ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.67
( 2022年10月27日)
(ハイチ要点)
・ 8月以降、ハイチ人民の反政府運動が再度高揚し、現在緊迫した状況になっている。 / 人民運動を抑えることができない米国傀儡のアリエル・アンリ首相は、10月7日、ギャングの暴力を抑えるためと称して、国際軍事支援を要請した。それに応えるという形で米軍が介入しようとしている。 / 国連安保理に米国が提起した決議案に中国とロシアが反対している。
・ 貧困、食糧難、インフレ、燃料不足などが深刻化している。 / ハイチ人民は、アリエル・アンリ首相の辞任を要求し、外国勢力による介入に強く反対している。野党指導者は「革命の時が来た」と表明。
・ 2020年から議会が機能していない。司法も機能停止状態。21年7月にモイーズ大統領が暗殺され、予定された大統領選は延期されたままで、アリエル・アンリ首相が暫定大統領代行として居すわっている。現在6年間大統領選挙がない。地方でも選挙で選ばれた市長や議員がいない状況が1年以上続いている。 / 社会的・政治的・経済的危機と人民の闘争が10年以上にわたって断続的に続いてきたが、特に2018年7月以降に危機がいっそう深化し、人民の闘争がさらに激しさを増してきた。
・ 国際的な連帯運動も強まっている。ハイチ人民に連帯する国際諸組織が5項目の要求を掲げ、「レッド・アラート」を発した。 / 1)すべての進歩的な勢力が、ハイチへの軍事侵攻に反対すること。 2)ハイチ国民が、自らの主権、尊厳、公正な政治・経済の枠組みと、国民の真のニーズを満たすことができるシステムを構築できるようにすること。 3)国連は、数万人のハイチ人を殺し、数えきれないほどの女性をレイプし、コレラを持ち込んだ「国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)」が犯した犯罪の代償を払うこと。 4)フランスと米国が1804年以来ハイチの富を盗んできたことに対する賠償を提供すること。 5)米国が占領しているナバサ島をハイチに返還すること。
【フランスの植民地であったハイチでは、1789年に始まるフランス革命に際して奴隷支配を打破する革命が起こり、1804年に独立を宣言した。しかしその後、フランス帝国主義による極度の圧迫と収奪、およびフランスの後を継いだ米帝国主義による支配と収奪に晒され続けてきた。 / cf. 「ハイチ地震で23万人超もの犠牲者が出たのはなぜか」(リブ・イン・ピース☆9+25)http://www.liveinpeace925.com/latin_america/haiti_quake_series1.htm】
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(ハイチ)
Granma 24 de octubre de 2022 Autor: Elson Concepción Pérez 【スペイン語・機械翻訳】
La intervención militar no es la opción a la crisis de Haití
(ハイチの危機には軍事介入という選択肢はない)
歴史は、いわゆる第三世界の貧しい国々に対する軍事介入が、飢餓の緩和や安定した政府の構築のための解決策とはほど遠く、不安定化の原因や植民地化・新植民地化の単なる処方箋であったことを示している。 / この地域で最も貧しい国であるハイチは、少なからず軍事介入を受けており、経済的な連帯支援に転換すれば、その発展に大きく貢献することができたはずである。 / ここ数日、米国の新聞「ワシントン・ポスト」はハイチの状況について社説を掲載し、その中で「外部のアクターによる強引な行動」について述べている。 / その数日後、米国とカナダ政府は、同国の治安機関に武器を搭載する軍用機の派遣を発表した。 / しかし、この事態に新たな要素が加わった。10月15日、米国は国連安全保障理事会に、ハイチへの「多国籍迅速反応部隊の即時展開」を求める決議案を提出したのである。 / カリブ海地域で最初に独立を果たした植民地であるハイチは、1804年1月1日以来、茨の道を歩んできた。 / 介入という言葉を連帯貢献という言葉に置き換えること。ハイチが必要としているのは、武器ではなく、食料である。 / 国連世界食糧計画(WFP)のデータによれば、ハイチは、食糧危機と33%のインフレ、人口の40%以上が貧困ライン以下で生活し、470万人が食糧難に苦しんでいる。これは、外国の軍事介入で解決できるものではない。
Workers World on October 24, 2022 By Editor
U.S. hands off Haiti!
(米国はハイチに手を出すな!)
この社説を書いている間にも、米軍は既にハイチの空港を押さえるために動いたという噂が飛び交っている。この数ヶ月の動きを見ていると、そのような噂も信憑性を帯びてくる。 / そう、実際にありそうだが、やはり犯罪である。ハイチの人々にとって、これほど有害な介入は考えられない。ハイチ国民にとって現在の困難な社会状況は、米国の過去の介入によって引き起こされたものである。 / 「ワーカーズ・ワールド」はハイチの自決を支持する。自分たちの国を誰がどのように運営するかを決めるのはハイチの人々である。米国の軍事介入は、米国が所有する財産を守ろうとするかもしれないが、ハイチに繁栄や安定すらもたらしたことがない。米国の支配は、自決とは正反対のものである。 / 米国の支配階級は、フランスの支配階級とともに、2世紀以上の犯罪に対してハイチに賠償金を支払う義務がある。 / 「ワーカーズ・ワールド」は、ワシントンはハイチから手を引き軍を今すぐ撤退させる必要があると言っている多くのハイチ人民組織と一緒に行動する。
Plensa Latina October 22, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Network of Haitian organizations calls against intervention
(ハイチ諸組織のネットワークが介入反対を呼びかけ)
500人以上のアーティスト、学者、公人、活動家が、外国の介入のないハイチを求める「国際人民会議(International Peoples' Assembly)」ネットワークの公開書簡に署名したと、米国に拠点を置く運動が本日報告した。 / ハイチの国内問題の解決は、外国の介入を受けず、国民自身によって推進され、国の主権、自決、民主主義を優先させなければならない、とその文章は強調している。 / 近年ハイチは、経済的、政治的、社会的危機を経験しており、ジョヴェネル・モイーズ大統領(1968-2021)の暗殺によってさらに悪化した。 / 政治家は共通の合意に至らず、最近アリエル・アンリ首相は、「ギャングの行動を封じる」ために国際軍の派遣を要請したが、この決定は専門家からとんでもないとされ、国民の拒否反応も受けた。 / 「国際人民会議」からの書簡によると、ハイチは、「国連ハイチ安定化ミッション」を通じて2004年から2017年の間に起こったことと同様の、新たな軍事占領の可能性に直面している。
teleSUR Published 21 October 2022
UN Security Council Imposes Sanctions on Haitian Armed Gangs
(国連安保理、ハイチの武装ギャングに制裁を課す)
金曜日(10/21)、国連安全保障理事会は、ハイチの武装集団に対する制裁と武器禁輸を全会一致で承認した。 / 米国とメキシコが起草したこの決議には、ロシアと中国も賛成した。国連安保理の全メンバーが、現在コレラの発生にさえ苦しむカリブ海の国の混乱を止めることに賛成したのである。 / メキシコの外交官Juan Ramon de la Fuenteは、「我々は、平和的共存と民主的統治を確立しようとするハイチの闘いを支援することを何よりも求めている」と述べた。
Peoples Dispatch October 20, 2022 by Vijay Prashad
The last thing Haiti needs is another military intervention
(ハイチが最も必要としないことは新たな軍事介入)
社会的、経済的、政治的危機が深まる中、ハイチへの軍事介入は、ハイチが直面する問題の解決にはならない。 / 2022年9月24日の国連総会で、ハイチのJean Victor Geneus外相は、自国が深刻な危機に直面していることを認め、「パートナーの効果的な支援によってのみ解決できる」と述べた。この「効果的な支援」という言葉は、ハイチで起きている状況をよく観察している多くの人にとって、Geneus外相が欧米列強による再度の軍事介入が間近に迫っていることを示唆しているように聞こえた。実際、Geneus外相の発言の2日前、「ワシントンポスト」紙はハイチ情勢に関する社説を掲載し、「外部のアクターによる強硬な行動」を求めていた。10月15日、米国とカナダは共同声明を発表し、ハイチ治安機関に武器を届けるため軍用機を派遣したことを明らかにした。同日、米国は国連安保理に「多国籍の迅速行動部隊のハイチへの即時展開」を求める決議案を提出した。 / 1804年にハイチ革命がフランスから独立を勝ち取って以来、ハイチは1915年から1934年までの20年にわたる米国の占領、1957年から1986年までの米国の支援による独裁政権、1991年と2004年の進歩的なジャン・ベルトラン・アリスティド元大統領に対する欧米の支援による2度のクーデター、2004年から2017年の国連軍介入と、次々と侵略の波にさらされてきた。これらの侵略により、ハイチは主権を確保できず、国民が尊厳ある生活を築くことができなくなった。米国・カナダ軍であれ、国連平和維持軍であれ、再度の侵攻は危機を深めるだけである。「三大陸:社会調査研究所」、「国際人民会議」、「ALBA運動」、「代替開発のためのハイチ擁護プラットフォーム(PAPDA)」は、ハイチの現状について「レッド・アラート」を作成したので、以下に掲載。
