口営業していたが、事業の合理化に伴い今年6月から土曜・日曜・祝日の午前6時から午後11時までのみに変更。今月26日を最後に完全無人化することになった。
 同社が5月上旬に駅の完全無人化を発表して以来、全国の鉄道ファンや切符コレクターらの間で話題になった。切符販売を行っている窓口閉鎖を前に、多くのファンらが買い求めようと駅に駆けつけるようになり、営業時間帯には電車が到着する度に切符を購入する利用客の姿が見られる。現在はJR普通列車が乗り放題になる「青春18切符」の利用期間ということもあり、1日十数人が全国から切符購入に訪れている。
 紀州鉄道で取り扱っているのは、自動改札の普及に伴い、現在では一部私鉄でしか利用されなくなった硬券。西御坊駅には「西御坊から」と書かれた紀州鉄道の切符や同駅の入場券をはじめ、「新宮」や「湯浅」など駅名が印字されたJR連絡の切符や、降りた駅名の印字部分で切符を切り落とす準常備片道乗車券などある。中には昭和40年代の発行でこんがり日焼けした切符や現在の運賃と大幅に違う運賃改正前の切符など、鉄道ファンやコレクターにはたまらない硬券がずらり。「広川ビーチ」など変わった駅名の切符を買う人や、きのくに線の「和深」や和歌山線の「大谷」など路線ごとの駅をピックアップして購入する人などさまざま。同駅発売の北は「大阪」から南は「新宮」までの41種類の切符と2種類の入場券合わせて全43種類、約4万円相当の切符を買う人も。多い時には営業日のわずか5時間で7~8万円の売上げがあるという。
“ラスト7日”に迫った5日にも多くの鉄道ファンらが訪れた。埼玉県杉戸町の会社員男性(26)は「紀州鉄道はノスタルジックな雰囲気でとてもいい。窓口がなくなるのを前に買うことができてよかった。うれしいです」と述べ、兵庫県小野市から来た会社員の男性(58)は「国鉄時代の運賃改正前の切符を買うことができ感激しています。西御坊駅発行の切符がなくなるかもしれないので宝物にします」と名残を惜しんだ。
 紀州鉄道の大串昌広さん(53)は「時代の流れとはいえ、かつて多くの人でにぎわった西御坊駅の窓口がなくなるのはさみしい。いつか再開することができれば」といい、「多くの人に西御坊駅の切符を買っていただき感謝している。西御坊駅の思い出としていつまでも大切にしていただければ」と話している。


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