茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

利休百首21

2020-06-22 10:59:23 | 利休百首
21.口ひろき茶入の茶をば汲むといふ 狭き口をすくふとぞいふ


 言葉通り。
 口の広い茶入からは抹茶を「汲む」といい、口の狭い茶入からは抹茶を「すくう」という。

 ちなみに、口の広い茶入といえば、大海や鮟鱇など。
 それ以外の形はほとんどの茶入が口が小さいと言えるでしょう。

 しかし、私は、これらの言葉を使い分けていなかった。
 それどころか、茶入からは、抹茶は「すくう」ものだとずーっと思っていた。
 大海や鮟鱇を使うことは少ないし、「汲む」という言葉を聞いた記憶も全くなく。。。


 抹茶を「汲む」って?


 井口海仙先生は、このようにおっしゃっています。

”利休百首”より一部引用******************

口の広い茶入は、さながら碧潭、
口の狭い茶入は、清溜、
「汲む」「すくう」
なんという心にくい言い回し方であろう。
口の狭い茶入は、すくうに回し気味にしなくてはならぬ。
さるにても、われら茶道の先賢たちが、それらから果たして何を汲み、
何をすくわんとしたのであろう。
この歌には、表面的な技巧以外に、もっと深い意味があるように思われる。

**********************


 これを読んでもよくわからず、まずは言葉調べから。

◎ 碧潭 = 深く青々したふち

◎ 清溜 = 清い水溜まり

◎ 汲む =
器物や手のひらなどを使って、水などをすくい取る。
また、ポンプなどの機械によって水などを容器に移し入れる。

◎ すくう =
手のひらやさじなど、くぼんだ形のものを使って、液状・粉末状のものの表面に近い部分を、
えぐるようにして取り出す。
また、手のひらやさじなどで、液体の表面に浮いているものやその中にあるものを、
下から受けるようにして取り出す。

 汲むには、たくさんだけど、浅めに掬い取るイメージがあり、
 すくうには、少しだけれど、深めに掬い(えぐり)取るイメージがある気がした。

 つまり、口の広い茶入は蓋を開けるとそこには深く青々とした淵が広がっているように
見えるから、水を汲みあげるように抹茶を取りだす。

 口の小さい茶入は小さな水溜まりがあるように見える、口が小さい分必要な量を
取り出すには、そこに茶杓をぐっと入れてえぐるように抹茶を取り出す。

 

 こんなイメージだろうか。

 今まで茶入からの抹茶の取り出し方を意識したことなどなかったが、これを読んで、
次回大海を使うときには、意識が変わりそうだ。

 海仙先生がいわれるように、先賢たちが何を汲み、何をすくわんとしたのか。

 未熟な私にはまだくみ取ることができない。


<ご参考>茶入”大海”

[茶入 大海]陶若窯 能勢進作 瀬戸大海茶入 仕覆 菱地紋丸花緞子 共箱


 

岡 大海茶入 笹田有祥 [共箱] 2777 古商品



壱木村陶峰 備前 火襷焼 大海茶入 仕覆付 共箱 茶道具 真作保証品 古商品





<ご参考>茶入”鮟鱇” 

楠廸庵茶道具 茶入 高取焼 鮟鱇型茶入 亀井味楽作 共箱 保証品 コレクション品


 

箕輪一星造 溜塗菊唐草蒔絵鮟鱇茶入【中古】【道】 宗sou




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