【5項目要求のみ。文は略。】ハイチと連帯する人々は、最低限以下のことを要求することが必要である。 / 1.すべての進歩的な勢力が、ハイチへの軍事侵攻に反対すること。 2.ハイチ国民が、自らの主権、尊厳、公正な政治・経済の枠組みを構築し、国民の真のニーズを満たすことができる教育・保健システムを構築することができるようにすること。 3.国連は、数万人のハイチ人を殺し、数えきれないほどの女性をレイプし、コレラを持ち込んだ「国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)」が犯した犯罪の代償を払うこと。 4.フランスと米国が1804年以来ハイチの富を盗んできたことに対する賠償を提供すること、それには1914年に米国が盗んだ金の返還も含まれる。フランスはハイチに対して単独で少なくとも280億ドルの債務を負っている。 5.米国が占領しているナバサ島をハイチに返還すること。
Plensa Latina October 20, 2022 Published by: Ana Luisa Brown
Puebla Group concerned about possible intervention in Haiti
(プエブラ・グループ、ハイチへの介入の可能性に懸念)
「プエブラ・グループ」は、20日、ハイチへの軍事介入の可能性に深い懸念を表明し、米国フロリダからの違法武器の流入を止めるよう要求した。米州機構(OAS)のルイス・アルマグロ事務総長やハイチ政府などが外国軍の派遣を呼びかけていることについて、声明で批判した。 / ハイチでは2021年から大統領選挙が延期され、2020年から議会が機能していない。アリエル・アンリ首相が国家元首を務めており、昨年7月にジョベネル・モイーズ大統領が暗殺されて以来、憲法に明記されている通りの大統領の継承は行われていない。 / 「プエブラ・グループ」は、介入の計画が主要政党や市民社会団体によって拒否され、市民の大規模な抗議を喚起していることに留意する、と付け加えた。
【「ハイチ危機に関するプエブラ・グループの声明」に「軍事介入の計画が主要政党や市民団体によって拒否され、大規模な市民の抗議行動を引き起こしていることに注目している」とある。】
【プエブラ・グループ: ラ米カリブの左翼政治代表者たちで構成される政治的・学術的フォーラム。メキシコ大統領AMLOとアルゼンチン大統領当選者フェルナンデスが中心となり、2019年7月に創設提起。同年11月9日にメキシコのプエブラ市で創立会議。次々と参加者が増え、2022.10.21現在、元大統領12人を含む134人。】
teleSUR Published 19 October 2022
'Time for Revolution Has Come': Haitian Opposition Leader Says
(「革命の時が来た」: ハイチの野党指導者が発言)
月曜日(10/17)のポルトープランスでのデモで、「Pitit Dessalines党」のリーダーJean Charles Moiseは、外国の軍事介入を阻止しアリエル・アンリ首相の辞任を達成するために、社会的抗議行動を続けるよう呼びかけた。 / 「革命の時が来た」とPitit Dessalines党の政治家は言い、米国や他の国々のハイチ内政への干渉を根本的に否定した。 / 月曜日、国連安保理は、ハイチに関する2つの決議案を討議した。 / 今のところ、ロシアと中国がこの2つの決議の望ましさと有効性に疑念を表明している。 / 10月7日、アンリ首相は国際社会に対し武装勢力の派遣を要請した。その2日後、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、1カ国以上の軍人で構成される「迅速行動部隊」の派遣を提案した。しかし今のところ、このような部隊を率い組織することに正式に同意した国はない。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.10.20 Thursday)に全訳あり】
Peoples Dispatch October 18, 2022 by Tanya Wadhwa
Haitians intensify protests against foreign military intervention, while US seeks authorization for “international mission”
(ハイチ人民が外国軍の介入に抗議を強化する一方、米国は「国際任務」の認可を求める)
アリエル・アンリ大統領の国際軍事支援要請を拒否し、外国勢力によるハイチへの介入を止めるよう要求する人民が、ハイチ全土に溢れかえった。 / 何十万人ものハイチ人が国中の通りに溢れ、事実上の大統領であるアリエル・アンリの明確な辞任を要求し、犯罪組織と闘うための国際軍事援助の要請を拒否した。人民は、アンリの決定が再び外国の軍事占領に道を開くとして、国内の全10県で大規模なデモ、行進、道路封鎖を組織した。 / 8月22日以来、数十万人のハイチ人が、慢性的なギャングの暴力、貧困、食糧難、インフレ、燃料不足に反対し、事実上のアリエル・アンリ大統領の辞任を要求するデモをおこなってきた。
teleSUR Published 18 October 2022
China Wary of International Troop Deployment in Haiti
(中国、ハイチへの国際部隊配備を警戒)
中国はハイチのギャングとその支持者に対する制裁を支持するが、同国への国際的な武装勢力の展開には警戒していると、中国の特使が月曜日(1017)に述べた。
Workers World on October 17, 2022 By G. Dunkel
U.S. set to invade Haiti yet again
(米国はまたもやハイチに侵攻することに取りかかった)
ハイチ国民の85%近くが1日5.30ドル以下で生活している。幼い子どもたちの深刻な栄養失調が蔓延し、通りには収集されていないゴミが溢れかえっている。汚染された水を介して感染するコレラも発生し、ここ数週間で数百人の患者が報告されている。 / アリエル・アンリ首相代行(16カ月前、「コア・グループ」の承認を得て米国が任命)が、飢えたハイチ大衆の高まる過激な怒りを制御できていないことは、数カ月前から明らかだった。「コア・グループ」は、カナダ、フランス、ブラジル、ドイツ、スペインの大使と、国連と米州機構(OAS)の代表で構成されている。 / 8月初めから、何十万人ものハイチ人が、アンリ政権とアメリカ帝国主義に対する完全な拒絶を表明するために、ますます過激なデモで街頭に立ってきた。 / 10月10日、ポルトープランス、プチゴアブ、ジャクメル、イル・ド・ラ・ゴナブ、ミレバレー、ラスカホバス、キャップハイティエン、ゴナイヴで、大規模なデモが立ち上がった。 / 傀儡のアリエル・アンリが大不評なので、米国は他の人物を試すことにしたようだ。現在、「災害支援チーム」がポルトープランスに滞在している。このチームは、通常、米帝国主義の政治部門からの「専門家」で構成され、「ニーズ」を評価し、「援助」の伝達を組織している。 / ポルトープランスに滞在中、チームはアンリ首相代行大統領、その周辺の閣僚や政党のメンバーと会談している。後任候補の面接をしているようだ。 / ポルトープランスやその他の大都市における社会的、経済的、政治的、環境的、文化的危機(すべて帝国主義によって引き起こされた)の特徴的な側面は、ブルジョアマスコミが「ギャング」と呼ぶグループが、自衛のため、あるいは誘拐やその他の強奪のための拠点として、いくつかの地域を支配できるようになったということである。 / 自衛的なグループも反動的な反対勢力も、ポルトープランスの大規模で極貧の地区Cité Soleilの支配をめぐって争っている。それは、ハイチの主要燃料ターミナルであるVarreuxへのアクセスを支配している。Varreuxへのアクセス遮断によって引き起こされた食糧、医薬品、電気、ガソリン、公共交通機関の不足は、米国によって国際介入の正当化の理由として利用されている。 / 10年半の帝国主義的介入も、結局はハイチ人の抵抗を抑えつけることにはならなかったし、今回もならないだろう。ハイチ人民は自国を支配する権利のために闘うだろう。
teleSUR Published 17 October 2022
Thousands of Haitians Hit Streets Against Troop Deployment
(数千人のハイチ市民が軍の配備に反対し街頭に立つ)
ハイチの人々は、外国の軍事介入を拒否し、アリエル・アンリ大統領の辞任を要求する抗議行動に参加している。
Peoples Dispatch October 15, 2022 by Peoples Dispatch
US delegation visits Haiti following de facto leader Henry’s request for foreign troops
(事実上の指導者であるアンリの外国軍要請を受け米国代表団がハイチを訪問)
この2ヶ月間、ハイチの人々は、インフレと通貨切り下げに抗議し、アンリの辞任を要求するために街頭に立っていた。今週、アンリが外国軍の支援を要請したことで、この抗議行動は激化している。
Peoples Dispatch October 13, 2022 by Peoples Dispatch
The people of the world reject foreign intervention in Haiti
(世界の人民はハイチへの外国の介入を拒否する)
ハイチの人々は数週間前から街頭に出て、猛烈なインフレと通貨の切り下げ、そしてハイチが直面している政治的・制度的危機に抗議している。事実上の大統領兼首相アリエル・アンリが、ギャングの暴力を抑制するために外国の軍事支援を正式に要請したと宣言したことで、これらの抗議行動は激化している。 / 世界中の人民運動と組織がハイチ国民との連帯を表明し、領土と政治的主権の侵害を拒否している。
People's World October 12, 2022 BY W. T. WHITNEY JR.
