風に染み入る海風のしょっぱさに・・・顔を枯らして鼻をこすり・・・
荒れた手の・・・さわりを優しく包み込む柔らかな小さな手と・・・
真綿の吐息が温かく・・・
雪国を過ごす顔を染め・・・波の飛沫で洗われる・・・。
田園風景が原風景の表に現れて・・・
雪景色は裏の顔で荒れ始め・・・
ピカピカ跳ねる氷柱の先を・・・水滴で延ばし・・・
重くのしかかるねずみ色と雲が頭を打てば・・・
長く縛られた季節の始まりは、北風に包まれて守られている・・・。
どこまでも変わらない背景に、滲んだ心を描いては・・・
一晩で元に戻る悪戯を受け入れ・・・芽吹きの時は遠く・・・
擦り切れた靴底を滑るように走り抜けては・・・
水墨画に似せた筆さばきを・・・自由に走らせ・・
痩せこけた枝も・・・硬い蕾も、頑固な夢を見て・・・
広がる結晶は凍てつく夜に・・・
命の怖さと強さを知るのかも。