今度のオンブズマンの公開度調査は、自治体・議会の監視的役割があるものと思います。特に国会議員や市会議員の領収書の不正流用などもあったからなのでしょうか。
我が普代村議会には、政務活動費というのはありません。
市会議員、県会議員、国会議員が報道でやり玉にあげられているあれですが、市町村ではあるところ、ないところマチマチです。
ある新人市会議員が言っていました。
「わたしは政務活動費はいりません。」と議長に言ったら頭を抱えていると。
「頼むからもらってくれ。」と言われたと。
「何かを調べることは、自分の勉強になるので私は自費でいい。調査するのに例えば遠くに行って、娘にあったとか私用の時間に使えば誤解を受けるし旅費等どこで区分するかなど不可能です。」と言います。
議会側も、一律にもらってくれないと困ることもあるのでしょうか? わかりませんが。
議員全員がこういう人ばかりだといいでしょうが、中にはスカスカで生活している人もいれば、まともな仕事ができないということからも出されているのかも知れません。一律というのを改めればいいような気がしますが、どうなんでしょう。
村は岩手県に4村だけですが、恐らくどこもなかったような気がします。
普代の場合、「政務調査費」という名目で毎月の報酬から1万円づつ積み立てて、当初の予算計画にないもの、予算として支出できない活動費はそこから支払っています。
この「政務調査費」という言葉も公金という誤解を招くのでどうかとは思いますが。
オンブズマンの公開度調査は、公金の扱いと、住民へ知らせるべき公平な情報開示の体制を敷いているかという事です。
これを自治体が議会も含めて、条例等や取り決めでしっかり情報公開する体制があるかをアンケートしたあと、一項目ずつ実際にその通りか資料請求をして問い合わせてみた結果の点数を出したとされています。ご苦労様です。
情報公開という事については、議員の立場からも住民に対してはやはり責任があると思います。
行政の住民へのアンケートや、説明会で意見を求めたりもします。 議会も意見交換会をやったりします。
その時、事前の「情報」があるのかどうかは非常に重要です。その方が議論も深まり意見も出るはずです。
その場でいきなり「どうでしょう?」と言われても困ると思います。
くろさき荘存続議論の時もそうでしたが、あったほうがいいか悪いかだけを問います。
コンビニもあったほうがいいかどうかとだけ聞きます。
ないよりあった方がいいに決まっています。 高級車と軽自動車どっちがいいですかという問いかけと同じです。
「高級車がいい」とほとんどが言うと思います。
そこに係る費用負担、採算性、いろいろな状況などもセットで説明したうえで考えてもらわないと、上っ面だけの「好き嫌い」的な決め方になります。それが情報開示だと思うのですが。
くろさき荘存続の時にもそうでしたが、議会も含め「不都合な真実」は隠そうとします。
「村長が不利になる」ような情報、発言も避けようとする空気があります。
そして、本当のことが言いづらい空気が醸成されていき、それが普通になってきます。
本来の問題がどんどんオブラート化されて、真実が見えなくなります。感覚の麻痺です。
そして、それが楽です。 問題を問題とすることは職員も上層部も苦痛です。そのままでいいのです。
時間が過ぎ、やがては去っていくのですから。
しかしよく考えると、困るのは職員であり、住民です。
もしかすると、住民はそれで困るという事も知らずにいます。 職員は知っても我慢しますが役職が就いてから降りかかってきます。
こうして誰にもどうにもできないまま時は過ぎてゆく。
元横浜副市の長前田正子さんという人の書いた「子ども・子育て支援新制度」という本に各地の事例として、普代村がスクールコミュニティー構想など取り上げられて載っています。2014年が初版の本です。
気になったのが、長野県の下条村のことでした。
人口が当時は4000人ちょいだったと思いますが、いまは3,800人ぐらいのようです。
本には「村の職員は37名(保育士7名・保健師2名・司書1名を含む)しかいない。同規模の自治体と比較すると約半分の人員である。」とあります。
また、「若者定住促進住宅という子育て世帯への住宅がある。・・・補助金を使わず1997年から建設を始めたもので、現在では10棟、124戸の住宅がある。・・・」とあります。
「地域の助け合いや掃除・消防団など地域の活動に参加することが条件」で、「なにより同じような世代が住んでいるので、子どもたちは遊び相手に困らないし、親同士で子どもを預け合ったり、助け合いができるのが何よりもいいそうだ。」
だいぶ前考えたことがあります。あればいいなと。やってるとこあったんですねぇ。とびっくりでした。
どんな村長かと気になってネットで探したら毎日新聞の記事として昨年のものがありました。以下に一部載せます。
下条村・村長伊藤喜平さん(81)
全国平均を大きく上回る出生率を達成し、実質公債費比率が全国最低レベルと健全財政を誇る下条村。数々の改革を成し遂げた「カリスマ村長」の伊藤喜平さん(81)が、6期目の任期満了となる7月24日をもって引退するという。【長沢英次】
−−引退の理由は年齢ですか。
「そろそろ代わってやらんと。81歳というのは81歳だ、やっぱり。若い者がうらやましい」
−−そもそも村長は民間出身ですよね。
「ありとあらゆる仕事をした。ガソリンスタンド、車の整備工場とか。村の商工会の青年部でも一生懸命やっとった。青年部として、人がだんだん減って商売は伸びない、こんなことでは村がつぶれてしまう、と役場へ何回も来たんだけど、当時の行政は『そんなこと相談に来たって手の打ちようがない』と」
−−それで村議から村長に。
「村の職員のぬるま湯体質を何とかしたかった。村長選では、職員のほとんどが私に入れなかった。議会におる時分から『こんな体質じゃだめだ』と言っていたから、職員の皆さんとしては『相当手荒な変革があるぞ』っちゅうことだな」
−−伊藤さんが村長になったら大変だと。
「だから選挙で猛烈な反対をした。俺は職員と貸借関係はないわけで、今までの役場の体質をまず変えにゃいかんと、思い切った職員の意識改革をやった。飯田市の物品販売業の店頭に職員を立たせたの」
−−ホームセンターですね。
「そこで彼らは目つきが変わったわけ。こんな世界があるんだと。職員の意識が変わると、小さな村だもんで、村民がすぐわかるわけだ。魚の腐ったような目をしてもたもたしとったやつが飛び回ってるじゃないか、と」
−−資材は村が支給し、村民が自分たちで道路や水路の工事をするという資材支給事業も注目を集めました。
「職員を減らすから、村の皆さんにも手伝っていただきたい、汗をかいてくださいよということ。私はありとあらゆる商売をしとるもんで、村でやる土木事業くらいすぐわかる。これくらいなら地域の人たちが汗をかけば自分たちでできる仕事だで、この範囲はやってくださいということでな」
−−反対する村民も多かったでしょう。
「地域のボスを連れてきてワイワイやられたが『もう3年すると新しい村長さんが出てくるで、その人にやってもらいなさい。でも私の時はだめですよ』と言ってやると、半月もせんうちにまた同じメンバーで来て『やる』と。俺は(1期目の)4年で改革ができにゃ何ともならない、辞めるぞと、思い切ってやった。突き放す時は突き放さないかん。村民の皆さんは、一生懸命汗かいて公民館でビールや酒飲んで『村長にやられちゃったけど、いい道ができたな』と言ってな。それが原点だ」
−−今も反対の人はいるんじゃないですか。
「そりゃおるさな」
−−そうですか。
「おる。おるけどな、そりゃ少数民族だ。絶滅危惧種に近い。俺はそう読んどる」
以上、記事の一部です。
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