U.S. eyes military intervention in Haiti, again
(米国、ハイチへの軍事介入を再び視野に)
8月以来、大勢のハイチ人が断続的に街頭で抗議している。彼らの不満は、国際通貨基金(IMF)のおかげで物価が高いこと、食料と燃料が不足していること。銀行や商店は閉鎖されている。学生たちはデモに参加している。労働組合はストライキをおこなっている。 / このパターンは10年来、断続的に続いている。腐敗を指摘するデモ隊は、マルテリー、ジョベネル・モイーズ、そして現在の事実上の首相であるアリエル・アンリを次々と罷免するよう要求してきた。 / 最近、暴力が状況を悪化させ、米国を含む外国勢が注目している。米国の軍事介入やその他の介入は、ハイチの国家主権を破壊し、ハイチのエリートの助けを借りて、普通の人々の生活のコントロールを奪うために働いてきた。 / 現在、ハイチ人の40%が食糧難に陥っている。そのうちの約490万人(43%)が人道的支援を必要としている。出生時の平均寿命は63.7歳。ハイチの貧困率は58.5%で、成人ハイチ人の73.5%が1日5.50ドル未満で生活している。 / 選挙政治は分裂している。2011年にマルテリーを大統領候補に擁立したのは、ヒラリー・クリントン国務長官である。2017年のモイーズは600万人の有権者のうち60万人の有権者から選ばれた。彼は大統領の任期を違法に1年延長した。現在のところ、6年間大統領選挙がなく、1年以上選挙で選ばれた市長や議員もおらず、この先も選挙が予定されていない。【以下、略】
Peoples Dispatch October 11, 2022 by Tanya Wadhwa
Haitians protest threat of foreign military intervention in the country
(ハイチの人々は、外国軍の介入という脅威に抗議している)
10月10日、「アリエル・アンリを倒せ、外国人による占領を倒せ」の旗印のもと、数十万人のハイチ人が国中の街頭に繰り出した。アリエル・アンリ非公式首相兼大統領代行がハイチのギャング関連の危機解決のために国際社会に武装支援を要請した決議に反対してのものである。 / 8月22日から7週間、ハイチ国民は、必需品と基本サービスの価格高騰に伴う貧困と食料不安の増大、残酷な価格上昇に伴う燃料不足の深刻化、ギャングによる誘拐、殺害、暴力の蔓延、そしてドルに対するハイチ・グールドの大幅な切り下げに対して、たゆまず動員してきた。
Plensa Latina October 4, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Haitian trade union organizations call for continued mobilization
(ハイチの労働組合組織、動員継続を呼びかけ)
「ハイチ労働者全国連合」は、反政府デモの継続を呼びかけた。それは既に1カ月にわたって国を揺るがしてきた。
Workers World on October 3, 2022 By G. Dunkel
Protests and anger intensify in Haiti
(ハイチで抗議と怒りが激化)
8月下旬、ハイチを解放した1804年の革命の開始を記念する日に始まり、全国で数十万人のハイチ人が、アリエル・アンリ大統領代行の政権を根こそぎ倒すことを求め、繰り返し街頭に出ている。 / 一般に、抗議活動は、燃料(ガソリンとディーゼル)の大幅な値上げが巻き起こした悲惨な事態の終結を要求している。ガソリンは128%、灯油とディーゼルは90%値上げされている。
Peoples Dispatch September 28, 2022 by Vijay Prashad
Four straight years of nonstop street protest in Haiti
(ハイチで4年続く街頭抗議行動)
ここ数週間、ハイチの街は再び大規模なデモ行進や道路封鎖で占拠された。 / 8月22日以来、数万人のハイチ人が、事実上の首相であり大統領代行のアリエル・アンリの辞任を求め、全国で街頭に立っている。 / ハイチでは2018年7月に抗議のサイクルが始まり、パンデミックにもかかわらずそれ以降も続いている。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.10.01 Saturday)に全訳あり】
Peoples Dispatch September 27, 2022 by Tanya Wadhwa
Anti-government protests in Haiti enter sixth week
(ハイチでの反政府デモが6週目に突入)
8月22日以降、ハイチ人は貧困、インフレ、燃料不足、ギャングによる暴力、自国通貨の切り下げに反対して動員されている。 / ハイチの経済的、政治的、社会的危機の中で、数千数万人が9月26日(月)に再び街頭に立ち、事実上の首相であるアリエル・アンリ大統領代行の辞任を要求して抗議行動をおこなった。
Prensa Latina September 26, 2022 Published by: Alina Ramos Martin
Call for protests and general strike in Haiti
(ハイチ: 抗議行動とゼネストの呼びかけ)
「変革のための人民運動」は、今週月曜日(9/26)と水曜日(9/28)の二日間にわたるアンリの辞任を要求する動員を発表した。彼は、不安定な危機と基本的生活必需品の急激な増加を止めることができていない。
teleSUR Published 12 September 2022
Increase in Fuel Prices Ignites More Protests in Haiti
(ハイチ: 燃料価格の上昇により、さらなる抗議行動に火がつく)
日曜日(9/11)、アリエル・アンリ首相は、数週間前から続いている抗議行動により政治状況が非常に混乱している中、燃料価格の値上げを発表した。 / 前回は2021年12月、ディーゼル、ガソリン、ケロシンの価格を115%値上げしている。 / 新たに発生した大規模なデモは、貧しい人々の生活悪化、治安の悪さ、本質的な貧困に反対し、首相の退陣を求めるもの。3ヶ月前からデモが行われている。
Peoples Dispatch September 08, 2022 by Tanya Wadhwa
“The Haitian people need a socialist state,” says journalist Jean Waltès Bien-Aimé
(「ハイチ国民は社会主義国家を必要としている」:ジャーナリストJean Waltès Bien-Aiméが語る)
現地の状況を理解するため、ハイチ人ジャーナリストJean Waltès Bien-Aiméに話を聞いた。 / 8月22日以降、「もう一つの独立のために立ち上がる」という旗印のもと、数万人のハイチ人が、事実上の首相であるアリエル・アンリ大統領代行の辞任を求め、各地で繰り返し街頭に出ている。抗議者たちは、彼の統治下にあった過去1年間に、経済的、政治的、社会的危機が悪化したと批判している。 / 公式報告によると、ハイチのインフレ率は30%に達し、10年ぶりの高水準に達している。基本的な食料品は50%以上、商品によっては80%も上昇している。 / 2018年以降、ハイチは、深刻な社会的・政治的・制度的・経済的危機を経験し、人々は米国が支援する腐敗した新自由主義政権に対抗してたゆまず組織化し、動員されている。2021年7月に事実上の大統領であるジョヴェネル・モイーズが暗殺されて以来、状況は悪化し、武装ギャングがより強力になり、総選挙が実施される可能性に対する不確実性が高まっている。 / ハイチ国民は選挙を信じる民主主義者だが、アリエル・アンリが組織する選挙は望んでいない。彼は事実上の首相であり、自由な選挙を組織することはできないからだ。 / アリエル・アンリはアメリカ大使館からのプレゼントとして政権を握らされた。 / この2週間、ハイチの人々は、ハイチの政治危機を解決し、民主的に国の指導者を刷新するためのロードマップを描き、実行するための新しい暫定政府を要求してきた。 / いくつかの組合、社会運動、政治基盤は、自分たちの要求が満たされるまで、今後数日間、抗議行動を強化すると警告している。 / ハイチ国民は社会主義国家を必要としている。我々は指導者について多くの経験をしてきたが、それらの経験は深刻な変化をもたらさなかった。私たちは今ある国家を変える必要がある。我々はブルジョア国家を持っている。今必要なのは人民国家だ。 / ジョヴェネル・モイーズの暗殺後、70以上の労働組合、社会組織、民衆運動、政党が集まり、ハイチが直面している政治危機への答えを考えるために「ハイチ危機解決策探索委員会(CRSC)」を結成した。2021年8月30日、合意に達し、危機から抜け出すための国民中心の民主的な移行方式に関する協定に署名した。新暫定大統領と新暫定首相をトップとする暫定政府が2年間国を統治し、PHTK党の政権(ジョヴェネル・モイーズ政権)によって深まった制度的危機から国を回復させ、社会を再建した後、次期政権のための選挙を組織することが決定されたのである。 / 2022年1月30日、「ハイチ国家移行評議会(CNT)」は、経済学者で元ハイチ共和国銀行総裁のフリッツ・アルフォンス・ジャンをハイチの新暫定大統領に、元上院議員のスティーブン・イルベンソン・ブノワを新暫定首相に選出した。この二人は、今年2022年2月7日から24ヶ月間の暫定的な国政を行うことになっていた。しかし、この代替プロセスは、米国、国連、そしてアンリ政権とその同盟国に味方するコア・グループによって阻止された。
