彷徨う普代村民

普代村の一村民、
彷徨う村からの貧民の呻き声

忘れている3セクの問題点

2016年12月18日 | Weblog

 普代村の観光まちづくり会社は「地方創生加速化交付金」を申請し、認可された交付金です。

観光事業を主体としたものです。 コンビニ事業は入っていません。

コンビニ事業は村単独で駅舎を改築して、どこかが行うというものです。

<コンビニをまつづくり会社で運営する>ということは、申請内容との整合性はどうか?

 また、忘れてはならないのが第三セクター運営の問題点です。

いろいろ設立時に出てくるとは思いますが、3セクへの自治体姿勢のリアルが東洋経済の記事にありました。長いですが参考になります。状況を知った上で議論したり、検討したりしたいものです。 以下↓

 

            『      南アルプス市では、開業からわずか3か月で破たん寸前に   2015.9.29  (赤字、太字、下線は本人)

全国には行政が主導して開発した案件で失敗するものが後を絶たず、地域活性化をするところか、衰退の引き金となっているものも少なくありません。その中で、依然問題なのが、地方公共団体が何らかの形で出資したり、人材などを派遣して設立する事業体が「第3セクター」(3セク)です。こうした第3セクター等の事業体は、全国に7745あります(総務省調べ)。 

しかし、例えば、先日も山梨県の南アルプス市が進めていた地域活性化特区事業が、開業わずか3カ月で経営破綻の危険に直面、地元で大騒動となっていることが明らかになりました。

どういうことでしょうか。南アルプス市は、国から「地域活性化特区」の認定を受け、地域活性化の事業を開始します。すなわち、大型の観光農園をつくって、農産物の生産から加工、流通までを行う、いまはやりの「農業の6次化」を期待した大型事業です。市は「南アルプスプロデュース」という3セク会社まで設立、今までに8億円をつぎこんだのですが、開業3カ月で運転資金が枯渇してしまい、現在、行政が救済に出ているのです。

実は第3セクターの事業体は、全体の60%が黒字、40%が赤字となっています。

第3セクターが失敗する「3つの共通点」

普通にこの数字を読んでも「40%が赤字」というのはほめられたものではありません。しかし、「60%の黒字」についても「経営がうまくいっている」、とは素直に言えないのです。

実際は、全体の約43%に自治体から補助金が拠出され、約56%が自治体から委託事業を得ており、行政の支出によって黒字化しているだけなのです。さらに、約42%の3セクが自治体から計4兆円もの損失補償・債務保証を受けています。また、平成16年(2004年)から平成25年(2013年)までに法的整理が行われた第3セクターは200法人にのぼります。しかし、膨大な数にのぼる第3セクターは、依然大きな問題を抱え、地方公共団体に重くのしかかっているといえそうです。

それこそ、自治体の総力をあげて事業を行っているような第3セクターもあるわけですが、そうした第3セクターほど大失敗を繰り返しています。その背景には、3つの共通点が存在しています。

(1) 1つの3セク事業で、すべて「バラ色」に!?

まちを挙げた事業の多くは、自治体が関与することから、地域が抱える課題の「一発逆転ホームラン」を期待され、その事業1つで複数の政策目標が設定されます。

どういうことでしょうか。典型的な3セク事業の計画をみると、その事業を行うと「地元産業が活性化し、観光客も増加。地元商品は馬鹿売れ、人口も増加に転じ、財政は改善され、若者の雇用も改善、お年寄りは元気に、教育レベルは向上し・・、といった具合に、何から何まで解決するような「万能計画」という話になっていくのです。

そもそも事業に必要なのは、まずは成功に向けた目標設定であり、その結果として政策課題が解決されるわけです。複数の地域政策の課題解決を図りながら、事業の成功を納めるなどという複雑なことは、簡単にはできません。まずは目の前にある商品を開発して売上げをあげることが大切なのに、そこに「若者雇用の解決」、「人口の増加」などまで課してしまうのです。 

こんな事業計画を立てると、結局、何のための事業かさえ、よく分からないほどに目標が多角化していきます。さらに、事業目標と政策目標とがごちゃごちゃになり、一石二鳥どころか、「事業も失敗、政策も失敗」という虻蜂取らずの話になってしまいます。

 (2) 「地元合意」と「制度制約」に縛られマーケットを無視

自治体をあげて邁進するような3セクは、税金が多額に投入されるため、議会や行政、市民参加型の委員会等での合意形成が最優先されます。さらに、国の補助金制度などを活用することも多々ありますが、その際はおカネを使って支援する対象には、制約が出てきます。

