4月6日(月曜日)、今から1週間ほど前になるが、知り合いのピアニストランナーandantinoさんとカーネギーホールでピアノリサイタルを鑑賞した。本当はご主人と行く予定だったのが、ご主人が急遽日本に出張に出かけてしまった為、クラシック好きで知られる(?)自分にチケットがまわってきたのである。
いわば、ご主人の「代打」だったわけだが、実は代打を演じたのは自分ばかりではなく、なんと、この日の出演ピアニストも「代打」になってしまったのである。
もともと予定されていたのは、クリスチャン・ツィメルマン。
日本にもたびたび来日し、人気の高いポーランド人ピアニストだ。
ところが、実際に登場したのは、ロシアのピアニスト、ウラディミール・フェルツマン。パンフレットに挟みこまれたチラシによれば、ツィメルマンは「due to illness(体不調の為(?)」、急遽ニューヨークに在住しているフェルツマンに出演を打診したところ、快くOKしてくれたとのことである。
出演者が代われば、当然、曲目も変わる。
この日のプログラムは以下のように変更された。
クリスチャン・ツィメルマン
バッハ: パルティータ2番ハ短調、BWV 826
ベートーヴェン: ピアノソナタ32番ハ短調、Op.111
ブラームス: 4つのピアノ小品、Op.119
シマノフスキ: ポーランド民謡の主題による変奏曲、Op.10
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ウラディミール・フェルツマン
バッハ: パルティータ1番変ロ長調、BWV 825
ベートーヴェン: ピアノソナタ8番ハ短調、Op.13「悲愴」
ムソルグスキー: 「展覧会の絵」(ピアノ版)
前半のバッハとベートーヴェンは、曲目が違っただけで作曲者は同じだが、メインの曲目はガラリと変更。ポーランドのシマノフスキに代わって、ロシアのムソルグスキーとなった。どちらも演奏者にとっては「お国もの」、得意のレパートリーである。
それにしても、この日会場に訪れたお客の多くは、もちろんツィメルマン目当てで決して安くないチケットを買って足を運んできたわけだから、さぞかし不満だったろうと思いきや、むしろ予想外の大物アーティストに接することができて、十分満足している様子なのがすごかった。このあたりは、長年クラシックを聴いている愛好家(年配のお客が多かった)としての、懐の深さだろうか。
フェルツマンの演奏はバッハ、ベートーヴェンもそれなりに良かったものの、やはり本領はロシア音楽。ムソルグスキーの傑作「展覧会の絵」(ピアノ原曲版)、そしてアンコールで披露したラフマニノフの「プレリュード」2曲は、これぞロシアの千両役者と言いたいほど見事なものだった。
思わぬ展開で驚いたものの、自分としては久々の「大人のプチデート」という感じで、楽しいひとときだった。
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