teleSUR Published 8 September 2022
New Protests in Haiti Bring Thousands to Demand Ouster of PM
(ハイチ: 新たな抗議行動で首相退陣要求)
ギャングによる誘拐や殺人が増加し、インフレ率が30%に達し、基本的な商品の価格が高騰し、燃料不足が深刻化する中、人々は抗議デモの回数を増やしている。 / 首都およびその他の主要都市では、多くの人々が水曜日(9/7)に新たな抗議行動を組織し、より安全な道路、より安価な商品、アリエル・アンリ首相の辞任を要求している。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.09.09 Friday)に全訳あり】
Peoples Dispatch August 25, 2022 by Peoples Dispatch
Haitians mobilize against insecurity and high cost of living
(ハイチ人民が不安と高い生活費に反対して街頭へ)
8月22日、数万のハイチ人民が全国で街頭に立ち、蔓延する治安の悪さ、慢性的なギャングによる暴力、生活費の高騰に抗議した。抗議者たちは、アリエル・アンリ首相兼大統領代行の辞任を要求し、彼の管理下でハイチの経済・社会危機が深まったと主張した。 / 過去10年で最も高い約29%のインフレ率で、ハイチは燃料や必需品の料金上昇で、顕著な生活費危機に見舞われている。
Prensa Latina August 20, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Protesters call for resignation of Haiti’s Prime Minister
(ハイチ: デモ隊は首相の辞職を求める)
ここ数週間、ドルに対する自国通貨の急激な下落により、必需品の価格が上昇し燃料危機が続く中、こうした抗議行動が拡大している。 / 労働者、学生、組合は、来週月曜日(8/22)に大規模な抗議行動を呼びかけ、首相に国の危機に対する解決策を提示し始めるよう最後通牒を突きつけた。
teleSUR Published 13 July 2022
Haiti Faces Increase in Protests Over Fuel Prices
(ハイチ: 燃料価格の高騰でデモが増大)
当局や燃料を管理する民間企業によると、年初から燃料危機が繰り返されており、ウクライナ紛争の影響で悪化しているとのことである。 / 燃料が5倍に値上がりしていると、デモ隊の一人が語り、政府に対策を講じるよう促した。デモ隊はまた、自由な移動を妨げる治安の悪さと、武装ギャングの増加を非難した。 / ここ数カ月、多くのサービスステーションが閉鎖されたままか、時折オープンしている。一方、幹線道路沿いでは非公式の燃料販売が増加しており、労働組合員は政府や民間企業を非難している。
Workers World July 7, 2022 By G. Dunkel posted (写真あり)
Haiti: Masses take to the streets June 26
(ハイチ: 大衆は6月26日に街頭に立つ)
米国の支援するクーデターにより2度退位したジャン・ベルトラン・アリスティド元大統領が率いる政党「Lavalas」の呼びかけで、数万人のハイチ人が6月26日にポルトープランスの街頭に出た。 / AP通信のビデオ・インタビューによると、デモ行進の参加者は、再確立されて機能する政府への移行においてアリスティドが主導的役割を果たすことを要求。そのほか、食料と燃料の高騰、暴力の増加、女性市場商人や小学生から医師や弁護士にまで横行する明白な誘拐、あらゆる公共サービスの欠如なども糾弾している。 / デモ行進者たちは、現在のハイチの無政府状態と政治的混乱の解決にアリスティドが関与することを望んでいる。行進は非常に強力で大規模だった。 / ハイチ人の少なくとも半数は、定期的に十分な食事がとれず、飲料水の確保にも苦労している。
Workers World June 22, 2022 By G. Dunkel
Haiti suffers in U.S.-created turmoil
(ハイチ: 米国が作り出した混乱に苦しむ)
ハイチは、日常的に国として機能する能力が崩壊しつつある。国民の半数がきれいな水を手に入れることができず、自分と家族を養うための十分な食料を見つけるのにも苦労している。教育、道路、パンデミック時の公衆衛生など、社会サービスや物理的なインフラはほぼ消滅している。 / ハイチは、ポルトープランスを壊滅させ何十万人もの死者やホームレスを出した2010年の大地震から回復していなかったが、2021年に再びハイチ南部で地震が発生した。地震やハリケーン、熱帯低気圧による被害に対して、適切な対応がなされていなかった。労働者や貧困にあえぐ農民は、生き延びる望みのない未来に直面することになった。 / この混乱は、ハイチの政府機構が崩壊したことにより、さらに激化している。2021年に起きたジョヴェネル・モイーズ大統領の暗殺――その最終的な犯人はいまだ解明されていない――と、何年にもわたってハイチの政治家が選挙をおこなうことができないこととが、この不確実な漂流を深めている。犯罪者が利益のためにほとんど誰でも誘拐ができるようになり、バスの乗客に身代金を支払わせることさえできるようになったことで、脅威はさらに増している。 / 腐敗の暴走と政治体制の崩壊に加え、インフレが過去19年間で最高の27%に跳ね上がり、日々の現実は国民にとってさらに過酷なものとなっている。 / 米国は、フランスの援助とともに、ハイチの現在の崩壊を作り出す上で支配的な役割を果たした。一方、さまざまな装いをした国連の存在が、米国の役割にベールをかけている。 ・・・
【昨年末段階でのハイチの状況が簡潔に述べられている。】
teleSUR Published 31 December 2021
Ten Challenges Facing Haiti In 2022
(ハイチ: 2022年に直面する諸課題)
2021年は非常に混乱した年であり、ハイチには解決すべき経済的、政治的、社会的問題が多く残されている。そのいくつかを以下にまとめた。 / 選挙を実施する予定のアリエル・アンリ首相は、就任から5ヶ月の間に、2022年末の選挙実施に必要な条件を整えることができなかった。モイーズ大統領が暗殺された結果、ハイチには国民によって直接選ばれた政府が存在しない。さらに、国会は2年間閉鎖されており、司法も完全に機能していない。 / モイーズ殺害事件の捜査は行き詰まっている。責任者はまだ逮捕されていない。 / 憲法改正国民投票。総選挙を組織するほかに、アンリ首相は新憲法を採択する計画を立ち上げなければならない。 / 都市部での暴力抑制。国家警察には、国内で活動する武装犯罪集団を制圧する能力はない。 / 国内避難民の状況改善。数千人のハイチ人が、8月14日の地震、ポルトープランスでのギャング関連の紛争、6月の火災などのために家を追われ、その場しのぎのキャンプで生活している。 / Covid-19の予防接種。ハイチは、ラテンアメリカの20カ国のうち、まだ人口の40パーセントにさえワクチン接種ができていない国のひとつ。保健省のデータによると、人口1100万人の国で、12月17日現在、COVID-19ワクチンの2回接種を受けた国民は72,102人に過ぎない。 / 燃料価格。暴力団は、燃料トラック運転手の強盗や誘拐を増やしている。このため燃料不足を招き、国民の大多数にとって手の届かない価格の闇市が形成されている。 / 移民保護。2021年の最後の四半期には、少なくとも14,127人のハイチ人が強制的に国に戻された。複数の危機が同時に発生したことで、当局は、移民が必要とするであろうケアを提供することができなくなっている。彼らの多くは米国に向けて再び移住しようとするだろう。 / 食糧危機。国連食糧農業機関(FAO)によると、ハイチはラテンアメリカで最も飢餓の蔓延率が高い国(46.8%)。8月14日の地震後、食糧難、飲料水の供給不足、医療不足が増加した。 / 地震の余波。マグニチュード7.2の地震により、少なくとも2,248人が死亡、300人以上が行方不明となり、69万人のハイチ人が被災し、同国の2021年GDPの15%に相当する損失が発生。死者30万人以上、被災者150万人を出した2010年1月以来の大規模な地震となった。
( 2022年10月27日)
(ハイチ要点)
・ 8月以降、ハイチ人民の反政府運動が再度高揚し、現在緊迫した状況になっている。 / 人民運動を抑えることができない米国傀儡のアリエル・アンリ首相は、10月7日、ギャングの暴力を抑えるためと称して、国際軍事支援を要請した。それに応えるという形で米軍が介入しようとしている。 / 国連安保理に米国が提起した決議案に中国とロシアが反対している。
・ 貧困、食糧難、インフレ、燃料不足などが深刻化している。 / ハイチ人民は、アリエル・アンリ首相の辞任を要求し、外国勢力による介入に強く反対している。野党指導者は「革命の時が来た」と表明。
・ 2020年から議会が機能していない。司法も機能停止状態。21年7月にモイーズ大統領が暗殺され、予定された大統領選は延期されたままで、アリエル・アンリ首相が暫定大統領代行として居すわっている。現在6年間大統領選挙がない。地方でも選挙で選ばれた市長や議員がいない状況が1年以上続いている。 / 社会的・政治的・経済的危機と人民の闘争が10年以上にわたって断続的に続いてきたが、特に2018年7月以降に危機がいっそう深化し、人民の闘争がさらに激しさを増してきた。
