さて、往生岳があるつもりで悠々と杵島岳(1326M)を一周し、実は往生岳はお隣だったことを知り、
午後1時半をまわった頃に、杵島岳山頂から標高1157Mの鞍部に下り、往生岳(1260M)に登り返す。
草千里駐車場から遊歩道を歩くこと20分、取りつき地点から杵島岳山頂まで40分、
私の場合、写真を撮り撮り登るので、さらに大幅に時間がかかった。
盛り塩のような形で、杵島岳よりすこし眼下に佇む往生岳。
高さからしてそんなに時間はかからないだろうとは目算できたものの、私ひとりで、しかも他に往生岳に向かっている登山者が
ひとりもいない中、少々不安も覚えながらカヤ野を下っていく。
踏み跡がはっきりしないので、殆ど滑り降りるようにして鞍部まで下る。
そして斜面に白く見えている道(下写真)を山頂まで登っていく。
実際、往生岳自体はたいしたことはなくて、20分ほどで広い山頂についた。
がっかりしたのは山頂標識が見当たらなかったこと。中央に、石が積んであるだけ。
でも情報を検索すると、山頂から10分ほど北にある三等三角点に設置されている、とある。見つけられなくて残念。
だーれもいない小さな山のてっぺんにひとりきり。
往生岳山頂は広かった。自分を圧迫するものはなんにもない。飛びあがれば、空しかない。
でも草の上に寝転がれば、普段は気付かないような小さな命に触れ合う。
私が普段知らない、こんな山の上のほうで、彼らは生きてる。
でもいつまでも寝っ転がってもいられなかった。時計は午後2時を過ぎた。
さて、下った、ということは必然的に登る必要があるわけで、行きに滑り降りてきた踏み跡のはっきりしない斜面を、
今度は手でつかむようにしてよじ登る。下の写真は、往生岳と杵島岳の鞍部から、これから登り返す杵島岳を見上げたところ。
杵島岳のすそをぐるっとまわりこめば、向こうの登山口に着くのじゃないか・・・とちらっと思ったけど、
よくわからないので、ここはもと来た道を素直に戻る。
杵島岳中腹から、右手にさっきいた往生岳を振り返る。遠くから牛さんの嘶きが聴こえる。
杵島岳の縁にたどり着き、二度目の御鉢を一周して山頂標識まで戻り、なにごともなく15時過ぎに、下山した。
登山で15時を過ぎるというのは、かなり遅い。実際、その時間帯、往生岳にも杵島岳にも私以外誰もいなくなっていた。
下調べ不足で、「ちょっと散歩」のつもりで出てきてしまったので、今回はとても反省点が多い。
これで途中、悪天候に見舞われでもしたら、どうしようもなかった。
ところで、「ニュー草千里」の一階に、とてもこじゃれたカフェが出来ていて、車に乗る前に、阿蘇ミルクを使ったジェラートを食べた。
テラスの窓からは草千里ヶ浜のシンボル、烏帽子岳が誇らしげに見える。
帰り路の草千里。
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