余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

リンチ

2023-01-21 00:18:44 | 十五の詩
いつから涙がでているのか
記憶は場面を色濃く映し出す
痛みはどこからやってくるのか
孤立無援の苦痛の檻
泥を舐め
顔は歪み
手は汚れ
見詰めていたのはガラスの人
次第にみえなくなっていく
鞄の中は写真に埋もれて
やがて
救いを求めてさ迷いだす
どこからかキツツキがきこえる
色素は失われて
モノトーンの世界は夢にも現れ
身体の傷は癒えるけれど
またやってくる監獄の世界へ
そこは狭く淀みの周り
大きな鹿にあっていた
あの頃の鹿が見詰めている
この涙を飲むために
本とループでつぶしながら
鹿の警戒がとくのを待っている

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