・ 国際的な連帯運動も強まっている。ハイチ人民に連帯する国際諸組織が5項目の要求を掲げ、「レッド・アラート」を発した。 / 1)すべての進歩的な勢力が、ハイチへの軍事侵攻に反対すること。 2)ハイチ国民が、自らの主権、尊厳、公正な政治・経済の枠組みと、国民の真のニーズを満たすことができるシステムを構築できるようにすること。 3)国連は、数万人のハイチ人を殺し、数えきれないほどの女性をレイプし、コレラを持ち込んだ「国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)」が犯した犯罪の代償を払うこと。 4)フランスと米国が1804年以来ハイチの富を盗んできたことに対する賠償を提供すること。 5)米国が占領しているナバサ島をハイチに返還すること。
【フランスの植民地であったハイチでは、1789年に始まるフランス革命に際して奴隷支配を打破する革命が起こり、1804年に独立を宣言した。しかしその後、フランス帝国主義による極度の圧迫と収奪、およびフランスの後を継いだ米帝国主義による支配と収奪に晒され続けてきた。 / cf. 「ハイチ地震で23万人超もの犠牲者が出たのはなぜか」(リブ・イン・ピース☆9+25)http://www.liveinpeace925.com/latin_america/haiti_quake_series1.htm】
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(ハイチ)
Granma 24 de octubre de 2022 Autor: Elson Concepción Pérez 【スペイン語・機械翻訳】
La intervención militar no es la opción a la crisis de Haití
(ハイチの危機には軍事介入という選択肢はない)
歴史は、いわゆる第三世界の貧しい国々に対する軍事介入が、飢餓の緩和や安定した政府の構築のための解決策とはほど遠く、不安定化の原因や植民地化・新植民地化の単なる処方箋であったことを示している。 / この地域で最も貧しい国であるハイチは、少なからず軍事介入を受けており、経済的な連帯支援に転換すれば、その発展に大きく貢献することができたはずである。 / ここ数日、米国の新聞「ワシントン・ポスト」はハイチの状況について社説を掲載し、その中で「外部のアクターによる強引な行動」について述べている。 / その数日後、米国とカナダ政府は、同国の治安機関に武器を搭載する軍用機の派遣を発表した。 / しかし、この事態に新たな要素が加わった。10月15日、米国は国連安全保障理事会に、ハイチへの「多国籍迅速反応部隊の即時展開」を求める決議案を提出したのである。 / カリブ海地域で最初に独立を果たした植民地であるハイチは、1804年1月1日以来、茨の道を歩んできた。 / 介入という言葉を連帯貢献という言葉に置き換えること。ハイチが必要としているのは、武器ではなく、食料である。 / 国連世界食糧計画(WFP)のデータによれば、ハイチは、食糧危機と33%のインフレ、人口の40%以上が貧困ライン以下で生活し、470万人が食糧難に苦しんでいる。これは、外国の軍事介入で解決できるものではない。
Workers World on October 24, 2022 By Editor
U.S. hands off Haiti!
(米国はハイチに手を出すな!)
この社説を書いている間にも、米軍は既にハイチの空港を押さえるために動いたという噂が飛び交っている。この数ヶ月の動きを見ていると、そのような噂も信憑性を帯びてくる。 / そう、実際にありそうだが、やはり犯罪である。ハイチの人々にとって、これほど有害な介入は考えられない。ハイチ国民にとって現在の困難な社会状況は、米国の過去の介入によって引き起こされたものである。 / 「ワーカーズ・ワールド」はハイチの自決を支持する。自分たちの国を誰がどのように運営するかを決めるのはハイチの人々である。米国の軍事介入は、米国が所有する財産を守ろうとするかもしれないが、ハイチに繁栄や安定すらもたらしたことがない。米国の支配は、自決とは正反対のものである。 / 米国の支配階級は、フランスの支配階級とともに、2世紀以上の犯罪に対してハイチに賠償金を支払う義務がある。 / 「ワーカーズ・ワールド」は、ワシントンはハイチから手を引き軍を今すぐ撤退させる必要があると言っている多くのハイチ人民組織と一緒に行動する。
Plensa Latina October 22, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Network of Haitian organizations calls against intervention
(ハイチ諸組織のネットワークが介入反対を呼びかけ)
500人以上のアーティスト、学者、公人、活動家が、外国の介入のないハイチを求める「国際人民会議(International Peoples' Assembly)」ネットワークの公開書簡に署名したと、米国に拠点を置く運動が本日報告した。 / ハイチの国内問題の解決は、外国の介入を受けず、国民自身によって推進され、国の主権、自決、民主主義を優先させなければならない、とその文章は強調している。 / 近年ハイチは、経済的、政治的、社会的危機を経験しており、ジョヴェネル・モイーズ大統領(1968-2021)の暗殺によってさらに悪化した。 / 政治家は共通の合意に至らず、最近アリエル・アンリ首相は、「ギャングの行動を封じる」ために国際軍の派遣を要請したが、この決定は専門家からとんでもないとされ、国民の拒否反応も受けた。 / 「国際人民会議」からの書簡によると、ハイチは、「国連ハイチ安定化ミッション」を通じて2004年から2017年の間に起こったことと同様の、新たな軍事占領の可能性に直面している。
teleSUR Published 21 October 2022
UN Security Council Imposes Sanctions on Haitian Armed Gangs
(国連安保理、ハイチの武装ギャングに制裁を課す)
金曜日(10/21)、国連安全保障理事会は、ハイチの武装集団に対する制裁と武器禁輸を全会一致で承認した。 / 米国とメキシコが起草したこの決議には、ロシアと中国も賛成した。国連安保理の全メンバーが、現在コレラの発生にさえ苦しむカリブ海の国の混乱を止めることに賛成したのである。 / メキシコの外交官Juan Ramon de la Fuenteは、「我々は、平和的共存と民主的統治を確立しようとするハイチの闘いを支援することを何よりも求めている」と述べた。
Peoples Dispatch October 20, 2022 by Vijay Prashad
The last thing Haiti needs is another military intervention
(ハイチが最も必要としないことは新たな軍事介入)
社会的、経済的、政治的危機が深まる中、ハイチへの軍事介入は、ハイチが直面する問題の解決にはならない。 / 2022年9月24日の国連総会で、ハイチのJean Victor Geneus外相は、自国が深刻な危機に直面していることを認め、「パートナーの効果的な支援によってのみ解決できる」と述べた。この「効果的な支援」という言葉は、ハイチで起きている状況をよく観察している多くの人にとって、Geneus外相が欧米列強による再度の軍事介入が間近に迫っていることを示唆しているように聞こえた。実際、Geneus外相の発言の2日前、「ワシントンポスト」紙はハイチ情勢に関する社説を掲載し、「外部のアクターによる強硬な行動」を求めていた。10月15日、米国とカナダは共同声明を発表し、ハイチ治安機関に武器を届けるため軍用機を派遣したことを明らかにした。同日、米国は国連安保理に「多国籍の迅速行動部隊のハイチへの即時展開」を求める決議案を提出した。 / 1804年にハイチ革命がフランスから独立を勝ち取って以来、ハイチは1915年から1934年までの20年にわたる米国の占領、1957年から1986年までの米国の支援による独裁政権、1991年と2004年の進歩的なジャン・ベルトラン・アリスティド元大統領に対する欧米の支援による2度のクーデター、2004年から2017年の国連軍介入と、次々と侵略の波にさらされてきた。これらの侵略により、ハイチは主権を確保できず、国民が尊厳ある生活を築くことができなくなった。米国・カナダ軍であれ、国連平和維持軍であれ、再度の侵攻は危機を深めるだけである。「三大陸:社会調査研究所」、「国際人民会議」、「ALBA運動」、「代替開発のためのハイチ擁護プラットフォーム(PAPDA)」は、ハイチの現状について「レッド・アラート」を作成したので、以下に掲載。
【5項目要求のみ。文は略。】ハイチと連帯する人々は、最低限以下のことを要求することが必要である。 / 1.すべての進歩的な勢力が、ハイチへの軍事侵攻に反対すること。 2.ハイチ国民が、自らの主権、尊厳、公正な政治・経済の枠組みを構築し、国民の真のニーズを満たすことができる教育・保健システムを構築することができるようにすること。 3.国連は、数万人のハイチ人を殺し、数えきれないほどの女性をレイプし、コレラを持ち込んだ「国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)」が犯した犯罪の代償を払うこと。 4.フランスと米国が1804年以来ハイチの富を盗んできたことに対する賠償を提供すること、それには1914年に米国が盗んだ金の返還も含まれる。フランスはハイチに対して単独で少なくとも280億ドルの債務を負っている。 5.米国が占領しているナバサ島をハイチに返還すること。
