空飛ぶ自由人・2

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永住者の税金滞納

2024年08月24日 23時00分00秒 | 様々な話題

産経新聞に↓の記事が出ていた。

永住資格のある外国人の
住民税や国民健康保険料の滞納率
一部の自治体で日本人の3~4倍に上ることが
政府の内部資料で分かったという。

政府が改正入管難民法の審議過程での
7つの自治体を調査した内部資料によると、
ある自治体では令和5年11月末時点で、
日本人世帯のうち国民健康保険料を滞納していたのは約9%だった一方、
外国人世帯では約28%、
永住者世帯に限ると、約29%が滞納していた。
同月時点の住民税の滞納率は
日本人が約4%だったのに対し、
外国人が約20%、永住者が約18%だった。

別の自治体では国民健康保険料について調査。
日本人は納付すべき額の約96%を納めていたが、
外国人全体では約78%、
永住者に限っては約83%しか納付されていなかった。
つまり、日本人4%に対して、
外国人全体では22%、永住者では17%が未納

「永住権を取得しているから、
税金を支払わなくてもら大丈夫」
と言った永住者もいるという。

というのは、
旧来の入管難民法では、
永住資格が取り消せるのは、
資格取得時に虚偽の申請をしていたことが
明らかになった場合などに限られているため、
資格取得後、税金や国民健康保険料の滞納をしても、
永住資格を取り消せないのだ。

こうした制度上の穴から、
永住資格の申請時に滞納分を納税し、
取得後は再び滞納する永住者が多数いることになる。

また、保険証が欲しい時だけ保険料を支払う外国人もいるという。
滞納を繰り返し、
自治体が財産を差し押さえようとすると、
別の自治体に引っ越す例もある。

こうした実情を踏まえ、
政府は6月に入管難民法を改正し、
税金などの悪質な滞納を
永住資格の取り消し要件に追加した。
従って、税金滞納者は、
永住資格が取り消される可能性がある。

これに対し、野党は「根拠がない」、
「外国人を差別的に排除するもの」
反発している。

自治体の運営は住民税によってまかなっている。
ごみ収集・焼却場の運営、治安維持の警察、
消防、道路整備、医療その他を運営する財源は、
住民税だ。
その恩恵を受けるために、
住民税を納付するのは、当然の義務だ。
その義務を果たさないで、恩恵だけ受けるのは、
許されない。
どこをどうすると「根拠がない」と言う意見になるのか不思議だ。

日本人でも納税しない人はいる。
それは、統計学の正規分布から見て、
どうしてもはみ出し者は出て来る。


日本人の4%というのは統計学的に仕方ないことだ。
しかし、外国人の滞納者20%、5倍というのは、
統計上の法則に反した、
意図的なものだと言わざるを得ない。

永住資格とは、日本人と同程度の権利を外国人に認めるものだ。
権利には義務が伴う
義務を果たさない外国人に対しては、
権利を剥奪するのは当然のことだ。

汗水垂らして税金を収めている人に対して、
払わない人に罰則が適用されないのはおかしい。
「正直者が損をする」ような社会を作ってはいけない

もう一つ、↓のような記事もあった。

埼玉県川口市に在留するトルコの少数民族クルド人らが働く
解体工事会社の資材置き場をめぐり、
近隣住民などからの苦情や要望が
過去2年間で70件超にのぼっているという。
廃材などを満載した大型トラックが狭い生活道路を頻繁に出入りし、
住宅の壁や縁石が壊されたり、
トラックの重みで簡易舗装のアスファルト道路が沈み込み、
水道管が破断して水が吹き出すなどの被害が出ている。

最近では、資材置き場に集団で集まり、
大音量の音楽を流す迷惑行為で
警察が出動する騒ぎもあった。
資材置き場にクルド人100人以上が集まり、
20台以上の車両が路上駐車。
大型連休の午後に大音量で中東系の音楽を流して騒いだ。
音は約1キロ離れた場所でも聞こえたという。

