松下幸之助は、「人を生かすことで
いちばん大切なことは『配慮』だ。
人に対する配慮、思いやり、共感が
なければ、人を動かすことはでき
ない」と言っています。
幕末の大儒・佐藤一斎は、「得意のこ
と多く、失意のこと少なければ、そ
の人配慮を滅ぼす」と記しています
が、
「人の痛み」を知るには失意の経験
もまた貴重なものです。
挫折したこともない、病気をしたこ
ともない、苦しみを味わったことも
ない。そういう順調な道をあるいて
きた人は、悪意はないのだけれども、
人間の弱さやつらさ、失意のときの
人への思いやりの温かさなどが実感
できなくて、つい人間味が欠けがち
である。
幸之助さんは、自分には三つの財産
があった、と語っている。
① 学校へ行かなかったこと
② 健康にすぐれなかったこと
③ 決断によわかったこと
だから、人が教えてくれたり、助け
てくれたりして成功したと言って
います。
欠点を欠点として認め、しかし
失敗を失敗として終わらせること
なく、そこから始められるか否か
が、成功する人と失敗する人と
分けるようです。