白石川のほとりにある、ふたつの山を歩いてきました。
傾城森は、「山伏森」と「傾城森」がひっそりと隣りあっています。
ふたつとも登って降りても1時間半くらい。山というより、森歩きです。
県南にある白石市ですが、ここ七ヶ宿は蔵王山麓で、他と比べて寒い。
今日は青空にも恵まれず、往路は小雨も降っていて、気温6度、蕾も若芽もまだまだ時間がかかりそうでした。
傾城森の近くには日本ダム百選でもある、広大な七ヶ宿ダムがありますが、
このダムの湖底に沈んだ村の小学校で、昔は遠足などで登った山なのだそうです。
白石川から望む双峰。低い方が山伏森、左の高い方が傾城森です。
この名前を聞けば、「日文」系のひとであれば、きっとピンとくると思いますが、
「傾城」とは「美女」とか「遊女」という意味です。
語源は漢書の「一顧傾人城 再顧傾人国」から、傾国ともいい、
「君主が夢中になって国が滅びるほどの絶世の美女」をいいます。
なにか秘密の香りを感じるとおり、このふたつの森には悲恋の伝説がありました。
登山口の最初は吊り橋があり、白石川を渡って森に入りますが、吊り橋の手前に、悲恋のあらましが書かれていました。
「今からおよそ三百年前の話です。
冬のある日の夕暮れ時、修験者と気品のある美女がこの辺りにたどり着きました。
男は仏道修行中の山伏、女は傾城の誉れ高い京都祇園の名妓。
楼主に抱えられて自由のない芸妓と、厳しい掟に縛られた山伏との恋は世間に認められるはずもなく、
二人は手を取って京都を逃げだし長旅の末この地にたどり着いたのです。
二人はさっそく草庵を結んで住み、人目を忍びながらも楽しい日々を送りました。しかし、それもつかの間のこと…」
以下かいつまみますと、女は重病にかかり、山伏は懸命に看病しますが、次第に生活に困窮するようになり、
二人は将来をはかなんで、谷に身を投げて心中してしまうという哀しい結末です。
お天気が良くなかったので、なんとなく哀しげな森の写真なのが残念です。
緑が芽吹き、花が咲き、青空の下であれば、またまったく違った印象を受ける森だろうと思いました。
山伏森と比べると、S字カーブの登山道が続く傾城森はどこか女性的、
でも山伏森より標高も高いし、傾斜もきついです。
シジュウカラやウグイス、ヒガラなど、野鳥の声に包まれながらのんびり歩きます。
ところどころ、先日の爆弾低気圧の影響で倒木があり、簡単にはたどり着けない傾城森山頂。
傾城森山頂から。
二人がまたどこかで逢えて、ひっそりと恋が成就しますように、と 祠に小石をおいてきました。
帰りに通った亘理町では、桜が五分咲き。レンギョウは満開、青々した芝生では子供たちが野球の練習で走り回り、
犬が散歩し、ヒメオドリコソウやホトケノザが咲き乱れていました。
大河原の一目千本桜は、来週末くらいが見ごろかな、と思いました。たくさんの人出で賑わうことでしょう
傾城森位置確認
N 37°-58′-56″
E 140°-27′-17″
きのこさんの写真と素晴らしい案内を見て地図を照らし合せると自分が行ったような気分になります。
また山行きのブログを楽しみにしてます。
ご無沙汰しています。
とても悲しいお話ですね
いろんなお花が咲き乱れて、
きっとすっごくきれいだったでしょうね
わたしも目が見えたら
ぜひ見てみたかったです
ではまた楽しい山登りのお話、
期待しています