近くには特別養護老人ホームや小中学校もある。
住民からの連絡で市議らも駆けつけ、
現場にいたクルド人男性に尋ねたところ
「日本でいう盆踊りのようなものだ」と説明。
路上駐車については
「買い物やトイレにいく車が必要だから、動かせない。
邪魔じゃないからいいだろう」
と移動を拒んだ。
クルド人らはマイクで叫んだり呼びかけたりもしたため
市議が注意すると、日本語を話すリーダー格の男性は
「大金をかけて音響施設を用意したので、
音は絶対に下げない。
音で取り締まりをしてみろ」
と言い放ち、こう続けたという。
「今は日本人の理解が足りないけど、
10年後はわれわれを理解する日が来る」

少し前には、病院でクルド人たちが騒動を起こしたことが報道された。

クルド人が簡単に日本に入国出来るのは、
トルコと日本の間で観光目的でのビザ免除の協定があるからだ。
それで、観光名目で入国し、
期限が過ぎても居座る。
つまり、不法滞在である。
それが発覚しても、難民申請中は、
強制送還が免除されるから、
何度も難民申請する者が出て来る。
最近、その回数が制限された。
また、強制送還しようとすると、
「アバレルヨー」と言って、
飛行機に乗る時暴れる者がいるという。
力で連れ込もうとすると、
意図的に小便をもらして、
旅客機に乗ることが出来なくするという。
滅茶苦茶だ。

クルド人を非難すると、すぐ「ヘイトだ」という人がいる。
そんなことはない。
日本に住むのなら、
日本のルールを守れと言っているだけだ。

この2件、税金の滞納問題とクルド人による騒動は、
深いところでつながっている
日本人社会に根付く「思いやり精神」を理解していないのだ。
日本人の中には、「人に迷惑をかけてはいけない」という文化が
滲み込んでいる。
だから大音響で音楽をかけることを控えるし、
集団での騒動もしない。
電車の乗り降りもちゃんと並ぶし、
来日外国人が日本社会の秩序を驚くほどだ。
それも長い間に日本人全体が社会の中に組み込んだものだ。
税金も保険料も、お互いが支え合うという意識で収めている。
自分が収めなければ、誰かが負担しなければならない、と。
しかし、それを理解しない文化で育った人たちにとっては、
「払わずに済むなら、払わない方が得」
「自分たちの楽しみを優先してどこが悪い」となる。
「郷に入れば郷に従え」というが、
日本に住みたいのなら、
日本の文化を理解することから始めることだ。
「10年後はわれわれを理解するようになる」
ではなく、
「まず、日本の文化を理解せよ」と言いたい。

日本の労働力不足から移民受け入れを唱える人がいるが、
私は反対だ。
日本人の心、日本の文化を理解しない人々が入ってくれば、
日本の良さがなくなってしまう。
なにより、移民を受け入れるということは、
彼らの子孫たちにも責任を持つということなのだ。
島国日本に伝統的に伝わってきた「和」の精神
他の文化の持ち主たちによって損なってはならない。

 


小説『死ねばいい!』

2024年08月22日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

佐伯真理子(76歳)は、
変わり映えのしない毎日に辟易していた。
15年前、保育園園長の仕事を引退した今、
言葉をかわす相手はスーパーの店員か
近所に住むやはり独り身の老女、
年に数回会いに来ては嫌みをいう兄だけだ。
同じことを繰り返すばかりの日々では、
記憶も感情も更新されない。
30年前に夫は出て行って、
離婚届が送られ、
慰謝料代わりに家はもらった。
兄の話では、
離婚成立後、元夫は若い美人と結婚して、子供をもうけたという。
この年で新しいことに挑戦することもできず、
新たな友達も作れない。
貯蓄が減るのも不安で、倹約ばかりの食事も味気ない。
最近、近所の老婆が孤独死し、
自分もこのまま死んでいくのかと、不安の毎日だった。

そんな真理子の生活に変化が起こる。
台風の夜、庭にけがをして倒れていた加代(73歳)を助け、家に泊める。
聞けば、加代は家賃が払えず、アパートを締め出されて、
山口から知り合いを頼って上京したのだという。
ならば、来月の年金支給日までいたらいい、と
しばらく一緒に住むことに。
話す相手がいることがこんなに新鮮かと驚く毎日。
食事も二人だと楽しい。
一緒に買い物もし、散歩をすれば、新しい発見ばかり。
次第に、真理子は加代なしの生活が考えられなくなって来る。

