ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「イリュージョン」 ショート小説

2018年05月27日 04時55分17秒 | owarai

「私はね、贈り物をもらった側
だったんだけど」
その頃、彼女は独身だったが、
つきあっていた人には、奥さん
と子どもがいた。

そして、海外出張に出かけるた
びに、彼は彼女の部屋に一日
だけ早く「もどってきて」、ベ
ットのなかで、海外出張に出
かけるたびに、

彼は彼女の部屋に一日だけ早く
「もどってきて」、ベットのな
かで、海外で買い求めたお土産
を手渡してくれたのだという。

「すごく嬉しかった。でも、す
ごく悲しかったの」
「えっ、どうして!」

「なぜだかわからないけど、なぜ
か、わかってしまうの。これと
色違いのものを、この人はあと
ニ個、買ったんだな。想像して
しまうの。

ああ、家族へのお土産はきっと、
スーツケースの内ポケットの奥
深くに隠されているんだろう
なって。そう思うと、なんだか
情けなくて」

そのあとに、彼女はつづけた。
いつになく、声に力がこもって
いる。

「ここからが、この話の本題。
その時は悲しかったし、あなた
と同じで、この恋は悪夢だと
思ってた。でも、今は違うの。
全然違うの」

「どう違うの?」
「今はね、悪夢じゃなくて、幻
になったの。しかも、とてもき
れいなエメラルドグリーンの幻
なの」

「どんなに悲しい恋でも、時が
過ぎれば、美しい幻に変わるっ
てこと!だから、そんなに暖か
くなくてもいいってこと?
この恋、やめなくてもいい、
あきらめなくてもいいってこ
と?」

「解釈は、ご自由に」
そう言って、彼女はまたすっと、
あなたから一歩だけ、遠のいた。

ティールームを出ると、あなた
たちは裏通りにあったカクテル
バーに立ち寄って、夕暮れ時の
お酒を飲んだ。

「これ、私からの贈り物」
彼女はあなたに一杯のカクテル
を奢ってくれた。その名も「イ
リュージョン」。

目の前に差し出されたハイボー
ルグラスには、メロンリキュー
ルに染められたウオッカと、
まるでビー玉みたいに見える
メロンのかけらがふた粒。

満たされた氷が、店内の明かり
と、窓から射し込む西陽の両方
を受けて、揺らめく小宇宙のよ
うだ。

「進め」を意味する緑の信号が、
グラスのなかで点滅している。
氷は黄色から赤に変わろうとし
ている。

そんなお酒を飲みながら、あなた
も心を点滅させる。
悲しい恋でも、悪夢のような恋
でも、幸福と不幸のジェットコー
スターに乗っているような日々で
も、

今はとりあえず、前に進むしか
ないのではないか。幻に向かって、
いつか、悪夢がエメラルドグリーン
に変わる日が来ると信じて。

YouTube

bohemianvoodoo "Golden Forest" 【Music Video】

https://www.youtube.com/watch?v=-oWccnrIqKo


男性は女性の不幸話に絶対的に弱い

2018年05月26日 14時21分12秒 | owarai

女性から見て、特別にきれい
なわけでもない、
ちょっと得体の知れない女性が
います。

 そう、彼女を見ていると、女性
で一番強いのは決してモデル
みたいにきれいな人ではないと
思わせる女性がいます。

何だかよくわからないけど、
この人が一番だ、と男の人に
思わせる女性には、とうてい
太刀打ちできない。

 それにしても、男は、不幸な
体験をしている女性に本当に
弱い。

自分がどんなに不幸を抱えて
いる女かということを切々と
語れると、大抵の男性は可哀想
だと思い、コロっといってしまう。

だから、女性の中には本能的に、
自分の不幸を武器にして男を
虜にする人も結構いるのです。
いわゆる「魔性の女」です。

不幸話を披露することによって、
一時的には男の人の同情を
引くことに成功するかもしれません。
しかし、それで永続的な幸せが
手に入ることは決してないのです。

それに、結局は同性に嫌われる
ことになります。

恋愛は、やはり正攻法で行くのが
一番なんでしょうか?!


世の中には愛したい人と愛されたい人がいる

2018年05月26日 11時48分45秒 | owarai

仕事ができる男性と、もてる
男性はイコールです。

ところが、女性の場合は
ちょっと違います。

仕事ができる女性、イコール
もてる女性では決してない
のです。
仕事ができなくても、もてる
女性はちゃんといます。

それに、女性が悪い男にグッと
惹かれる時があるみたいに、
男性でも、仕事ができて人望が
ある女性よりも、駄目な女性に
心を惹かれてしまうこともある
わけです。


ショート・ショート小説

2018年05月26日 06時43分00秒 | owarai

「朝一番のバスでおいで。できる
だけ早いので。そうすれば、こっ
ちで過ごせる時間がそれだけ長く
なるから。それと、できるだけ
あったかい格好でね。こっちは
寒いから」

「はい」
小学生みたいに答えながら、胸の
中に渦巻く感情を持てあましてい
た。

会えるだけで、嬉しい。ひと目
会えるだけで、嬉しい。ひと目
会えるだけでも、充分に。

でも、誘って欲しい。彼の方か
ら、彼の言葉で。泊まっていけ
よ、と。強引に誘って欲しい。
そうすれば、わたしは―――

でも、わかっている。そんなこと、
大それた望みだとわかっている。
なぜなら彼は「日帰りで」と、
はっきり言ったのだから。

生まれて初めての恋だった。

恋してしまったら、人の心は
どうなる。躰はどうなる。

そう受け止め、どう求め、どう
与え合えばいい?わからなかっ
た。何もわからないのに、

わたしは彼と「結はれたい」と、
願っていた。そのことを、希求
していた。何もかもが、わたし
にとって、初めての体験だった。