クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

終わらざる夏 下巻

2010-11-07 05:56:37 | 読書
 ポツダム宣言を受諾、無条件降伏を示す玉音放送。その直前に不可侵条約を破って宣戦布告したソ連。ソ連は、無条件降伏した日本に対して攻撃を開始する。
 ソ連の攻撃にシュムシュ島の日本残留軍は戸惑いながらも応戦する。これは、領土を守るための戦いです。逆にソ連中でも戸惑いがあった。降伏した国を攻めるのかと。戦後シベリアに抑留された日本兵。過酷な抑留生活の中の絶望感から、命をもってソ連に抗議する元日本兵。そんな中、軍医として抑留されていた菊池医師も命をもって抗議しようと考える。遺品となる自分の持ち物を整理しているときに、預かった遺言を目にする。そのとき、シュムシュ島のあの夏を思い出す。あの夏を兵士達の気持ちを無にしてもいいのか?医師は生きることを決心して物語は終わる。
  
 この本は、兵士、一般市民、子供、敵兵士のあらゆる目線から戦争を見つめている。結局、戦争から得るものなど何も無い。作者はそのことが言いたかったのでは?戦争、行き場の無くなった日本が追い詰められて選択してしまったものではないか。今、再び日本を戦争の道に引きずり出そうとされている様にも感じられる出来事が続いています。再び同じ過ちを犯さないようにしないといけないと思います。
コメント
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