海の見えるカフェにいった。
熊本に来てから間もない頃の記事に、読者の方が、
「黎明というお店、おすすめですよ」とコメントくださって、それからずっと気になっていた。
「今日はまさにいくべき日だ」 というような天気だったので、いってきた。
行ってみたら、前に訪れた、有明海苔やみかんを安く売っているお店(海の駅 塩屋)のほんのすぐ先だった。
海沿いの道はカーブが多くて、先まで見えなかった。
うちの愛車ストリームはとても偉い。
初めての場所でも、目的地を設定すれば、迷うことなくその場所まで私を連れて行く。
あっちへ曲がれ、そこを右だ、と私は言われるままにそれに従う。
「お多福豆」とか、「柴犬研究所」とか、「なぬ!?」 と気になる看板が一瞬目に入るけど、
片側一車線の細いカーブをいくつも通過するのに必死で寄り道する余裕はない。
そして気が付くと、「目的地です」と言われ、私は海の見えるカフェに車を停めた。
私はストリームを時々「相棒」と呼んでいるけれど、とんでもない。
「連れて行っていただいている」 のであった。
お店に入るとガラスの向こうに広がる、海。
「外のお席も気持ちいいですよ」と勧められるに任せ、テラス席でケーキセットをいただいた。
米粉100%のシフォンケーキは甘くていい香りがした。
すこし風があったのでひざかけを貸してくださったけど、陽射しを背に浴びているうちに、
居眠りするほどぽかぽかしてきて、海日和だった。太陽は海から照らす。
陽射しを背に浴びて、ということは海に背を向けているのだけど、どうしてかというと、
私は本を読むためのカフェを探していたので、直射日光の下では活字を読みづらい。
だから、海をみたいときは振り返り、満足すると、また海に背を向けてページをめくった。
潮の香りがした。
防波堤にぢゃぢゃん、ぢゃぢゃん、と小さな波がぶつかる音。
ウグイスの声。
貨物船の汽笛。
ポッポッポッポッ小型船の音。
珈琲はおかわりした。
クアラルンプールに移り住んだ夫婦の話を読んでいた。
クアラルンプールに行ったことがないけど、知らない国に行って、初めて入るカフェのテラスで本を読んだら、
こんな気持ちがするだろう。ここはクアラルンプールだ。でも海の向こうに、眉山と普賢岳が霞んで見えた。
海の上でたったひとり、のおじさん。でもこんなに海猫に囲まれて、淋しくはないだろう。
海猫もおじさんを好きだろう。こんなに寄ってくるんだもの。
ストリームさんに連れて帰ってもらう途中、路肩に車を停めて、海辺に降りてみた。
岩の上にはちっちゃい、白い貝みたいなのがいっぱいくっついていて、「ひー」 と言いながら、でも水際までいってみたかった。
きらきら光る干潟に、なにかいっぱいうごめいている。
それはいーっぱいの、蟹だった。蟹はやっぱり横向きに歩いていた。
蟹が歩いている光景を、なんだかとてもひさしぶりに見た。
でも蟹とは、それ以上の接点がない。
きっとこれ以上近づいたら、穴の中に隠れてしまうだろう。いっせいに。
誰かにいっせいに逃げられるのはきっと気持ちのいいものではないので、私は引き返して、ストリームさんに連れて帰ってもらった。
週末のみの営業ですがこちらも素敵なカフェです。
熊本滞在中ぜひ行ってみて下さい!
ぜひいってみたいです、
ありがとうございます、楽しみです
行ったらUPさせていただきますね