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トニー賞授賞式

2023年06月12日 23時00分00秒 | 演劇

今日は、トニー賞の授賞式の日。(アメリカ時間6月11日)

今年の会場は、
従来のラジオシティ・ミュージックホールから、
ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」の舞台となった
マンハッタン北部のワシントンハイツにある劇場、
ユナイテッド・パレスに変更。


座席数3400というから、
ブロードウェイの劇場より大きい。
中心街でもないところに、
こんな大きな劇場があるとは、知らなかった。

今年は異変があった。
例年、授賞式の台本は脚本家によって書かれているのだが、
全米脚本家組合によるストライキの影響で、
今回の授賞式は「台本なし」だという。

で、オープニングは、楽屋にいた司会者が、


台本を開けると、全部白紙。


そこから、劇場の階段や入り口に画面が移り、

ダンサーたちが踊る中、
カメラが客席内に入って、


オープニングの歌とダンスに。


劇場の装飾や設備も分かり、
なかなかの趣向だった。

司会は、昨年に続き、アリアナ・デボーズ


去年が好評だったんだろうね。
司会者は会場のプロンプターに出るのは、
制限時間と


「そろそろまとめて」の文字だけだと説明していた。

台本がないといっても、
進行台本がないわけではなく、
要するに、司会者やプレゼンターたちの話す内容の台本がないということ。
アカデミー賞も同じで、
プレゼンターがしゃれた事を言うのは、
全部台本に書いてあり、
それをプロンプターの表示に従って読んでいるだけ。
なかには、「俺はいやだ。自分の言葉で話す」という人はいないのかね。
受賞者のスピーチは、元々自由だから、
脚本家が書いているわけではない。
プレゼンターの台本がない分、自己紹介に続いて、
すぐに候補者と受賞者の発表で、
ごくスムーズ。
つまり、台本なしでもやれることを証明してしまったことにならないか。

今年のミュージカル作品賞ノミネートは、
次の5作品。
「アンド・ジュリエット」

ロミオが死んだ後、ジュリエットが自殺してなったら・・・
という、架空の設定での話。

9ノミネート。

「キンバリー・アキンボ」

4倍の速度で老化が進んでしまう少女の前向きな人生。
フトレートプレイのミュージカル化。

8ノミネート。

「ニューヨーク・ニューヨーク」

1946年のニューヨークで、青年が愛と名声を求める。

9ノミネート。

「シャックト」

トウモロコシの不作の村を救うための闘い。

8部門9ノミネート。

「お熱いのがお好き」

ビリー・ワイルダーのコメディ映画のミュージカル化。

12部門13ノミネート。


ミュージカル・リバイバル作品賞候補は、
「イントゥ・ザ・ウッズ」
「キャメロット」
「パレード」
「スウィーニー・トッド」

何と言ってもトニー賞の華は、
ミュージカルのノミネート作品のパフォーマンス
費用は1つにつき1千万円くらいかかるらしい。
それでも、全国(全世界)放送だから、
宣伝費と考えれば安いものだ、と言えるだろう。

今回も、
「ニューヨーク・ニューヨーク」

「キャメロット」


「アンド・ジュリエット」


「お熱いのがお好き」


「イントゥ・ザ・ウッズ」


「パレード」


「スウィーニー・トッド」

「キンバリー・アキンボ」


「シャックト」


「ファニー・ガール」
などのパフォーマンスが観客と視聴者を楽しませた。

今年の話題は、
ロングラン最長記録保持のミュージカル「オペラ座の怪人」
35年の歳月を経て4月に終了したこと。
6月に「バッド・シンデレラ」も終ったので、
1979年の「エビータ」以来続いていた
アンドリュー・ロイド・ウェッバーの作品が、
ついにブロードウェイから姿を消した
その意味でか、
物故者の追悼の場面では、
「オペラ座の怪人」から「もう一度あなたがここに現れてくれたら」が歌われた。

全26部門の受賞作は、下記のとおり。

キンバリー・アキンボ 5部門受賞
ミュージカル作品賞
ミュージカル主演女優賞(ヴィクトリア・クラーク)
ミュージカル助演女優賞(ボニー・ミリガン)
ミュージカル脚本賞
オリジナル楽曲賞(作曲:ジャニーン・テソリ、作詞:デヴィッド・リンゼイ=アベアー)

お熱いのがお好き 4部門受賞
ミュージカル主演男優賞(J ・ハリソン・ジー)
ミュージカル衣裳デザイン賞 
振付賞 
オーケストラ編曲賞 

シャックト 1部門受賞
ミュージカル助演男優賞(アレックス・ニューウェル)

ニューヨーク・ニューヨーク 1部門受賞
ミュージカル装置デザイン賞

パレード 2部門受賞
ミュージカル・リバイバル作品賞
ミュージカル演出賞

「スウィーニー・トッド」 2部門受賞
ミュージカル照明デザイン賞
ミュージカル音響デザイン賞


レオポルドスタッツ 4部門受賞
演劇作品賞(作:トム・ストッパード)
演劇演出賞
演劇助演男優賞(ブランドン・ウラノウィッツ)
演劇衣裳デザイン賞

ライフ・オブ・パイ 3部門受賞
演劇装置デザイン賞 
演劇照明デザイン賞 
演劇音響デザイン賞 

トップドッグ/アンダードッグ 1部門受賞
演劇リバイバル作品賞 

グッド・ナイト,オスカー 1部門受賞
演劇主演男優賞(ショーン・ヘイズ) 

プライマ・フェイシィ 1部門受賞
演劇主演女優賞(ジョディ・カマー)

ザ・サイン・イン・シドニー・ブルースティーンズ・ウィンドウ 1部門受賞
演劇助演女優賞(ミリアム・シルバーマン)

題材がユダヤ人問題、黒人問題、トランスデェンダーなどが多いのは、
いつもの傾向。

特に、今回は、
ミュージカル部門の主演男優賞と助演男優賞で、
いずれも性自認が男女のどちらでもない
「ノンバイナリー」の俳優が受賞した。
「お熱いのがお好き」の方は、
女装をした男性の役だが、
「シャックト」の方は、
女性役で男優賞を受賞。
右の人。
どう見ても女性だが。

今日のWOWOWの生放送は、同時通訳。
字幕版は、6月17日(土)午後9時に放送される。

トニー賞授賞式は、
その後行くニーヨークで観るミュージカルを選ぶ参考にしていたのだが、
3年前に「これで最後」と8本も観てしまったので、
もう行くことはないだろう。

                                        



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