ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

『あなたに会いたい』

2021年11月27日 11時15分18秒 | owarai

忘れな草が咲いていた
道に線を引いて
その上を歩いた
どこまでも
道が途切れるまで

見上げると青い空だった

君がいた頃は
なにもわからなかった
本当に
何にも

どんなに君を好きだったかも
人との関係も
大切なことも

失ってはじめて気づいいた
けど
今だってたぶん
まだまだ霧の中だ

遠く過ぎないとわからない
なんて
どうすればいいんだ

ひとつだけわかったこと
胸に深く刻んだことは
大事にすること
とにかく
大事にすること
好きなものはどんな時でも
ただ馬鹿みたいに大事にすること


YouTube
中島美嘉 『ORION』

https://www.youtube.com/watch?v=q7GFtKuEQik


ショート・ショート小説

2021年11月27日 11時11分21秒 | owarai

気が済むまで泣いたあと、ふと
思い立って、パソコンを立ち上
げた。

紹介されたホームページにアクセス
してみた。ふらっと立ち寄ってみた、
いくつかの貼られていたリンク。

その中のひとつに、わたしの目は
釘づけになった。
『こちら黒いウサギの絵本館』。
睫毛にくっついていた涙の塊まりを、
指で拭い取ってから、細かい文字を
もう一度、見た。

間違いない。そこには確かに
「黒いウサギ」という文字が並ん
でいた。

クリックしようとして、マウスに
伸ばした指がふるえた。思いが
交錯した。入り乱れた。光と影の
ように。幻と現(うつつ)のように。

あなたは、誰?
会いたくて、会いたくてたまらない、
なのに、会えない―――
わたしの、愛しい人。

「行ってきます」と言って、わたしの
前から旅立ったあと、それきり、
戻ってきてはくれない―――

クロウサギさん、あなたは今、どこに
いる?
もしかしたら、あなたは「あな
た」なの?
黒ウサギさん、あなたは、わたし
のクロウサギさん?

あり得ない。
人違いに、決まっている。
絶望すると、わかっている。
それでも、どんな小さな可能性
にも、今はすがりつきたい。

会いたい。会いたい。会いたい。
胸の中に、ずっと閉じ込めてきた
はずの恋が、激しく波打っている
のがわかった。

YouTube
Time After Time - Cassandra Wilson

https://www.youtube.com/watch?v=afNI2CI9oyU


「さよなら」

2021年11月27日 08時25分10秒 | owarai
魚にもシュンの季節がある
ように、「さよなら」にも
シュンの時期がある。

目の赤くなってしまった
「さよなら」や、鮮度の
落ちた「さよなら」、加工
されたり、冷凍保存された
「さよなら」は喜ばれない。

機を見て、グットタイミン
グで言われた「さよなら」
だけが、

二人に楽しい思い出を分け
てくれるのである。



YouTube
Legend of 1900 - Playing Love

https://www.youtube.com/watch?v=lgXW6XDnhXA
 

“慢性的「不幸」にいちばんのクスリ”

2021年11月27日 08時08分28秒 | owarai

劣等感の研究で有名な精神分
析医、アルフレッド・アード
ラー博士は、憂鬱性の患者に
いつもこう言ったそうです。

「この処方通りにしたら、き
っと二週間で全快しますよ。
いいですか、どうしたら他人
を喜ばすことができるかと

いうことを、毎日考えてみる
ことです。不幸に陥る人は、
自分のことだけを考えている
人です」

人間の常として、嫌なことや
つらいことを嫌います。

避けようとすればするほど、
地獄の責め苦は二倍にも三
倍にもなってはね返ってきて、
ますます苦しいものになる。

白隠(はくいん)禅師は
「南無地獄大菩薩」と言い
ました。地獄から逃げずに
一身を任せれば、おのずと
道は開けてくるという意味
です。

最澄は「忘己利他(もうこ
りた)」を説きました。
人を愛し、思いやり、笑顔を
向け、労りの言葉をかけるこ
とによって、

相手を幸せにするだけでな
く自分もまた幸せになること
ができるのです。

今の世の中、自分のことだけ
しか考えない人が多くなって
きましたが、それだけ自分自
身を不幸な気持ちにしている

のです。

 


バーにやって来て、ちっとも 酔えないお酒を飲んでいる。

2021年11月27日 08時06分05秒 | owarai
「お願いします。うんと強いのを」
と頼んでみた。
「さ、できたよ。どうぞ、召し上がれ」
数分後、目の前に差し出されたのは、
いちごとミントの小枝で飾られた、
メキシカンガラスのゴブレット。

「可愛い!」
思わず、感嘆のため息がもれた。
ひと口飲んだあと、そのため息は
甘くなった。甘酸っぱくてせつない、
昔懐かしい味を彷彿させている。

ああ、この味は、いつかどこかで
味わった、何かの味にそっくりだ。
でも、なんの味なのか、うまく思い
出せない。

ストローで少しずつ、少しずつ、
吸い上げながら、味わってみる。
頭の芯が溶け出して、気持ちの編み
目がほどけてゆくのがわかる。

楽園は、近い。わたしのすぐそばに
ある。この胸のなかにある。この皮
膚の表面に宿っている。彼に触れた
い。触れられたいと願っている。

この指先に。
そこまで思った時、思い出した。
よみがえった。このカクテルの
味は、彼と交わした口づけの味だ。
この記事についてブログを書く
 

「遠 恋」―Ⅲ―⑷

2021年11月27日 07時57分58秒 | owarai

いつのまにか、夜中の二時近くに
なっていた。
「じゃあそろそろ」
と、言ったのは、わたしだった。

あのひとからそう言われるより
先に、自分で言ってしまった方
が、踏ん切りがつけられると
と思って。

だけど、言ってしまってから、
後悔した。
「そろそろ」のあとに、うまく
言葉が続かなかった。本当は
このままずっと、しゃべって
いたい。朝まで話しを聞いて
いたい。

つながっていたい。そんな気
持ちが波のように、寄せては
返していた。

「信じられないくらい、長話し
ちゃたね。もう眠いでしょ?
そろそろラップアップしなきゃ」

「ラップアップ?」
「電話、なかなか切れない時って
あるでしょ。電話を切る、終わらせ
る、やめる。どれも言いにくいし、
言いたくないし、そういう時、こ
の英語が便利なんだよね

包んでしまいましょうって」
爽やかな、あのひとの声。
絶望的な、わたしの気持ち。

「向こうに着いて落ち着いたら、
必ずメールを送ります。
お元気で。今夜の電話、ほんとう
にサンキュ。じゃ、ひとまず
さようなら」

一点の曇りない声であのひとそう
言い、受話器は置かれた。

その瞬間わたしは、真夜中の片す
みに取り残された、ひとりぼっちの
深海魚になった。