「ことばの歳時記」
山本健吉 著
俳句の季語。
それは季節の言葉。
その言葉を聞けば春を想う、
または夏を感じ秋に触れて冬をみる。
古くからある言葉に込められたもの、
言葉からどんなことを感じてその体温に包まれる。
春は、水温む、霞、黄色い花、立春、東風、等々。
夏は、新緑、薫風、涼し、泳ぎ、花火、河童、など。
秋は、秋の暮、月、虫、身に入む、紅葉、など。
そして冬は、時雨、息白し、去年今年、雪、冬籠、等々。
言葉はおもしろい。
そのことばの持つイメージにより、
想像はより深くふかくへと膨らんでいく。