犬とハナウタ

山歩きブログだった「山とハナウタ」改め「犬とハナウタ」として再スタート。雑種犬ゆめとの暮らしや日々のことなど。

【1】阿蘇・中岳~【2】高岳

2012-08-13 | 九州の山歩き

九州に来て1ヶ月、ようやくこちらで念願の初登山に行ってきました。
阿蘇、中岳および高岳。阿蘇山という山はありません。
「阿蘇山」は、周囲120キロにも及ぶカルデラを抱く火山群の総称で、カルデラの規模では世界一だと言われています。

計画では、日ノ尾峠登山口というところから登るルートを予定していましたが、
細い舗装道を登っていくと、途中から土砂崩れのため、登山口まで行けず。

そこで、仙酔渓登山口まで引き返し、仙酔渓からの中岳~高岳周回コースになりました。
在は土砂崩れで通行出来なかった日ノ尾峠登山口ですが、
場所が分かりづらかったので、今後行かれる方のためにナビしておくと、
熊本市内から57号線で阿蘇に入り、右手に「宮地駅」という駅が出てきます。
「宮地駅前」という交差点がありますが、そこを直進し、
つぶれたパチンコ屋さん(手前)と、ナフコというお店の間の信号を右折、
信号を渡ってどんどこいくと、登山口の案内標識が出ています。
二又路になっていますが、左側の路を登っていきます。
今後の通行情報を確認した上でご利用ください。

仙酔渓登山口は、57号線沿いに大きな標識があるので、すぐわかります。
大きな駐車場と売店があり、ロープウェイ乗り場跡がありますが、ロープウェイは現在は運行されていません。

火山ガスへの注意喚起の標識がたくさん立っています。

売店を出てすぐ右手の登山口から、運行していないロープウェイと平行するようにして登っていきます。
ここは整備された階段状の登山道で、歩きやすいし、危険な個所はありません。
が、うちは6月初めの安達太良山以来、2カ月ぶりの登山だったので、なまった体には最初、コタエました。

1時間ほど登っていくと、ロープウェイ駅の跡があります。

 

そこから上に登っていくと、中岳の火口縁に出る。そこまで遊歩道らしき道が続いていますが、
「危険、立ち入り禁止」と書かれた看板と、ロープが張られている。
でも登山者たちは無視してここをあがっていく、ととある場所で聞いたので、ロープをまたいで登っていく。
上のほうに小屋のようなものが立っている地点が、ここの一番上(火口縁)です。
あそこまで登ればどんな景色が待っているのか、まったく未知の世界。ドキドキしながら一歩一歩。

登りきるとそこには、大きく口を開けた中岳が、もくもくと噴煙をあげて燃えていました。
坂本冬実『火の国の女』の歌詞に出てくる、「燃える中岳」とはこれのことだよー。

私のデジカメでは全景が収まりきらない。 どどーんとそこには火山が目の前で、燃えているのでした。
私が覗き込んでいるのは、煙の出てるすぐ縁じゃなくて(たぶんそんなとこ行ったら捕まる?)、もっとずっと手前の縁です。
下の写真の火口の縁に私をあてはめるとしたら、私は0.1ミリくらいの大きさか?

さて、ここから稜線を歩いて、中岳山頂を経由し、高岳へ向かいます。
ほんとなら、わくわく心踊る稜線歩き、・・・なのですが、まあわくわくしなかったわけではないけれども、
この火口縁に来るまでに、相棒の夫とちょっとした喧嘩をしたため、ここから中岳~高岳までほぼ単独行動です。
この稜線を歩いていくと、中岳山頂だよ。 まだあそこに夫の姿が確認出来る。

さて、どんどん行ってしまうよー(苦笑) 豆粒大になりましたね。このあと、さーらーに見えなくなります。

いいさ、一人で登ってやる。今日の登山は単独行だ、ふん。 下は、稜線をかなり歩いてきた所なのがわかるでしょうか。もうすぐてっぺん。

中岳山頂(1506M)。 今日は仏頂面なので後ろ向きです。ご了承ください。それでも、山頂は気持ちいいの。嬉しいの。

ここからまた稜線を30分ほど歩いて、高岳山頂に向かいます。途中からすこし岩場が多くなってきます。

高岳(1592M)山頂。高岳の標高は「ひごノくに」と覚えるそうです。なるほど。
ここまで、登り始め(仙酔渓駐車場)から3時間です。

 

