余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

ないている

2021-08-13 22:31:14 | リンゴのいろ(短歌)
ないている
雨が呼応し
しくしくと
雨はしだいに
コーヒーになる
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星の子

2021-08-13 22:14:34 | マイブック(あ)
「星の子」
      今村夏子 著

不思議なおはなしだった。
おかしみとかなしみ。
ふたつが密接により深く繫がっている。
余白が語る小説というものをこの本で出合った。
林ちひろ、中学3年生。
親はおかしな宗教を信仰している。
親と周囲の友人、先生、おとな。
繋がれているのはちひろの持つ純粋さとあやうさ。
二極が対立している緊張がバランスをおかしくさせる。
けれど人は二極を矛盾にまた矛盾なく持ち続ける。


星は語る。
価値観はひとそれぞれに、
それを肯定することはある意味で矛盾をはらみ、
孤立する。
孤立は孤独の果てをみせて、
余白を埋め尽くそうとする。
独白の暴走に。
そこに愛はあるのだろうか。
愛はそれぞれに個を膨らませていく。
光りを浴びたあなたがいるために。
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