Plensa Latina October 20, 2022 Published by: Ana Luisa Brown
Puebla Group concerned about possible intervention in Haiti
(プエブラ・グループ、ハイチへの介入の可能性に懸念)
「プエブラ・グループ」は、20日、ハイチへの軍事介入の可能性に深い懸念を表明し、米国フロリダからの違法武器の流入を止めるよう要求した。米州機構(OAS)のルイス・アルマグロ事務総長やハイチ政府などが外国軍の派遣を呼びかけていることについて、声明で批判した。 / ハイチでは2021年から大統領選挙が延期され、2020年から議会が機能していない。アリエル・アンリ首相が国家元首を務めており、昨年7月にジョベネル・モイーズ大統領が暗殺されて以来、憲法に明記されている通りの大統領の継承は行われていない。 / 「プエブラ・グループ」は、介入の計画が主要政党や市民社会団体によって拒否され、市民の大規模な抗議を喚起していることに留意する、と付け加えた。
【「ハイチ危機に関するプエブラ・グループの声明」に「軍事介入の計画が主要政党や市民団体によって拒否され、大規模な市民の抗議行動を引き起こしていることに注目している」とある。】
【プエブラ・グループ: ラ米カリブの左翼政治代表者たちで構成される政治的・学術的フォーラム。メキシコ大統領AMLOとアルゼンチン大統領当選者フェルナンデスが中心となり、2019年7月に創設提起。同年11月9日にメキシコのプエブラ市で創立会議。次々と参加者が増え、2022.10.21現在、元大統領12人を含む134人。】
teleSUR Published 19 October 2022
'Time for Revolution Has Come': Haitian Opposition Leader Says
(「革命の時が来た」: ハイチの野党指導者が発言)
月曜日(10/17)のポルトープランスでのデモで、「Pitit Dessalines党」のリーダーJean Charles Moiseは、外国の軍事介入を阻止しアリエル・アンリ首相の辞任を達成するために、社会的抗議行動を続けるよう呼びかけた。 / 「革命の時が来た」とPitit Dessalines党の政治家は言い、米国や他の国々のハイチ内政への干渉を根本的に否定した。 / 月曜日、国連安保理は、ハイチに関する2つの決議案を討議した。 / 今のところ、ロシアと中国がこの2つの決議の望ましさと有効性に疑念を表明している。 / 10月7日、アンリ首相は国際社会に対し武装勢力の派遣を要請した。その2日後、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、1カ国以上の軍人で構成される「迅速行動部隊」の派遣を提案した。しかし今のところ、このような部隊を率い組織することに正式に同意した国はない。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.10.20 Thursday)に全訳あり】
Peoples Dispatch October 18, 2022 by Tanya Wadhwa
Haitians intensify protests against foreign military intervention, while US seeks authorization for “international mission”
(ハイチ人民が外国軍の介入に抗議を強化する一方、米国は「国際任務」の認可を求める)
アリエル・アンリ大統領の国際軍事支援要請を拒否し、外国勢力によるハイチへの介入を止めるよう要求する人民が、ハイチ全土に溢れかえった。 / 何十万人ものハイチ人が国中の通りに溢れ、事実上の大統領であるアリエル・アンリの明確な辞任を要求し、犯罪組織と闘うための国際軍事援助の要請を拒否した。人民は、アンリの決定が再び外国の軍事占領に道を開くとして、国内の全10県で大規模なデモ、行進、道路封鎖を組織した。 / 8月22日以来、数十万人のハイチ人が、慢性的なギャングの暴力、貧困、食糧難、インフレ、燃料不足に反対し、事実上のアリエル・アンリ大統領の辞任を要求するデモをおこなってきた。
teleSUR Published 18 October 2022
China Wary of International Troop Deployment in Haiti
(中国、ハイチへの国際部隊配備を警戒)
中国はハイチのギャングとその支持者に対する制裁を支持するが、同国への国際的な武装勢力の展開には警戒していると、中国の特使が月曜日(1017)に述べた。
Workers World on October 17, 2022 By G. Dunkel
U.S. set to invade Haiti yet again
(米国はまたもやハイチに侵攻することに取りかかった)
ハイチ国民の85%近くが1日5.30ドル以下で生活している。幼い子どもたちの深刻な栄養失調が蔓延し、通りには収集されていないゴミが溢れかえっている。汚染された水を介して感染するコレラも発生し、ここ数週間で数百人の患者が報告されている。 / アリエル・アンリ首相代行(16カ月前、「コア・グループ」の承認を得て米国が任命)が、飢えたハイチ大衆の高まる過激な怒りを制御できていないことは、数カ月前から明らかだった。「コア・グループ」は、カナダ、フランス、ブラジル、ドイツ、スペインの大使と、国連と米州機構(OAS)の代表で構成されている。 / 8月初めから、何十万人ものハイチ人が、アンリ政権とアメリカ帝国主義に対する完全な拒絶を表明するために、ますます過激なデモで街頭に立ってきた。 / 10月10日、ポルトープランス、プチゴアブ、ジャクメル、イル・ド・ラ・ゴナブ、ミレバレー、ラスカホバス、キャップハイティエン、ゴナイヴで、大規模なデモが立ち上がった。 / 傀儡のアリエル・アンリが大不評なので、米国は他の人物を試すことにしたようだ。現在、「災害支援チーム」がポルトープランスに滞在している。このチームは、通常、米帝国主義の政治部門からの「専門家」で構成され、「ニーズ」を評価し、「援助」の伝達を組織している。 / ポルトープランスに滞在中、チームはアンリ首相代行大統領、その周辺の閣僚や政党のメンバーと会談している。後任候補の面接をしているようだ。 / ポルトープランスやその他の大都市における社会的、経済的、政治的、環境的、文化的危機(すべて帝国主義によって引き起こされた)の特徴的な側面は、ブルジョアマスコミが「ギャング」と呼ぶグループが、自衛のため、あるいは誘拐やその他の強奪のための拠点として、いくつかの地域を支配できるようになったということである。 / 自衛的なグループも反動的な反対勢力も、ポルトープランスの大規模で極貧の地区Cité Soleilの支配をめぐって争っている。それは、ハイチの主要燃料ターミナルであるVarreuxへのアクセスを支配している。Varreuxへのアクセス遮断によって引き起こされた食糧、医薬品、電気、ガソリン、公共交通機関の不足は、米国によって国際介入の正当化の理由として利用されている。 / 10年半の帝国主義的介入も、結局はハイチ人の抵抗を抑えつけることにはならなかったし、今回もならないだろう。ハイチ人民は自国を支配する権利のために闘うだろう。
teleSUR Published 17 October 2022
Thousands of Haitians Hit Streets Against Troop Deployment
(数千人のハイチ市民が軍の配備に反対し街頭に立つ)
ハイチの人々は、外国の軍事介入を拒否し、アリエル・アンリ大統領の辞任を要求する抗議行動に参加している。
Peoples Dispatch October 15, 2022 by Peoples Dispatch
US delegation visits Haiti following de facto leader Henry’s request for foreign troops
(事実上の指導者であるアンリの外国軍要請を受け米国代表団がハイチを訪問)
この2ヶ月間、ハイチの人々は、インフレと通貨切り下げに抗議し、アンリの辞任を要求するために街頭に立っていた。今週、アンリが外国軍の支援を要請したことで、この抗議行動は激化している。
Peoples Dispatch October 13, 2022 by Peoples Dispatch
The people of the world reject foreign intervention in Haiti
(世界の人民はハイチへの外国の介入を拒否する)
ハイチの人々は数週間前から街頭に出て、猛烈なインフレと通貨の切り下げ、そしてハイチが直面している政治的・制度的危機に抗議している。事実上の大統領兼首相アリエル・アンリが、ギャングの暴力を抑制するために外国の軍事支援を正式に要請したと宣言したことで、これらの抗議行動は激化している。 / 世界中の人民運動と組織がハイチ国民との連帯を表明し、領土と政治的主権の侵害を拒否している。
People's World October 12, 2022 BY W. T. WHITNEY JR.
