「華氏451度」
レイ・ブラッドベリ 著
伊藤典夫 訳
華氏451度とは本の燃える温度。
本は悪となった世界。
本を燃やす仕事の昇火士、ファイアマン。
主人公ガイ・モンターグ。
本の悪とは、人々にさまざまな影響を与えること。
黒い影、悲しみ、涙、虚しさ、鬱。
そこからくる争い、自殺、戦争、心の揺れ。
しかし目の前には戦争の匂いがしている。
それは人々には見えていて見えないもの。
見えているものは流れていく受動の壁面、
耳にはまっている流れていく巻貝。
本とは言葉が記されたもの。
言葉を読むことは感情を掴みえて、
どう?からなぜ?へ愛を旅する。
もちろん本を読まなくとも知りえる。
言葉に触れる機会により。
言葉の意味を手に入れられたなら。
本を読む余暇が大切なのかもしれない。
ながれる時間のなかの時の持つその時の季節の温度。
魅力のある人物たち。
隊長のベイティー、妻のミルドレッド、教授のフェーバー。
そしてクラリス・マクレラン。
散歩して、月を見、人を見、雨をたべ、
タンポポであごの下をこすって。
物語の本となっていく。