別れの日が近づくと、
加代は自分の故郷の山口に一緒に行こうと提案する。
新幹線の切符の手配、ホテルの予約も
全部加代がやってくれた
久しぶりの旅に心が浮きたつ真理子。

このあたりで、
この話、こんな風に転がっていくのではないか、
と予測したら、見事に的中。
そういう意味で、先が読める話だった。

だいたい、
題名の「死ねばいい! 」に副題として、
「呪った女と暮らします」なんて書いたら、
底割れしてしまう。
もっとも、こうした副題に惹かれて読む人もいるのだろうが。

ただ、独居老女性の孤独や悩みはよく描けていた。
話もテンポ良く展開し、
テレビドラマ化に向いているかもしれない。

ところで、タグに「死ねばいい! 」と書いたら、
「タグ名: 死ねばいいは、受け付けられません」と拒絶された。
そういう言葉は使ってはならないらしい。
題名は受け付けてもらえたから、題名ならいいようだ。
はて。
私はフワちゃんか。

 


ドラマ『地面師たち』

2024年08月21日 23時00分00秒 | 映画関係

[ドラマ紹介]

タイトルバックで、次のような説明がなされる。
「地面師とは、他人の土地の所有者になりすまして、
売却を持ちかけ、偽造書類を使って多額の金をだまし取る
不動産詐欺を行う集団のことである。
地面師詐欺は、リーダー、交渉役、情報屋、
法律担当、偽造書類作成者、なりすましのキャスティングなど
複数人で行われ、
緻密かつ高度な犯罪テクニックが必要とされる」

この説明が全てで、
本作は、不動産詐欺を行う
「地面師」の犯罪を描く。

2017年、オリンピック前で再び土地価格が高騰し始めた東京。
伝説の大物地面師・ハリソン山中を中心として
地面師たちが、
ある不動産会社に詐欺を仕掛けていた。
第1話でその手口を紹介。
広大な土地で、所有者が不在の物件が
売りに出されているという情報を流し、
食いついてきたターゲットに対して、
印鑑証明書、登記事項証明書、固定資産評価証明書、
固定資産税課税証明書、住民票、免許証、保険証、
実印、物件の鍵等を偽造し、
売買交渉現場に所有者のニセモノを送り込み、
巨額な売買代金をせしめると、逃亡。
法務局で印鑑証明の不一致で登記を却下されることにより、
詐欺が発覚する。
偽物の所有者には氏名誕生日、干支などを仕込み、
答えられない質問には
耳に仕込んだミニスピーカーで回答を教える、
等々の手口が紹介される。

ハリソンは次のターゲットとして、100億円ほどの物件を立ち上げる。
高輪に広い駐車場と施設を持つ寺院
所有者は40代の尼さん。
標的となったのは大手ディロッパーの石洋ハウス。
大井町のビル建設が頓挫し、
代替地を求めて、開発事業部部長の青柳隆史が前のめりになっていた。
会社には会長派と社長派の確執もあった。
問題は、購入者とニセの所有者との面会と
施設の内覧時に
尼さんを不在にさせるか。
そして、ニセ所有者の教育。
計画は順調に進んでいるように見えたが、
思わぬ落とし穴が・・・・

これに捜査2課の刑事の捜査が加わる。
かつてハリソンを逮捕寸前まで追い込みながら、
逮捕することができなかった定年間近の刑事・辰は、
新人刑事と共に独自の捜査を開始していた。
刑事は自殺を装って始末されるが、
相棒の刑事は自殺を信じられずに捜査を続ける・・

地面師集団の構成は、
ハリソン山中がリーダーで、
真面目なサラリーマン風の風貌で交渉役をする辻本拓海(つじもとたくみ)、
元司法書士で複数の不動産関係の資格を持つ法律屋の後藤義雄、
地主に成り済ます人物のキャスティングを担当する手配師・稲葉麗子、
適切な土地や物件を仕入れる情報屋の竹下。
身分証や公的証書の偽造を手掛ける長井。
そして、地主の尼になりすますキャスト。

ハリソンは元暴力団幹部で、人を殺すことをためらわない冷酷無比な性格。
辻本拓海は高級デリヘルの送迎ドライバーをしていた時、
ハリソン山中と出会い、


その肝の座ったのを見込まれれて、
地面師にリクルートされ、
右腕として働いている。
かつて父が経営している不動産会社が地面師詐欺に遭い、
父が放火による一家心中を図り、
母親と妻と幼い息子を亡くした過去があり、
そのだました地面師と出会うために地面師になった側面がある。