U.S. eyes military intervention in Haiti, again
(米国、ハイチへの軍事介入を再び視野に)
8月以来、大勢のハイチ人が断続的に街頭で抗議している。彼らの不満は、国際通貨基金(IMF)のおかげで物価が高いこと、食料と燃料が不足していること。銀行や商店は閉鎖されている。学生たちはデモに参加している。労働組合はストライキをおこなっている。 / このパターンは10年来、断続的に続いている。腐敗を指摘するデモ隊は、マルテリー、ジョベネル・モイーズ、そして現在の事実上の首相であるアリエル・アンリを次々と罷免するよう要求してきた。 / 最近、暴力が状況を悪化させ、米国を含む外国勢が注目している。米国の軍事介入やその他の介入は、ハイチの国家主権を破壊し、ハイチのエリートの助けを借りて、普通の人々の生活のコントロールを奪うために働いてきた。 / 現在、ハイチ人の40%が食糧難に陥っている。そのうちの約490万人(43%)が人道的支援を必要としている。出生時の平均寿命は63.7歳。ハイチの貧困率は58.5%で、成人ハイチ人の73.5%が1日5.50ドル未満で生活している。 / 選挙政治は分裂している。2011年にマルテリーを大統領候補に擁立したのは、ヒラリー・クリントン国務長官である。2017年のモイーズは600万人の有権者のうち60万人の有権者から選ばれた。彼は大統領の任期を違法に1年延長した。現在のところ、6年間大統領選挙がなく、1年以上選挙で選ばれた市長や議員もおらず、この先も選挙が予定されていない。【以下、略】
Peoples Dispatch October 11, 2022 by Tanya Wadhwa
Haitians protest threat of foreign military intervention in the country
(ハイチの人々は、外国軍の介入という脅威に抗議している)
10月10日、「アリエル・アンリを倒せ、外国人による占領を倒せ」の旗印のもと、数十万人のハイチ人が国中の街頭に繰り出した。アリエル・アンリ非公式首相兼大統領代行がハイチのギャング関連の危機解決のために国際社会に武装支援を要請した決議に反対してのものである。 / 8月22日から7週間、ハイチ国民は、必需品と基本サービスの価格高騰に伴う貧困と食料不安の増大、残酷な価格上昇に伴う燃料不足の深刻化、ギャングによる誘拐、殺害、暴力の蔓延、そしてドルに対するハイチ・グールドの大幅な切り下げに対して、たゆまず動員してきた。
Plensa Latina October 4, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Haitian trade union organizations call for continued mobilization
(ハイチの労働組合組織、動員継続を呼びかけ)
「ハイチ労働者全国連合」は、反政府デモの継続を呼びかけた。それは既に1カ月にわたって国を揺るがしてきた。
Workers World on October 3, 2022 By G. Dunkel
Protests and anger intensify in Haiti
(ハイチで抗議と怒りが激化)
8月下旬、ハイチを解放した1804年の革命の開始を記念する日に始まり、全国で数十万人のハイチ人が、アリエル・アンリ大統領代行の政権を根こそぎ倒すことを求め、繰り返し街頭に出ている。 / 一般に、抗議活動は、燃料(ガソリンとディーゼル)の大幅な値上げが巻き起こした悲惨な事態の終結を要求している。ガソリンは128%、灯油とディーゼルは90%値上げされている。
Peoples Dispatch September 28, 2022 by Vijay Prashad
Four straight years of nonstop street protest in Haiti
(ハイチで4年続く街頭抗議行動)
ここ数週間、ハイチの街は再び大規模なデモ行進や道路封鎖で占拠された。 / 8月22日以来、数万人のハイチ人が、事実上の首相であり大統領代行のアリエル・アンリの辞任を求め、全国で街頭に立っている。 / ハイチでは2018年7月に抗議のサイクルが始まり、パンデミックにもかかわらずそれ以降も続いている。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.10.01 Saturday)に全訳あり】
Peoples Dispatch September 27, 2022 by Tanya Wadhwa
Anti-government protests in Haiti enter sixth week
(ハイチでの反政府デモが6週目に突入)
8月22日以降、ハイチ人は貧困、インフレ、燃料不足、ギャングによる暴力、自国通貨の切り下げに反対して動員されている。 / ハイチの経済的、政治的、社会的危機の中で、数千数万人が9月26日(月)に再び街頭に立ち、事実上の首相であるアリエル・アンリ大統領代行の辞任を要求して抗議行動をおこなった。
Prensa Latina September 26, 2022 Published by: Alina Ramos Martin
Call for protests and general strike in Haiti
(ハイチ: 抗議行動とゼネストの呼びかけ)
「変革のための人民運動」は、今週月曜日(9/26)と水曜日(9/28)の二日間にわたるアンリの辞任を要求する動員を発表した。彼は、不安定な危機と基本的生活必需品の急激な増加を止めることができていない。
teleSUR Published 12 September 2022
Increase in Fuel Prices Ignites More Protests in Haiti
(ハイチ: 燃料価格の上昇により、さらなる抗議行動に火がつく)
日曜日(9/11)、アリエル・アンリ首相は、数週間前から続いている抗議行動により政治状況が非常に混乱している中、燃料価格の値上げを発表した。 / 前回は2021年12月、ディーゼル、ガソリン、ケロシンの価格を115%値上げしている。 / 新たに発生した大規模なデモは、貧しい人々の生活悪化、治安の悪さ、本質的な貧困に反対し、首相の退陣を求めるもの。3ヶ月前からデモが行われている。
Peoples Dispatch September 08, 2022 by Tanya Wadhwa
“The Haitian people need a socialist state,” says journalist Jean Waltès Bien-Aimé
(「ハイチ国民は社会主義国家を必要としている」:ジャーナリストJean Waltès Bien-Aiméが語る)
現地の状況を理解するため、ハイチ人ジャーナリストJean Waltès Bien-Aiméに話を聞いた。 / 8月22日以降、「もう一つの独立のために立ち上がる」という旗印のもと、数万人のハイチ人が、事実上の首相であるアリエル・アンリ大統領代行の辞任を求め、各地で繰り返し街頭に出ている。抗議者たちは、彼の統治下にあった過去1年間に、経済的、政治的、社会的危機が悪化したと批判している。 / 公式報告によると、ハイチのインフレ率は30%に達し、10年ぶりの高水準に達している。基本的な食料品は50%以上、商品によっては80%も上昇している。 / 2018年以降、ハイチは、深刻な社会的・政治的・制度的・経済的危機を経験し、人々は米国が支援する腐敗した新自由主義政権に対抗してたゆまず組織化し、動員されている。2021年7月に事実上の大統領であるジョヴェネル・モイーズが暗殺されて以来、状況は悪化し、武装ギャングがより強力になり、総選挙が実施される可能性に対する不確実性が高まっている。 / ハイチ国民は選挙を信じる民主主義者だが、アリエル・アンリが組織する選挙は望んでいない。彼は事実上の首相であり、自由な選挙を組織することはできないからだ。 / アリエル・アンリはアメリカ大使館からのプレゼントとして政権を握らされた。 / この2週間、ハイチの人々は、ハイチの政治危機を解決し、民主的に国の指導者を刷新するためのロードマップを描き、実行するための新しい暫定政府を要求してきた。 / いくつかの組合、社会運動、政治基盤は、自分たちの要求が満たされるまで、今後数日間、抗議行動を強化すると警告している。 / ハイチ国民は社会主義国家を必要としている。我々は指導者について多くの経験をしてきたが、それらの経験は深刻な変化をもたらさなかった。私たちは今ある国家を変える必要がある。我々はブルジョア国家を持っている。今必要なのは人民国家だ。 / ジョヴェネル・モイーズの暗殺後、70以上の労働組合、社会組織、民衆運動、政党が集まり、ハイチが直面している政治危機への答えを考えるために「ハイチ危機解決策探索委員会(CRSC)」を結成した。2021年8月30日、合意に達し、危機から抜け出すための国民中心の民主的な移行方式に関する協定に署名した。新暫定大統領と新暫定首相をトップとする暫定政府が2年間国を統治し、PHTK党の政権(ジョヴェネル・モイーズ政権)によって深まった制度的危機から国を回復させ、社会を再建した後、次期政権のための選挙を組織することが決定されたのである。 / 2022年1月30日、「ハイチ国家移行評議会(CNT)」は、経済学者で元ハイチ共和国銀行総裁のフリッツ・アルフォンス・ジャンをハイチの新暫定大統領に、元上院議員のスティーブン・イルベンソン・ブノワを新暫定首相に選出した。この二人は、今年2022年2月7日から24ヶ月間の暫定的な国政を行うことになっていた。しかし、この代替プロセスは、米国、国連、そしてアンリ政権とその同盟国に味方するコア・グループによって阻止された。
