彷徨う普代村民

普代村の一村民、
彷徨う村からの貧民の呻き声

漁船漁業漁師さんの陳情

2012年03月01日 | Weblog
2月29日は、議会運営委員会が午後1時半からの予定だった。仕事から駆けつけ、10分ほど前に着いた。 駐車場に漁師さんがちらほら見えたので他の議員に尋ねた。「今日は漁師さんの何かあるんですか?」「1時半から陳情のようなのがあるらしい。」と言う。 ???なんだろう・・・

控え室に着いたら、「漁師さんが聞いてもらいたい事があるので、村長の他議員も出席してもらいたいと漁師さんが言っているので出席するように」との事だった。
議会運営委員会の時間が予定変更になって遅くなるようだ。

会議室に行ったら、10名の漁師さんが来ていた。

コの字に机が並び、議員と漁師さんが向き合い、中央に村長、副村長、総務課長、建設水産課長が位置した。

<陳情概要> 我々漁船漁業者(定置網に所属しないで、養殖漁業でもない、イカ釣など自分ひとりで漁船を使い漁をして生計を建てている漁業者。漁協組合員でもある。)には、個人と言う事で震災による補助は受けられない。
漁協に行っても「個人に補助する制度はありません。」と言われればそれ以上話が前に進まない。
もう漁協は当てにできない。国や県ももうあてにならない。今の補助制度は共同者でないと補助しない。 

村を当てにするしかどうにもならないから直接来た。

共同とは言っても、結局最後は個人のものになる。我々は自前でやらざるを得ないから借金してでも準備して漁にようやく出るようにしている。
しかし、我々には誰も見向きもしない。「稼げんがら稼いでんだべ」のような感じだ。

議員も言葉の一つもかけない。
議会では、定置網は個別に回って聞いて歩いたようだが我々には聞きにも来ない。
村単独予算で、個人の番屋に3分の1、100万限度の補助金を出す事になった。
であれば、漁協からはじかれた我々個人漁業者にも、船などにも村で補助を出して欲しい。

船の修理も保険だけでは賄えない。足が出ている。
漁の道具類も全部流されている。
しかし、何とか自分たちで買い揃えてやらないと収入にならない。
片や、共同利用の場合は、全損ということで保険が出た他にさらに漁船を買う資金が
ほぼ満額補助金が出ている。我々は全て自前だ。
税金も免除にならない。
満額出るわけでもない漁船修理の保険も税金をとられる。
片や、保険金も出て、補助金も出た上に税金免除だ。
あまりにも待遇が違い過ぎる。

養殖漁業には、養殖施設の他に作業場も、機械類も補助が出る。

漁船漁業者の水揚げは、全水揚げの10%を占めている。
我々にも、村から補助金を考えてもらうようお願いしたい。
<だいたい以上のような内容だと理解しているが、違っていたらお許しください>


聞いていて、確かにこの補助制度の格差はあまりにひどい。

しかし、議員全員がそういった個人漁業の仕組み、立場を理解していたわけではない。個人的には、《漁協が一人ひとりの組合員を把握し、それぞれにあったサポートなどしているもの》と考えていた。 
また、現状を把握した上で、漁協が、村なり県に陳情し、漁業者を助けるものではないのか。と思って聞いていたが、そうでもないらしい。

国でも県でも、漁業者の窓口である漁協を通して漁業を再生しようとしているし、
また、それしか方法がない。

ただ、漁業を知らない方々が制度を作成するので、どうしても現場とのズレがある。
そのズレは現場の漁協が、陳情などで修正していくしかない。
役場でも、議会でも詳しく把握するのは不可能であることは、震災後のこの一年間で
思い知らされている。

だから、漁協が窓口なのだろうと思う。

「議員はナンデモ勉強して知っているはずだ」ということも言われたが、少なくても自分は、一人ひとりの漁師さんがどのような状況で、誰がどんな漁をしているかなど不勉強で詳しくは知らなかった。「漁船漁業」と言う言葉の意味も最近知った。

議員として恥ずかしい事だろうが、自分としては限界だ。

我々議員は、議会運営委員会のため一時間ぐらいで退席させて頂いた。
この後も村の担当者と話し合ったようだ。
恐らく、何かの形の補助は必要になるだろうと思う。

どんな予算が活用できて、どれぐらいが可能なのかはまず、村で試算してもらうしかない。
 議員も力になれなくて、申し訳ないというか、何か情けない気持ちで退席した。

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