地面師側、
騙される石洋ハウスの社内事情、
刑事・辰の捜査
を交互に描写し、飽きさせない。
特に、本人確認の場面がスリリング
映画「ダイ・ハード」のあるシーンを使った下りなど、うならせる。

1話終わるたびに次回を観たくなる
良質な連続ドラマだ。
聞けば、Netflixは一話に1億円の製作費を投入したという。
テレビ局のドラマとは桁が違う。
良い作品ができるはずだ。

原作、脚本、演出もさることながら、
キャスティングの妙が成功の大きな要素で、


ハリソンを演ずる豊川悦史、                           拓海を演ずる綾野剛ははまり役。
後藤のピェール瀧、麗子の小池栄子
辰のリリー・フランキー
この人でなければ、という演技。
青柳の山本耕次、竹下の下っ端役のお笑い芸人のアントニーまで
よくぞキャンスティングしたという見事な出來。

2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る
「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている。
事件の舞台となったのは五反田駅から徒歩3分の立地にある
旅館「海喜館」で、
まんまと所有者のなりすましに引っ掛かった。
実は所有者は死亡しており、
相続した2人の男性(所有者の実弟とされる)が所有権を移転、登記していた。
従って、登記所が積水ハウスの売買予約に基づく仮登記を認めず、
この時点で、積水ハウスは詐欺にあったことを認めた。
後に旭化成グループが正式な所有者から
土地を取得しており、
跡地に高層マンションを建設した。
詐欺が成功した要因として、
不動産会社が地面師対策として通常実施する
「知人による確認」を実施しなかったことがあげられる。
取引をしようとする「所有者」の写真を近隣住民や知人に見せる方法で行われる
本人確認手法の一種で、
真の所有者は当旅館で生まれ育っているため、
近隣で知らない者はいないほどであったのにもかかわらず、これを怠った。
積水ハウスのマンション事業部はこの案件を成立させたい一心で、
稟議承認の前に社長に現地を見せ、
社長が飛び越し承認し、
社内では「社長案件」と呼ばれるようになり、
稟議書承認の際、異論を挟むことができなかった。
当時の不動産部長は、「この取引はおかしい」と言い続けたが、
聞かれることはなく、
真の所有者から「売買契約はしていない、仮登記は無効である」
と記載された内容証明郵便が届けられたが、
積水ハウスはこれらを妨害行為と思いこんだ。
(このあたり、ドラマにうまく取り入れられている。) 
偽の所有者役は、自分の誕生日を忘れる、干支を間違えるなどしていた。
現住所の記載を求めた際、番地が書き間違えられていたのに警戒しなかった。
支払いには銀行振込ではなく、
換金が容易で引き出しなどの記録が残らない預金小切手が決済方法として利用された。
事件発覚後、
詐欺グループ10人は逮捕され、
有罪判決を受けた。

2019年に、新庄耕が
本事件を下敷きにした小説を出版。
今年7月、
続編「地面師たち ファイナル・ベッツ」が集英社から刊行。
海外に逃亡したハリソン山中が、
シンガポールで新しい地面師詐欺チームを結成し、
北海道・釧路での200億円不動産詐欺に挑む話だという。

 


品川神社

2024年08月20日 23時00分00秒 | 名所めぐり

先日は、京浜急行の、ここ↓へ。

東京十社の、最後、品川神社に訪問するためです。

ここが正面。

双龍鳥居といい、
左の柱に昇り龍、

右の柱に降り龍が彫刻されています。

 長い階段。                                                                                                                                                   


小高い丘の上に作られたことが分かります。

上から見たところ。                                                                                                 

                                                                                                                                                

途中左側にあるこの階段を登ると、

                                                                                                  富士塚品川富士)に行けます。 

                                        

明治2年(1869)から5年(1872)にかけての築造。
この富士塚に登ることで
本物の富士山に登ったのと同じ御利益があるとする
「富士信仰」に基づくものです。

品川区指定有形民俗文化財

都内の富士塚では最大の高さ約15mあり、

                                                 
こんな急階段を登ると、

頂上。                                                                                                                                                                                                 

                                                 