teleSUR Published 8 September 2022
New Protests in Haiti Bring Thousands to Demand Ouster of PM
(ハイチ: 新たな抗議行動で首相退陣要求)
ギャングによる誘拐や殺人が増加し、インフレ率が30%に達し、基本的な商品の価格が高騰し、燃料不足が深刻化する中、人々は抗議デモの回数を増やしている。 / 首都およびその他の主要都市では、多くの人々が水曜日(9/7)に新たな抗議行動を組織し、より安全な道路、より安価な商品、アリエル・アンリ首相の辞任を要求している。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.09.09 Friday)に全訳あり】
Peoples Dispatch August 25, 2022 by Peoples Dispatch
Haitians mobilize against insecurity and high cost of living
(ハイチ人民が不安と高い生活費に反対して街頭へ)
8月22日、数万のハイチ人民が全国で街頭に立ち、蔓延する治安の悪さ、慢性的なギャングによる暴力、生活費の高騰に抗議した。抗議者たちは、アリエル・アンリ首相兼大統領代行の辞任を要求し、彼の管理下でハイチの経済・社会危機が深まったと主張した。 / 過去10年で最も高い約29%のインフレ率で、ハイチは燃料や必需品の料金上昇で、顕著な生活費危機に見舞われている。
Prensa Latina August 20, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Protesters call for resignation of Haiti’s Prime Minister
(ハイチ: デモ隊は首相の辞職を求める)
ここ数週間、ドルに対する自国通貨の急激な下落により、必需品の価格が上昇し燃料危機が続く中、こうした抗議行動が拡大している。 / 労働者、学生、組合は、来週月曜日(8/22)に大規模な抗議行動を呼びかけ、首相に国の危機に対する解決策を提示し始めるよう最後通牒を突きつけた。
teleSUR Published 13 July 2022
Haiti Faces Increase in Protests Over Fuel Prices
(ハイチ: 燃料価格の高騰でデモが増大)
当局や燃料を管理する民間企業によると、年初から燃料危機が繰り返されており、ウクライナ紛争の影響で悪化しているとのことである。 / 燃料が5倍に値上がりしていると、デモ隊の一人が語り、政府に対策を講じるよう促した。デモ隊はまた、自由な移動を妨げる治安の悪さと、武装ギャングの増加を非難した。 / ここ数カ月、多くのサービスステーションが閉鎖されたままか、時折オープンしている。一方、幹線道路沿いでは非公式の燃料販売が増加しており、労働組合員は政府や民間企業を非難している。
Workers World July 7, 2022 By G. Dunkel posted (写真あり)
Haiti: Masses take to the streets June 26
(ハイチ: 大衆は6月26日に街頭に立つ)
米国の支援するクーデターにより2度退位したジャン・ベルトラン・アリスティド元大統領が率いる政党「Lavalas」の呼びかけで、数万人のハイチ人が6月26日にポルトープランスの街頭に出た。 / AP通信のビデオ・インタビューによると、デモ行進の参加者は、再確立されて機能する政府への移行においてアリスティドが主導的役割を果たすことを要求。そのほか、食料と燃料の高騰、暴力の増加、女性市場商人や小学生から医師や弁護士にまで横行する明白な誘拐、あらゆる公共サービスの欠如なども糾弾している。 / デモ行進者たちは、現在のハイチの無政府状態と政治的混乱の解決にアリスティドが関与することを望んでいる。行進は非常に強力で大規模だった。 / ハイチ人の少なくとも半数は、定期的に十分な食事がとれず、飲料水の確保にも苦労している。
Workers World June 22, 2022 By G. Dunkel
Haiti suffers in U.S.-created turmoil
(ハイチ: 米国が作り出した混乱に苦しむ)
ハイチは、日常的に国として機能する能力が崩壊しつつある。国民の半数がきれいな水を手に入れることができず、自分と家族を養うための十分な食料を見つけるのにも苦労している。教育、道路、パンデミック時の公衆衛生など、社会サービスや物理的なインフラはほぼ消滅している。 / ハイチは、ポルトープランスを壊滅させ何十万人もの死者やホームレスを出した2010年の大地震から回復していなかったが、2021年に再びハイチ南部で地震が発生した。地震やハリケーン、熱帯低気圧による被害に対して、適切な対応がなされていなかった。労働者や貧困にあえぐ農民は、生き延びる望みのない未来に直面することになった。 / この混乱は、ハイチの政府機構が崩壊したことにより、さらに激化している。2021年に起きたジョヴェネル・モイーズ大統領の暗殺――その最終的な犯人はいまだ解明されていない――と、何年にもわたってハイチの政治家が選挙をおこなうことができないこととが、この不確実な漂流を深めている。犯罪者が利益のためにほとんど誰でも誘拐ができるようになり、バスの乗客に身代金を支払わせることさえできるようになったことで、脅威はさらに増している。 / 腐敗の暴走と政治体制の崩壊に加え、インフレが過去19年間で最高の27%に跳ね上がり、日々の現実は国民にとってさらに過酷なものとなっている。 / 米国は、フランスの援助とともに、ハイチの現在の崩壊を作り出す上で支配的な役割を果たした。一方、さまざまな装いをした国連の存在が、米国の役割にベールをかけている。 ・・・
【昨年末段階でのハイチの状況が簡潔に述べられている。】
teleSUR Published 31 December 2021
Ten Challenges Facing Haiti In 2022
(ハイチ: 2022年に直面する諸課題)
2021年は非常に混乱した年であり、ハイチには解決すべき経済的、政治的、社会的問題が多く残されている。そのいくつかを以下にまとめた。 / 選挙を実施する予定のアリエル・アンリ首相は、就任から5ヶ月の間に、2022年末の選挙実施に必要な条件を整えることができなかった。モイーズ大統領が暗殺された結果、ハイチには国民によって直接選ばれた政府が存在しない。さらに、国会は2年間閉鎖されており、司法も完全に機能していない。 / モイーズ殺害事件の捜査は行き詰まっている。責任者はまだ逮捕されていない。 / 憲法改正国民投票。総選挙を組織するほかに、アンリ首相は新憲法を採択する計画を立ち上げなければならない。 / 都市部での暴力抑制。国家警察には、国内で活動する武装犯罪集団を制圧する能力はない。 / 国内避難民の状況改善。数千人のハイチ人が、8月14日の地震、ポルトープランスでのギャング関連の紛争、6月の火災などのために家を追われ、その場しのぎのキャンプで生活している。 / Covid-19の予防接種。ハイチは、ラテンアメリカの20カ国のうち、まだ人口の40パーセントにさえワクチン接種ができていない国のひとつ。保健省のデータによると、人口1100万人の国で、12月17日現在、COVID-19ワクチンの2回接種を受けた国民は72,102人に過ぎない。 / 燃料価格。暴力団は、燃料トラック運転手の強盗や誘拐を増やしている。このため燃料不足を招き、国民の大多数にとって手の届かない価格の闇市が形成されている。 / 移民保護。2021年の最後の四半期には、少なくとも14,127人のハイチ人が強制的に国に戻された。複数の危機が同時に発生したことで、当局は、移民が必要とするであろうケアを提供することができなくなっている。彼らの多くは米国に向けて再び移住しようとするだろう。 / 食糧危機。国連食糧農業機関(FAO)によると、ハイチはラテンアメリカで最も飢餓の蔓延率が高い国(46.8%)。8月14日の地震後、食糧難、飲料水の供給不足、医療不足が増加した。 / 地震の余波。マグニチュード7.2の地震により、少なくとも2,248人が死亡、300人以上が行方不明となり、69万人のハイチ人が被災し、同国の2021年GDPの15%に相当する損失が発生。死者30万人以上、被災者150万人を出した2010年1月以来の大規模な地震となった。