PRESIDENT 掲載記事より
■「紹介」を軽く考えてはいけません
営業とは駅伝のようなものだと思います。
一区間だけで勝負するのではなく、
延々とタスキをつないでゴールします。
たとえば最初に接触したときは商売に結びつかなくても、
やがてあなたの信用が評判として広く世間に伝わっていき、
結局は、たくさんのお客を連れて来てくれるかもしれません。
こうして2人で話しているように見えても、
おのおのが数千、数万の人につながっていると思えば、
ちょっとした会話でもおろそかにはできません。
私はいつも、その人の背後の数千人と話していると思っています。
さる外資系の生保会社で、セールス世界一を記録した知人がいます。
私はその人から保険に入れと勧められたことはありません。
十数年の付き合いですが、
勉強会などでご一緒するだけで、商売の話は一切なし。
私が別の生保に入っていることをとうに承知しているからです。
その人がなぜ抜群の営業成績をあげられたのか。
おそらくは、人から人を介して誠実な人柄が伝わり、
紹介の輪が広がったからだと思います。
「紹介」を軽く見てはいけません。
私は人を紹介するとき、私自身の「信用」を担保に差し出しているつもりです。
もちろんリベートは取りません。
その代わり、うまく運べば私自身の信用が高まります。
そうやってコツコツと信用や評判を高めていけば、
やがては商売に跳ね返ってくるのです。
ひとつ渋い話を。
外食産業、食材関係のいろいろな会社と取引があります。
新しい店を出す時に、その店の店長が、
ある米屋さんに米びつを提供してほしいとお願いしました。
ずっと使ってきた米屋さんですが、
その新店舗は配達エリアの外れにあるので、
別の米屋さんから仕入れることにしていました。
そのため、先方はあっさり
「おたくとは取引がないので、ご提供できません」と断ったそうです。
たしかに新店とは取引がありません。
しかし従来の店は彼らにとって得意先です。
先々を考えれば、取引が拡大する可能性もあるわけです。
ひとつの店の取引状況にこだわり、
彼らは全体に目配りをしなかったのです。
その米屋さんは、ほどなくつぶれました。
人は お世話になったら、あとでお返しをするものです。
小さな損を重ねて「お世話」をし、
やがて大きな得として返してもらう。
それを待たずに、早めに利益を回収しようとすると間違えるのです。
別に今すぐに取引をしたいと思わない相手でも、
先々には取引が発生するかもしれないし、
紹介の可能性だってあるわけです。
そのチャンスを逃すのはもったいないと思います。
もちろん取引ですから、契約を失うこともあるでしょう。
しかし、1回「切られた」からといって態度を変えるようでは、
次の機会に大きな得を取ることはできません。
あわてて撤退せずに、
細い絆であっても、つないでおくことが肝心だと思います。・・・
とあります。
私の仕事でも、
小さなつながりから紹介されて
営業に繋がり契約に至ることって結構ありますよねぇ?
紹介のお客様からまた新規のお客様を紹介いただく・
紹介の数珠繋ぎ・・
これ営業の理想形ですよねぇ・・
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