塩野義は2月7日、現在行っている治験のごく初期に集まったデータを公表した。対象人数が少ないため統計学的に有効なデータではないが、投与群の症状は偽薬群(効き目のない薬を服用した人)に比べて早く改善する傾向であることを確認している。「次に行っている(より大規模な)治験でこの結果を再確認することができれば、速やかに(厚労省への承認を)申請する」(手代木功社長)という。
それだけに、塩野義が行う大規模な治験で明確な症状改善効果を示せれば、大きな特長と。治験は初期にはデルタ株、より大規模な治験はオミクロン株の流行時期に行われている。
塩野義が測定するのは、感染力がある「生きたウイルス」の変化量だ。この指標が一定量を下回る「陰性」となれば、もう他人へは感染させないことを意味する。薬の服用で陰性になるまでの日数を早めることができれば、その分だけ感染者の隔離期間も短くできると。