第一京浜道路を見下ろします。

                                                 

上から見た境内。 

                                       

毎年7月上旬には山開きの神事が行われています。                                                                                  

登りとは異なるルートで下山すると、

                                                 

富士山を神体山として祀る神社、浅間神社の脇に出ます。                                                                                                                                                                            

                                                 

                                                                                                                                               

浅間神社から見上げた品川富士の景観。

                                                 

「ぶじかえる」の石像。

                                                 
平成に入ってから奉納された石像で、
「富士+かえる→ぶじかえる(無事帰る)」という言葉遊びから、
交通の安全を守ってくれるとされています。

正面にある石造りの鳥居。

                                                 

都内では上野東照宮に次いで二番目に古いものです。                                         

                                                                                                                                                                                                                                       

境内には、いろいろながあります。                                                                                                  

                                                                               

庖丁塚。                                                                                                 
使い古した包丁、調理された生き物たちを慰霊するためのもの。                                                                                           調理をなりわいにする人々が多かった、
宿場町としての歴史を感じさせてくれます。

                                                 正面の本殿

                                        今からおよそ800年程前の平安時代末期の文治3年(1187)に、
源頼朝が安房国の洲崎明神(現・千葉県館山市鎮座洲崎神社)の
天比理乃※(口偏に羊)命を当地にお迎えして
海上交通安全祈願成就を祈られたのが創始。

慶長5年(1600)、徳川家康
関ヶ原の戦いへ出陣の際に参拝し戦勝を祈願され、
その後、祈願成就の御礼として仮面(天下一嘗の面)・神輿(葵神輿)などを奉納。

寛永14年(1637)三代将軍徳川家光により                                              
東海寺が建立された際、その鎮守と定められ、
徳川将軍家の庇護を受けました。

老朽化が進み、
昭和39年(1964)、現在の社殿が再建されました。
そして、令和2年(2020)に天皇陛下の御即位を奉祝し、
「御大典記念事業」として、御社殿の修復を行いました。

宝物殿                                                                                                                  

                                                 

不規則な公開日程で、
閉まっていましたが、
徳川家康公が奉納した天下一嘗の面などが収められています。

神楽殿

                                          手水舎(てみずや)。                                            

                                                 

水盤の向こう側に河童の像が 。           

                                                 
「水かけかっぱ」と呼ばれるもので、
水難除け・無病息災を願って、奉納されたもの。

                                                                                                  

右側にある阿那稲荷神社 。 

                                                                                                                                                                                                    

                                                                                                                                                                                                    

この鳥居は右下に続き、                                                                                                                                      

                                             小さな社に。

                                                                                                 社名と並んで、「一粒萬倍」の文字があるのは、                                                                                             

                                                 
ここには、一粒萬倍の泉があり、                                                                                               
掲示には、「米は一粒の種より萬倍の稲穂となる」、
「家門・家業の繁栄を願い、印鑑や銭にこの霊水を注ぐが吉」と、
金運アップがご利益のよう。

                                                                                                         確か、板垣退助墓所があるはずだと

本殿の裏側に回ると、板垣家の墓所が。

                                                 
元々神社とは別なものでしたが、
地理的な関係で神社を通らなければ行けません。

これがお墓。                                                 

                                                                                                 

「板垣死すとも自由は死なず」の碑

                                                 

明治15年(1882 年)4月6日、
岐阜で遊説中に暴漢に襲われ負傷した際、
板垣が口にした「板垣死すとも自由は死せず」を記念するもの。
板垣は、この時を含め、5回暗殺未遂事件に遭っています。

懐かしい百円札。

戦前には50銭札にも。

                                                 

想像以上に大きな神社でした。

これで、「東京十社巡り」は、終了。

                                                

東京十社は、
明治元年(1868)、明治天皇が
新都・東京の安寧と国家の繁栄を御祈願されるために、
都内の十の神社を「准勅祭神社」と定めら、
御勅使が参拝し、祈願をされた場所。


小説『娘が巣立つ朝』

2024年08月18日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

タイトルから、
娘を嫁に出す両親の悲喜こもごもを描く感動作、
かと思ったら、一味違った

高梨家の一人娘・真奈が
婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。
優吾は真奈の大学時代の先輩で、
快活でさわやかな好青年。

