ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「覚えていますか」

2017年06月15日 19時54分58秒 | owarai
覚えていますか?
あなたは、あの日のことを。
覚えていますか?わたしのことを。

わたしたちが出会って、ぶつかって、
ふたつの心がばらばらと音を立てて
砕け散った、あの場所のことを。

わたしは覚えている。たとえあなた
が忘れ去っていても、死ぬまで
二度と思い出しもしなくても、

わたしだけは、忘れない。忘れる
ことなどできない。なぜなら、
あなたという人はあの日、あの
場所で、わたしに刻まれた痕跡
だから。

わたしという女に、この人生に
標された、あなたはマイルスト
ーンだから。

あなたは古い地図。
あなたは壊れた方位磁石。
そしてあなたは、牙を剥いて荒れ
狂う、真冬の海辺に立つ灯台の
明かり。

あなたはわたしを迷わせ、わたし
を引き寄せる。希望なのか絶望
なのか、救いなのか破壊なのか、
わからない―――それらのどれで
もない、

それらのすべてを孕(はら)んだ
光を放ちながら。


「ステージは後からついてくるもの」 ブリュー・ミュージアム SAKU 店長コラム

2017年06月15日 12時11分50秒 | owarai
【コラム】

「自分のステージを上げる」とか
「ワンランク上を目指す」って
言い方があるけど、私は、
そういう考え方で仕事をする
のはあまり面白くないというか、

幸せじゃない気がします。
会社で言えば、課長から部長に
なって「偉くなる」ことが、
そんなに大切なことなのかと
思うんです。

「社長になりたい」というのも
そうで、なにかやりたいこと
があって会社をつくるならいい
のですが、

とにかく「社長」という“肩書”
を手に入れたいという考えは
つまらないし、意味がないと
思います。


63体のビスクドールを展示

野沢93番地十二町
ぴんころ地蔵通側
~柳田二助商店~
℡0267-62-0220

『創業122年』


「 いい人 」ブリュー・ミュージアム SAKU 店長コラム

2017年06月15日 05時20分14秒 | owarai
【コラム】
いい人【いいひと】
「いい人っていうのは、
よくない人を救うために
いるんですって」
  ※
「あの人はいい人だって
いって歩くと、その人は
いい人になる努力をする
んですね。
それで、早死にするんです」
  ※
教育者【きょういくしゃ】
「子供は親のいうとおり
育つものじゃありません。
親のするとおりに育つ
ものです」
  ※
「箸の持ち方が悪いって
怒って奴の箸の持ち方
がなってないんだから
困ってもんだ」
  ※
「若者を育てているって
いう人に限って、
若者をつぶしていること
がある」

63体のビスクドールを展示

野沢93番地十二町
ぴんころ地蔵通側
~柳田二助商店~
℡0267-62-0220

『創業122年』


「優しい人」―女の履歴書―

2017年06月15日 00時00分09秒 | owarai
家のなかで顔を合わせるたびに、
夫とわたしは諍(いさか)いを
繰り返していた。

夫は、わたしが仕事を続けたい
なら、借家を引き払って、母親の
家で同居して欲しいと、盛んに
言い立てた。義父は多額の財産を
残して、数年前に他界していた。

義母はわたしを嫌っていた、にも
かからわず、わたしたちと一緒に
暮らしたがっていた。いや、もっ
と正確に言えば、彼女は息子と
孫娘と一緒に、暮らしたがって
いた。

義母との同居はしない、近くに
住むだけ。それは結婚するとき、
夫と交わした約束事のひとつだ
った。
「せやけどそれは、あんたが家に
、という大前提のもとでの約束
やったはずや」

と、夫は言った。だから、どっち
かにしてくれ、と、夫は主張した。
わたしはどちらもいやだった。
仕事を辞めてずっと家にいる生活
も、仕事を続けながら義母と同居
する生活も。

そんなある日、娘が学校で描いた
「お母さんの絵」というのを持ち
帰ったことがあった。

そこにはわたしとは似ても似つ
かない、着物姿の女性が描かれ
ていた。
「琴子ちゃん、この人、ママに
全然似て似てへんねえ」
と、わたしが言うと、娘はランド
セルのなかから一枚の写真を取り
出して、わたしに見せた。

「おばあちゃんがね、この写真
見てかきなさと言わはったの。
琴子のママは世界中でこの人ひ
とりだけなのやと、言わはった
んよ」。

それはお宮参りの写真だった。
生まれたばかりの赤ん坊を抱いた、
若い母親の姿が写っていた。

このような出来事は日常茶飯事
だった。けれども夫には何も
話さなかった。わたしが話せば、
夫はおそらくこう言っただろう。

「それはあんたが、母親として
のつとめを怠ってるせいやろ」と。

家のなかは荒涼とした砂漠でも、
一歩家から出ればそこには、優
しい人とわたしの世界が広がって
いた。毎日、玄関から外に出て、

家を背にした瞬間、わたしの耳
には家が崩れ落ちてゆく音が聞
こえていた。同時にわたしの躰
のなかで、後妻であり継母(まま
はは)である女が死に、みずみず
しい別の女が目を覚ますのがわかった。