茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

相伝稽古

2005-09-06 21:55:54 | 茶道マメ知識
 茶道の許状については随分前にお話したが、いわゆる中級といわれる和巾点までが終ると、これまでのお稽古とは違う“相伝稽古”(そうでんげいこ)というのが始まる。これは、中国から伝わった最初の茶道点前の形を伝える為のお稽古で、師匠が弟子に口伝で直接指導する。本はないので自分で見て、書き取って覚える。お稽古は月に1回だけしかない。

 茶道の中には真行草という3つの形が出てくることはブログを読んでいるとわかって頂けると思うが、相伝稽古にもそれがある。
 相伝の場合はちょっと複雑で、真の真、真の行、真の草、行の真、行の行、行の草、草の真、草の行、草の草、行草の真、行草の行、行草の草の12段があり、更に裏千家には別伝として大円の真、大円の草の2段がある。このうち、“真の真”と“行の真”のお点前は家元だけに伝えられるので、我々は見ることすら叶わない。昔は12段のうち、この“真の真”と“行の真”を除いた十段稽古というのが家元のところであって、指導してもらえたそうだ。今はもうないようだが。

 私が先生のところでお稽古しているのは、“真の行”、“行の行”、“大円の真”、“大円の草”。これが、風炉と炉とあるので全部で8種類。それだけでも結構大変。月に1回しかないお稽古なので、1年に12回しかお稽古はなく、更に炉と風炉では違うので、同じお点前を続けてやっても1年で6回しかできないことになる。一ヵ月後には頭から抜けていることも多いが、それでも、続けていると覚えるもので、随分スムーズにできるようになってきた。茶道点前の最初はここからだったのだと思うと相伝稽古の日はまた気持ちも違ってくる。
 
 裏千家特有の大円の草以外のお点前は、台子(だいす)と呼ばれる天板と地板を4本の柱で繋いだ台に、茶道具全てを飾って行う。この台子の中には陰陽の要素が一杯詰まっていて興味深い。これについてはまた後日。
コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 茶道具における陰陽  風炉... | トップ | 茶道具における陰陽  台子 »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
奥秘十段 (原田 宗桂(桂志郎))
2007-12-12 18:18:43
「行草の真、行草の行、行草の草の12段があり・・・」と記載されていますが、「真之行草」、「行之真草」、「草之真行」です。また、家元自身の相伝は「真之真」で、「行之真」は十段稽古でなされていました。淡々斎が北海道でなくなられた翌年(昭和40年)から毎月二日の十段稽古はなされていません。公開されているのは、「真の行」、「行之行」と明治に円能斎が考案しあt「大円の真」、「大円の草」です。その原型は十段の中に垣間見られます。
ご意見があればharatajp@yahoo.co.jp
返信する
奥秘十段 (m-tamago)
2007-12-13 11:40:27
原田様、こんにちは。
間違いご指摘頂き、ありがとうございます。
真行草があり、それ以外に行草があると先生に伺ったので、勝手に勘違いして上記の通り記載していました。
真の行草、行の真草、草の真行となるのですね。

ということは、十段稽古として一般に公開されていたのは、実際には以下の十一段になりますか?通常お稽古できる、真の行、行の行をのぞくとすると9つになってしまい、十段になりません。十一段を、十段稽古と呼んでいたということでしょうか。
ご教示頂きたく宜しくお願い致します。
真の行、真の草、行の真、行の行、行の草、草の真、草の行、草の草、真の行草、行の真草、草の真行


読者の皆さま
間違っていたようですので、お詫びし、訂正いたします。

返信する
十段 (原田 宗桂(桂志郎))
2007-12-14 00:24:58
「真之真」から「草之草」まで12段あります。「真之真」は家元相伝で秘伝です。公開されているのは「真之行」と「行之行」で、公開されている以外のものを十段といっています。実際に昭和40年以前で裏千家家元で毎月二日に行われていたのは、十段と言って「真之真」を除いた九段が指導されていました。しかしながら、すべてを完璧にお点前をできる方はほとんどいません
返信する
十段 (m-tamago)
2007-12-15 17:59:16
原田様、こんばんは。
真之真を含めた公開されていないものを十段、そのうち一般に稽古されていたのは九段なのですね。
大変勉強になりました。ありがとうございました。

二段だけでもあたふたなのに、十段とは聞くだけで気が遠くなります。風炉と炉があるから20通り。。。。それだけのものを作り上げたというのもすごいですね。全てをひも解いたら何がみえてくるのでしょうか。
返信する
十段の奥に茶道の別世界あり (原田)
2007-12-17 00:56:14
「十段の奥に茶道の別世界あり」と今では感じております。十段を始めたのは昭和54年ですが、本格的に自分自身のために感じるようになったのは、2年ほどたってからです。それ以後、ほとんど毎週実践しましたが、最初は順序、次に各手前の違いを認識、そしてその後、一つの点前をしている時、他の点前が同時進行で感じるようになり、炉も風炉も各点前が同一次元で進行するようになります。序破急と共に、道具の本当意味においての扱いも体得できるようになります。例えば、湯水一杓を茶碗に入れるときでも、捨て始めてから捨てきるまでに、生まれ出づる苦しさから躍動する時間的流れ、最後の一滴の瞬間の臨終不乱まで、人生の生き様が、一杓の湯水を捨てる中に表現できるようになります。しかしながら、納得のいく境地には数多く出会えません。そのような世界が茶道十段を通して茶道の中にあることを知ることができます。奥深いものです。
返信する
別世界 (m-tamago)
2007-12-19 08:40:04
原田様、こんにちは。
点前が同時進行で感じる、炉も風炉も同一次元で進行する、そのような境地、言葉で伺うとさもありなんと思いながら、実際には一体どんなと思います。
自分もいつかそのような体験ができるよう精進したいと思います。
お茶には本当に無限大の世界が広がっていますね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

茶道マメ知識」カテゴリの最新記事