こうしたケースは税金を使うのだから当たり前なのですが、事業として見た場合は、決して合理的ではありません。なぜなら事業内容が「顧客」を向いて決定されるのではなく、「地元合意」と「制度制約」にのっとって、決定されてしまうからです。

本来のニュービジネスとは、まずは小さく新商品を産んで、イベント販売などを行って売上げを伸ばしていき、その規模にのっとって、後から施設開発などの設備投資へと発展していくのが自然な姿です。

しかし、「まちをあげた活性化の切り札事業」ということになると、派手さのない地道な計画では、かえって地元の合意が取れません。「せっかく補助金がくるんだから使えるものは使おう、目一杯大きい事業にしよう」という声が後押しし、ともすると、皆の勝手な希望が盛り込まれた、とんでもなく大きな絵を描いた事業で合意されることになります。

結果として、3セクの事業はまったく営業実績がない状況にもかかわらず、巨額の投資をして施設開発を先に行ったりしてしまいます。しかし、実際には事業は市場原理で働きます。いくら議会で承認され、制度で補助金が出たとしても、肝心の消費者から支持されるかどうかが大切だし、競合しているサービスよりも優位性がなければ、経営はたちまち行き詰まります。結局、大風呂敷が災いし、結局のところ3セクの事業によって、大きな損失を招きかねず、地域はさらに衰退してしまいます。

(3) 計画は外注、資金調達も「役所まかせ」、失敗しても救済

一般的には、事業というのは自分たちの手で考え、自分たちの手元資金にプラスして投資家や銀行へと説明して資金を集め、限られた資源の中で事業の成功に向けて努力していくものです。

3セクもまた、本来は独立した法人のため、自分たちで事業を組み立て、資金調達し、その成否に対して、経営陣は責任を取らなくてはなりません。しかし、現実は必ずしもそうなりません。

役員には事業をしたことがない役所絡みの人が就き、事業設計はコンサルに外注。資金調達については、補助金だけでなく、自治体から直接借り入れたり、もしくは損失が出た場合の補償を、自治体にしてもらう条件で銀行から融資を受けたりしてしまうわけです。

 そもそもこうした3セクでは、本来は経営責任を負うべきなのに、経営責任を持たない、あるいは事業をしたことがない人が行うことが大半です。そのため、他人に任せるにしても、誰に任せたらいいかということさえ分からない。損失が出ても、結局は自治体がどうにかしてくれると思っている「環境」のため、まともな経営などできないわけです。そもそも事業も資金も、全てにおいて責任が不明瞭なわけです。

最悪なのは結局、もし失敗しても、再建計画もまた別のコンサルに依頼することです。そして「潰してはいけない。潰すと大変だ」といったような話で、自治体がだらだらと救済策を講じ続けることです。こうした場合、3セクの失敗は潰して終わりにならず、むしろ潰れかかってからの支援のほうが高くつくことさえあります。

このように「無理な複数目標設定」、「地元合意・制度制約」、「計画の外注役所任せの資金調達」という3つの要件によって、3セクは地域を活性化するどころか、トータルでは結局は地元財政を無駄に消耗することにつながっるケースが多々あるのです。

「積小為大(せきしょういだい)」と向き合うことが重要

これらの教訓から、地域での事業で心がけるべきことは、非常にシンプルです。

・事業で達成しようとしている目標を1つに絞ること。

・小さく積み上げ、営業の成長と共に投資規模を大きくしていくこと。

・事業を組み立て営業できる人間が経営し、資金調達に行政は関与しないこと。

以上の3つが基本原則ということです。』    以上、記事より

 

 行政に限らず、民間でも事業の「見通しの甘さ」は命取りになりますが、事業を立ち上げようとする時は、自分に都合の良い情報しか耳に入らないという状況になります。 それでも成功すればいいのですが、慎重な人・失敗しない人は「最悪も想定しうえで、そこからでも改善できる対策も具体化しておく」と聞いたことがあります。

ところが、多くの人はそこに向かうと、「最悪」を想定できなくなっています。 要するに「聞く耳」がなくなります。バラ色状態しか想像できなくなります。

特にも、行政の場合は誰も責任を取らなくていい可能性があります。 せいぜい減給ぐらいのもの。 民間人であれば、いきなり死活問題に直結です。慎重さへの覚悟が違うということでしょうか。 

今後、コンビニ事業のみならず、3セク設立の事業内容ももっと精査していく必要があります。 専門家、コンサルを起用するので心配ない感があるように感じています。 我々議会もそれを丸投げしているようなところがあります。 

 


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