余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

バラ色の獣

2021-03-09 01:38:42 | バラ色の獣の詩
僕は聡明なものに憧れる
優しいものに憧れる
柔らかいものに憧れる
時折違ったものに憧れる
愛と平和にくちづけを
バラ色は切なく幸福の色
獣は狂おしく雄叫びを上げる
人は両極を持つ
バラ色と獣
僕はバラ色の獣である
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あなたのおかげで

2020-10-26 23:19:01 | バラ色の獣の詩
あなたのおかげで
夜がこわくてねむれない

あなたのおかげで
笑顔もうまくつくれない

あなたのおかげで
ままごともできなくて

あなたのおかげで
僕は凍えて寂しくて

あなたのおかげで
毎日探している

あなたのおかげで
誰にも触れられない

あなたのおかげで
胸の奥をうずかせつづけ

あなたのおかげで
言葉を失くしてしまう

あなたのおかげで
僕は全てを見失う
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ほとり

2020-10-26 23:17:14 | バラ色の獣の詩
愛する人がいないこの世界に
何の意味があるというの
想いのつづりや
幻想の抱き、泪の描きなんて
悲恋、悲劇にはなっても

内に潜む虚しさやメランコリーを埋め尽くす
高くそびえた塀の向こう側は
明るい空さえ覆い隠す歪な曲がりとなり
太陽の憧れは日に日に増していく
いつか来るであろう憎しみの連鎖のために
憎しみはやがて悲しみを生むのに
悲観は他者に喜劇を見せる
場合により他者はそれを愛と呼び
時に他者は憐れとも変わり者とも呼ぶ

遠吠えが胸の内から響いてくる
止められない一方の傍観者は触る

魂の分裂は時間を狂わせ
一つは現世 一つは幻想 一つは消失と
幾重にも散らばり鳥をつくる
鳥は餌を求めるため視界から消え去り
静寂の音が世界を裸にする
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まさぐり

2020-10-17 21:52:57 | バラ色の獣の詩
ポケットにはコインが数枚

これからどうしようかな
これで何が買えるかな
心もとなさでポケットをまたさぐる

さぐった指先に何かがあたる
これはなんだろう
引きだし見たものは
それは僕の性愛だった

ポケットにコインと性愛
とりあえず性愛はポケットへ
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月におかわり

2020-10-17 21:51:37 | バラ色の獣の詩
月の光から栄養をもらう
パクパク  モグモグ
ズウズウ  ムシャムシャ
いくら食べてもお腹いっぱいにならない
満腹感を知らない脳神経は
どうやら他のとは変わっているらしい

僕は月の人だから
月の光の栄養を食べる
パクパク  モグモグ
ムシャムシャ  ガブガブ
どうもおかしい腹の虫
虫はまだくれ まだくれと
僕に食欲を疼かせたもう
底を知らない祈りの深さ

爪先についてる泥は月への道筋
ガブガブ  ジャブジャブ
ベロリベロリ  ガリガリ
やめられない口への運びは
抱腹絶倒をかもしだす
腹はみるみる膨れ上がり
瞬きは速く止まらない

はちきれる服は
現れる醜さを露呈し
月の光は止め処なく降り注ぐ

欲望の快楽
バクバク  バリバリ
ベチャベチャ  ゴウゴウ
僕はとうとうはちきれる
欲がないのも困るけど
欲がありすぎるのも困りもの
はちきれても月への憧れに手を伸ばす
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