曇り空が突然晴れて、青空と陽射しが降り注ぐ、気分屋なお天気。青空がのぞくと、心の霧まで晴れるように嬉しい。

  

高岳から仙酔渓駐車場まで下山します。このルートはとても美しいけれど、足場が非常に悪いです。
前半は砂利でずるずる滑り、中盤はつるつるの溶岩で、時折ぱらつく雨に、より滑りやすくなり、滑落・転倒事故の危険大です。
ここから先は喧嘩しているわけにもいかず、一歩一歩慎重に。
私は山では常にカメラを持っているので、自分で自分は撮れないので、ここは仕方なく(?)夫の姿を追ってみましょう。
被写体がいると、下山ルートの様子がわかりやすくなります。
なんて言うと「俺は君のブログのために登ってるんじゃない」とまた怒られそうですけど。
さて、下のほうに見える、白い建物の辺りまで下山していきます。

照りつける強烈な日差しと、時折ぱらつく小雨の繰り返しです。下山は2時間30分でした。

ほえー、気持ちいいです~

ザイルが張られた鎖場。足を滑らせたらどこまでも、ごろん、ごつん、がつんと下まで落ちて行きます。
下山時間は短くなるでしょうが、血だらけになりますので、慎重にいきましょう。

 

この花の写真を撮っている時に、雨で濡れた岩に足を滑らせて、夫が頭から転倒した。
オリンピック選手並みに、巧みに一回転して無事だったけど、あわや滑落事故でした。無事だったけど、かなり擦り傷を負いました。
このルートは登りもかなり苦労すると思うけど、下山時は疲労で足の自由も効かなくなっているので、相当慎重に降りましょう。

  

私が、「怪我して動けなくなったら、私が引きずって降りるよ。引きずったら血だらけかー(笑)」と言ったら、
「下まで転がす気だろう、この岩場で」と夫に嫌味を言われる。
なにはともあれ、無事に下まで降りなければ。山での喧嘩は命取りなので、出来るだけ早めにやめましょう。

  

かなり降りてきたね、もうちょっと。登ったからには自力で下まで降りなければならない。
最後の最後まで気を抜く箇所がありません、慎重に下まで降りましょう。

 山を歩いていると、いろんなことを考えます。
ちょうど、日記や文章を書いていると、混乱していた頭の中がすこし整理されるみたいに。
今回は単独の時間も多かったので、余計にいろんなことを考えました。
山で考えたことがそのまま正解かどうかはわからない。
でも、家の中にいただけでは感じられなかったなにかを、体で「わかる」という瞬間が、ある。
今回はすっかりクリアにはならなかったけど、この感覚を求めて、これからも、たくさん山を歩きたい、と思います。

 

 


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 待ってたよ、あかつき! | トップ | 天草夏景 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
羨ましい (すずめ)
2012-08-13 22:15:06
羨ましく見させていただきました
御馳走様です
阿蘇の外輪山を走破するだけでも数年かかりそうですね
今後のブログを楽しみにしています
返信する
素晴らしい (shimataka)
2012-08-14 08:50:14
雰囲気ですね

熊本でもアクティブに!

元気にお過ごし下さい~



返信する
心地よい汗 (クマクマ)
2012-08-14 16:02:49
夏でも、山の上は、かなり涼しいのですか?
登って、降って、汗もかくだろうけど、きっと清々しい汗で、気分爽快なんだろうな。
私は、150匹ボランティアに、お盆の3日間(14・15・16)、自転車で通います。
彼らが、お腹いっぱいになり、掃除して、少しこざっぱりしたあの犬舎で、扇風機のかぜを受けて、ウトウトして眠る姿を見ると、どんなに暑くて、全身汚くなっても、幸せな気持ちでいっぱいになります。
まだまだ、暑さは続きそうです。どうぞ、お体を大切にお過ごしくださいね。
返信する

コメントを投稿