しかし、渡辺家には問題があった。
両親共にインフルエンサー
浮世離れした人たちで、
普通のサラリーマン家庭である高梨家には、
理解を越えている。
悪い人ではないが、
無邪気な無神経さで、
経済格差のある結婚は問題、
などと平気で口にする。
優吾の子育てを記録した本はベストセラーで、
智子世代のママはみんな読んでいる。
しかし、優吾はその過去に複雑な思いを抱いている。
その上、渡辺家の実家が資産家で、
二人の結婚式に色々口出しして来る。
神前結婚で、普通の式を望む二人に対して、
キリスト教式でしてほしいと言いだす。
その理由が曾孫たちにヴァージンロードに花を蒔く
フラワーガールをさせたい、
知り合いの歌手にゴスペルを歌わせたいというのだから、
結婚する本人たちを無視。
親戚が口を出すと、ロクなことにならない典型。
更に、出遅れて式場の予約が不調なことから、
伯父の口利きで、都内の超一流ホテルで、
渡辺家の縁戚者が大部分を占める、
大がかりな結婚式になりそうな気配。
ウェディングドレスについても口出ししてきて、
試着会にも乗り出して来る。

真奈は優吾の学生時代の交友関係に触れ、
モテ男だった優吾の元カノの存在など、
いろいろ複雑な思いを抱く。
また、結婚の家計についても考え方がすれ違う。
結婚の準備を進める中で、
互いの価値観の違いが次々と明らかになってくる。

一方、真奈の両親である健一と智子も問題を内包している。
健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、
最近会社での居心地が良くない。

思うようにならない職場の事情、
収入、老いていく身体、
健康への不安、
娘の婚礼と親の介護と己の老後の備えの工面。

週末は三島の介護施設にいる母を見舞っている。
そこで音楽家・リコと知り合い、
昔やっていたギターの夢に火が付き、
いつか心惹かれる関係になる。
智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、
家で不機嫌な健一に辟易している。
介護施設で撮った写真を見せられて、
夫が見たことのない笑顔で写っているのを見て、
リコとの関係を疑う・・・・

という、50代の夫婦の心のすれ違い
娘と婚約者の結婚を巡る問題を並行して、
健一、智子、真奈の3人の視点で
交互に描かれる。

智子の「慈眼施、和顔施、愛語施」(ジゲンセ、ワゲンセ、アイゴセ)についての言葉。                                        「お寺の住職さんに昔、言われたんだって。
慈しみある眼、和やかな顔、愛ある言葉。
学問や大きな収入で貢献できなくても、
ただそれだけで
人は宝に等しいものをまわりに差し上げているんだって。
お母さんは早くに会社を辞めたから、
そんなに収入を得られなかったけど、
この三つを心に留めて、
安らげる家庭を一生懸命作ってきたつもり」

娘の反応。

「『つもり』じゃなくて、
そうだよ、お母さん。
今もそう」

夫への宣言。

「あなた、わかってないようだから、
はっきり言うけど、
不機嫌は立派な暴力。
静かな暴力だから」

伊吹有喜さん初の新聞連載小説。
新潟日報など9紙に連載された。
この方の小説は、
以前、「ミッドナイト・バス」を読んだことがある。
映画化されたので、それも観た。
「ミッドナイト・バス」は山本周五郎賞と直木賞にノミネートされた。
日常の出来事を詳細に積み重ねて綴る作風。

紆余曲折あって、娘の結婚はなんとか成し遂げるが、
父母の関係は予想を越えていた。
これが現代の夫婦の姿か。
                                        映画にでもなりそうな題材。

ウチの娘は未婚だが、
こんな結婚騒動に巻き込まれなくなよかった、
という負け惜しみ的な感慨もわく。
主人公の健一は、いろいろあって、不機嫌で、
その顔色をうかがうことに智子は疲れてしまうのだが、
私はある時、自分が終始上機嫌な人間だと気づいたことがある。
朝起きた時から、夜寝る時まで機嫌がすこぶるいい。
カミさんは、そのことを喜んでいる。
人生いろいろあるが、
笑っても一日、悲しんでも一日。
それなら、笑って暮らす方がいいからね。