
気がつけば8月、各地暑い日が続いています。仙台の犬たちは元気にしてるかな
私は先日、熊本での犬のボランティア先が決まった、って喜んでいたんだけど、
実際に行ってみたところ、通うのに朝、現場まで1時間半以上かかってしまうのでした。
長く続けていくには難しいことと、ドッグランのお店がやっている保護活動だったので、
常時店員さんが側にいて、犬たちの環境も良く(ドッグランで遊ばせてもらってる)、
「これはなんとしてでも私が通わねば」という感じでなかったため、
せっかく見つけたご縁でしたが、今回は、もう少し近くで自分に出来ることを探すことにしました。
一緒に喜んでくれた皆さん、本当にごめんなさい。
ブログをサボっていた間のできごと。
九州北部豪雨で被害に遭った熊本市内と、阿蘇市内へ、復旧のお手伝いに行ってきました。
阿蘇市内の現場は、宮城や熊本市内で目にした、津波や水害の被災地とはまた様相が異なる、
初めて目の当たりにする土石流の被害でした。
土砂崩れで山から転がり落ちてきたと思われる、巨大な大岩に押しつぶされた家。
村には一人暮らしのお年寄りも多いそうで、ここもまだまだ人出が必要です。
また、仙台で受験して一次試験を合格した森林セラピーガイド、セラピーツアーがどんなものか、
勉強するべく、先日ひとりで水上村でのツアーに参加してきました。
水上村では、清水国明さんの講演や、初めてのカヌー体験など、
五感のすべてをフル稼働させられる、貴重な1泊2日を過ごすことが出来ました。(写真中央、清水国明さん)
熊本県の水上村で行われた講演で、清水さんは東日本大震災のことに触れられました。
遠く離れた熊本で、しかも震災とはまったく関係ないテーマでの講演だったにも関わらず、お話してくださった姿を見て、
「このことは伝えよう」とあらかじめ決めて、九州にいらしたんだ、と感じました。
以下は、講演を聴いた翌日に別のところで私が書いたものなのですが、
時間が経たないうちに書いたものの方が、感想がリアルに伝わる気がするので、そのまま転載します。
昨日、熊本県内であるイベントに参加してきて、清水国明さんの講演を聴きました。
自然の中で生きることの大切さ、というテーマでの講演だったのですが、
お話の中に、東日本大震災のことが出てきました。
清水さんは悪性ガンの手術に成功され、
いまも定期的に検査を続けられているそうなのですが、
「この助けられた命、なんのためだろう」と考えていたとき、東日本大震災が起きた。
普段から子供たちのための自然学校などを運営されている清水さんはすぐに、
被災地の子供受け入れや支援物資の搬入に動いたが、気仙沼で出会ったある子供に、
「なにが欲しい?なんでも欲しいものを言ってごらん」と聞いたところ、
なにも要らない、という。「遠慮せずに言ってごらん」と尚も言うと、
その子が言った言葉は、
「お母さんを探して」。
ここで清水さんは涙を流して、言葉に詰まり、私も涙をこらえられませんでした。
「いまでも支援活動を続けている、と言うと、
清水さん、まだやってるんですか、と言われることもある、
でもそんな1年や2年でどうにかなるレベルの災害じゃないんだ。これからも支援を続けて行くつもりです。
そのために、この命は助けられたかもしれない」と話されていました。
観客はすべて熊本県民で、たぶん私ひとり、東北を知っている人間でしたが、
他の観客のひとたちも、目頭を押さえていました。
遠く離れた九州での、震災と関係ない講演でも、
なんとか東日本の現状を伝えようとしている清水さんの強い気持ちを感じました。
講演の後、観客のひとりの女性(熊本県民)と話したところ、彼女が言うには、
「熊本ははっきり言って、これまで災害の殆どなかった地域。
時々阿蘇が噴火しても、それでも大きな被害になったり、地震があったりすることはない。
だから東日本のときも、映像では見ていても、
はっきりいってその後は、 ピンときてないひとが多かったと思う。
でも今回、大きな水害があって初めて、熊本のひとは、東北のひとたちはどんなに大変だったんだろう、と
感じた人がたくさんいると思う」
私はまだ熊本にきて1ヶ月で、話をする相手もそれほどいませんが、
機会があるごとに私も、東北の現状を伝えるようにしています。
まだいまも大変なんだ、ということが少しでも伝われば。
伝えて知ってもらうことがやっぱり大切なんだ、と
清水さんのお話を聴きながらも、 改めて感じました。
それから昨日、今日は熊本市内で、「火の国まつり」が開催されました。
特に土曜日、5000人が参加した「おてもやん総踊り」は壮観で、市内中心部にはたくさんの人が溢れました。
宮城から熊本にきてもうすぐ1ヶ月が経ちます。
熊本は毎日、空が青いです。
市街地をすこし離れると、火の国と呼ばれる所以である多くの温泉があり、いま田んぼは緑色の海です。
緑と空の青と、真っ白な入道雲のコントラスト、とても空が広く近く、手を伸ばせば「宙」に届きそうな気がします。
仙台は「杜の都」、熊本は「森の都」だそうですが、その意味が良く分かる。どこか都会的な仙台と比べて、
熊本の「森」はもっと原始的で、自然の生命力の方が人間よりも遥かに強く感じる。自然優位な感じがします。
長い冬から目覚めた春、夏を愛で、心を潤し、両手でそっと包み込みたいような繊細さを感じる東北の自然と比べて、
熊本のそれは、自然の下で人間がなにをしようと(あくまで印象ですが)、びくともしないようなスケールの大きさ。
熊本は「夏は暑く、冬は寒く、降ればどしゃ降り」なんだそうですが、
陽炎揺らめくほどに暑い風が吹き、私達は時折めまいを感じるほどであっても、平然と涼しい顔をしている熊本の山。
それから、熊本のひとは熊本にとても誇りを持っているのを感じます。
謙遜する言葉はあまり聞かない。こんないいところがある、こんな素敵なところもあるよ、と
故郷を愛する気持ちに溢れているのが熊本のひと、という印象です。
火の国祭りは、そんな「熱い熊本」の一丸さ、郷土愛をびしびし感じた夜でした。
ここで自分はなにをするのか、なにを見て、なにを感じて、どんなものを吸収していけるか。
ぜんぶ自分にかかっている。
自分で動かなければなにも始まらないし、なんにもわからない。
時々迷って、不安になって、立ち止まることや泣きたくなることがあるけれど、自分を信じよう。
自分の足で行って、自分の目で見て、自分の五感で感じる。
これからもそれをモットーに、しっかり立って歩きたい。
P.S. コメントのお返事ですが、いずれちゃんとお返事します、って前に書いたんだけど、
やっぱりどうも手がまわりそうにありません、ごめんなさい。
でもいただいたコメントは、すぐにぜんぶ読んでます。ありがとう。
お返事は出来ないけれど、熊本からきのこのいっぱいの愛を送ります!
熱い夏、素敵な夏になりますように
きのこさんの火の国の森の都熊本で今後の更なる発展が楽しみです。