[映画紹介]
アメリカ、カナダ、インド、シンガポール合作映画だが、
テイストはインド映画。
なにしろ、舞台は、インドにある架空の街ヤタナ市。
その地下施設にあるファイトクラブで
キッドは、猿のお面の殴られ屋、モンキーマンを演じ、
ある目的を持って金を貯めていた。
格闘技のプロモーター・タイガーは
モンキーマンに八百長試合を強いていた。
キッドは、クラブ「キングス」の雑用係として入り込み、
世話係のアルフォンソに取り入るためにファイトクラブの八百長の話を教える
キッドの言うとおりに大儲けをしたアルフォンソは、
キッドをウェイターに昇格させ、貴族向けのルームへと連れて来る。
そして、そこでキッドは、目的である汚職警察署長ラナにたどり着く。
実は、キッドの幼少期、
宗教家の導師ババ・シャクティがラナと結託して、
キッドの住んでいた人々の土地を奪い、
その際にキッドの母ニーラが
ラナに虐殺されていた。
その場面を目撃したキッドは
トラウマに苦しみ、
復讐のために金を貯めて情報を得、
ラナの入り浸っているクラブに侵入したのだが、
ラナと二人きりになるチャンスを得たものの、失敗してしまう
警察に追われ、瀕死の重症を負ったが、
アルファという人物に助けられ、
その寺院のコミュニティで肉体を鍛え直し、
再びラナに挑む。
ここから、クラブ「キングス」を舞台に復讐が炸裂する。
時は選挙で導師ババ・シャクティが後ろ楯となる政党が勝利した
その祝勝の場。
相手の軍団との対決で
すさまじい暴力、暴力。
インド版「ジョン・ウィック」と言われるのも
うなずける華麗なる暴力描写。
それは暴力の美学さえ感じさせる。
実際、「ジョン・ウィック」のスタッフが参加。
「スラムドック$ミリオネア」の主演者デブ・パテルが初監督。
自分のアクションを自分で演出するという離れ業。
まだ粗削りだが、
随所に才能を感じられるカットが散見される。
ヒンドゥー教の神話やインドの文化を巧みに取り入れ、
奥の深さを感じさせる。
猿の神「ハヌマーン」の神話がベースにある。
修行の場では、
打楽器のリズムに合わせた肉体的なトレーニングの姿が新しい。
ファイトクラブでは、実力で強敵を瞬殺し、
掛金を莫大な金額に変え、コミュニティに恩返しする。
当初は世界配信に向けて製作が進められていたが、
「ゲット・アウト」のジョーダン・ピールが
「劇場で観てもらうべき作品だ」と、
自身の制作会社で買い取り、
劇場公開にこだわった。
5段階評価の「4」。
TOHOシネマズ日比谷他で上映中。
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