
「あかのまんま」・・・日本大歳時記(講談社)より
野原や路傍に多い犬蓼の花である。女児がままごと遊びに赤飯になぞらえる。鄙びた貧しい花ながらどこか捨てがたい俳趣ともいうべきものが漂っている。
此の辺の道はよく知り赤のまま 虚子
「あかのまんま」が花の少ないこの時期にあって華やいでいる。最初の群生写真は手賀沼近くの田んぼの畦道に咲いていたものだが、近くの公園でこれを好んで食べている鳥に出会った。
この公園に住み着いているカルガモと思われるが、人の気配を気にするよりも食欲が勝っていて私が2m以内に近寄っても逃げない。花を食べる鳥は面白いのでシャッターを切った。シャッター音も気にならないようだった。
下の写真がそれで食べられている「あかのまんま」が揺れて写っている。この草むらにはほかに2匹居て同じように「あかのまんま」だけを選んで食べていた。

最後の写真が「あかのまんま」をばらしたものである。小さい花の集まりだが、拡大すると一個一個が美しく、普段は見ることのない「美」の集合体でもあった。ばらした写真の右側に中身の黒く見えるものが一個写っているが、これが種である。これが彼らの糧になるのだろうことは想像できたが、「花を食べる鴨」は「種を食べる鴨」という真実を知りえた。
