[ドラマ紹介]
リゾート地での火山の爆発と
それが原因で起こった津波の災厄を扱った
ディザスター・パニック・ドラマ。
舞台はラ・パルマ島という
アフリカ西のカナリア諸島にある実在の島。
たびたび本当に噴火を起こしている。
1712年、1949年、1971年の火山活動でも溶岩流が海に達している。
2021年9月に東側山腹の複数地点から噴火が開始した。
噴火は50年ぶりで、約5千人が避難し、
同年12月に終息宣言が出されるまでに
溶岩流は家屋1300棟以上を破壊し、
バナナ園やブドウ畑など広い土地を覆った。
という現実的な舞台設定。
クリスマスシーズン。
毎年何百万人もの観光客でにぎわうカナリア諸島に、
あるノルウェーの家族がやって来る。
一家はラ・パルマ島にあるお気に入りのホテルにチェックイン。
ただ、夫婦で意見が衝突することが多く、
家族は危機をはらんでいた。
一方、島の地震研究所にいる若いノルウェー人科学者が、
島の中央に位置する火山に
警戒すべき兆候を発見する。
亀裂が拡大しているのだ。
既に、海中から吹き上げる熱湯で
観光船が転覆するという事件も発生している。
火山が噴火すれば、
マンハッタン島に匹敵する大きさの山塊が崩壊して海になだれ込み、
世界最大級の巨大な津波を引き起こす可能性が。
しかし、所長は警告を出すのを躊躇する。
以前、警告が空振りになった経験が足枷になっているのだ。
市長も警告を出すことに消極的だ。
しかし、現実に噴火が起こる。
情報をキャッチした外務省勤めの夫婦の兄が
密かに電話をかけてきて、島から至急脱出することを勧めるが、
既にパニックは始まっていた・・・
という、リゾート地に来た家族と
研究所の研究員との
二つの車輪で物語は進む。
当たり前過ぎる構成だが、
俳優の恐怖演技がなかなかなので、
見ていられる。
この種の映画特有の主人公の間抜けな行動も健在。
見どころは火山の噴火、
山の崩落、
津波の発生で、
CGの映像がなかなかの迫力。
自然災害の映像は一見の価値あり。
どうせなら、大西洋を渡っての、
北米大陸大西洋岸の様子も見せてほしかったが、
まあ、贅沢というものだろう。
ラ・パルマ島はスペイン領。
それを舞台にノルウエー製作の映画という変わり種。
リゾート地に来たノルウェー人家族はともかく、
研究所にもノルウエー人がいるという都合の良さ。
バラバラだった親子の絆が、
災害によって繋がりを取り戻していくのだが、
終盤の展開はまさにご都合主義で、
もう少し辛口な展開はなかったものか。
連続ドラマだが、
リミテッドシリーズ4回完結で通算3時間1分と
コンパクトなのがいい。
監督はカスパー・バーフォード。
出演者は名前は知らないが、
見たことのあるような顔もちらほら。
Netflixで視聴。