空飛ぶ自由人・2

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映画『イノセンツ』

2023年08月08日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

北欧ノルウェー発のホラー

郊外の団地にイーダ一家が引っ越してきた。


9歳の少女イーダ、自閉症で口のきけない姉のアナ。
じきに同じ団地に暮らすベン、アイシャと親しくなる。
4人を惹きつけたのは、それぞれが持つ不思議なパワーだった。
ベンは手で触れることなく小さな物体を動かせる念動力、


アイシャは互いに離れていても感情、思考を共有できる能力。


イーダとアナは、まだ自分の秘めた能力に気づいていない。


4人は大人の目が届かないところで、
お互いの能力を共鳴させ、
サイキック・パワーの強度を高めていく。
親の知らない子どもだけのネットワーク。


始めは遊びだったのに、
次第にエスカレートし、
ベンの能力が大人の行動をも支配するようになった時、
それは狂気に変わり、
衝撃の夏になっていく・・・

ノルウェーのアカデミー賞と呼ばれるアマンダ賞
監督賞・撮影賞・音響賞・編集賞の4冠を獲得。
世界の映画祭で16映画賞を受賞した問題作。
監督・脚本を手掛けたのは、「わたしは最悪。」で
米アカデミー賞・脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト

大友克洋「童夢」からインスピレーションを得たという本作、
大人が介在しない、子供たちだけの危険な遊びを描いて秀逸。
何かが起こるという緊迫感が映像から伝わって来る。
特に、子どもたちの演技が素晴らしく、
是枝流の「自然な演技」などではない、
しっかりと役どころを捉えた子役の演技に驚嘆する。
どうやって演技指導したのだろう。

子どもたちの親が、
やや欠けたところがあるのも、
超能力の要因としてしっかり描かれている。
「イノセンツ」の題名にあるように、
悪気の無さや無邪気さに裏打ちされた
加減を知らない特殊能力を持った子どもが、
善悪の区別が付かず、取り返しのつかないことをしてしまう恐ろしさ。

狭い団地の空間の中、
広場で遊ぶ親子に混じって
人知れず展開される子ども同士のバトル。
音や絵で観客を怖がらせるのではなく、
心理的に追い詰められる
北欧らしいホラー
観るべき。

5段階評価の「4」

新宿ピカデリーで上映中。



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