星野博美さんのキリスト教禁教時代がテーマの新作を、折しも世界遺産の登録を取り下げることになった長崎で読めるなんて、ある意味すごい巡り合わせでした。
はじめは中世の楽器 リュートに惹かれ、オーダーメイドのマイリュートを注文するまでのめり込むところからのスタートですが、この楽器を外国の国王や、ローマ教皇の前で巧みに演奏したという、天正少年使節団の時代につながります。
使節団のことは『クワトロラガッツイー』にまかせて、星野さんは、禁教時代になっても、遥か西洋から宣教師達が何故次々とやって来たのか、独自に読み込んで、仮説を立て自分の足で検証します。
国内では原城跡、日の江城跡、大村純忠公の後、放虎原、鈴田牢、サンジヨアン教会後の、かなりお寒い保存?活用状況を赤裸々に晒していきます。ほーんとこんなんで世界遺産になつたらどうすんだろう(^_^;)と言うくらい、目を覆うばかりの保全状況のようです。
最後まで読み進むと、イエズス会の創始者 ロヨラを訪ねて、スペインのバスクを訪れ、そこで日本に渡り殉教し列福した神父の故郷にあるキリスト教会ねたどり着きます。
そこで恐る恐る、旅の目的を通訳を通じて地元の神父や信者に告げ、心通じ合うというクライマックスが待っている、ロードムービーを観てるような気分になれますが、それはそれとして、禁教時代の方が、世界的に有名な151年前の『信徒発見』より何倍もドラマがある!と星野さんに教えられたのでした。ありがとうございます。
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