アンナガーデン（福島県）

梅雨？の晴れ間。青空の下、福島へピザを食べに行った。

アンナガーデン

福島県福島市荒井字横塚3-182

福島西インターをおりて、約10分。

115号線の先には、のびやかな山容を誇る吾妻山系が構える。

中央に見えているのが「吾妻富士」だ。

一切経山は今日も、火山煙を吹き上げていた。

途中、「新時代のエネルギーは原子力」と大きく書かれた看板が目に入る。

大きな空と、緑溢れた大好きなこの土地へ降り立った高揚感に、暗い影を落とす。

アンナガーデンは吾妻山麓にある一角で、

緑に囲まれた森の中に、小さな町のように、

教会や、いろんなお店が点在している。

ランチのピザを食べた「ピッツァ」もそのひとつ。

「今日のランチ」

きのことモッツァレラの味噌ピザ。

サラダとドリンク付きで、1000円也。

ほんのり甘くておいしいピザを食べた後、

アンナガーデン内の雑貨屋さんをうろうろする。

可愛い小物や、器がいっぱいで、いくら見ていても飽きない。

あるお店の方Ａさんと話をした。

仙台から来た、と言うと、

「仙台は津波で大変だったねえ」と心配される。

いえ、うちは海から離れていたので大丈夫でした、

それはなにより、

いやでも、いつまで経っても気持ちは明るくならないもので、

そうですね、・・・そして、

それにしても、福島は何重にも大変なことで、という話になる。

「そうね、福島はなんたって原発の問題があるから」

とＡさん。

 

平日にしては駐車場には30台余りの車が停まっており、

楽しげな女性客をたくさん見かけた。

そのことを言うと、

「でも、お客さんは多い時の10分の１になってしまったよ」

と仰った。

駐車場に停まっている車で、福島ナンバーでないのは、

私の車だけだった。

「福島へ来たら、みんな長袖を着たりしているのかな、と思っていたけど、

みんな半袖ですね」と言うと、

「みんな原発馴れしちゃってるんだよね。

低線被曝で今後、どういう影響が出るか、誰もわからないしね。

私達はいいけど、子供たちがね」

とＡさん。

「でも仕方ないよね。多数決の民主主義で決めたことなんだから」

その後もＡさんは二度、「仕方ないよね」と諦め気味に仰った。

日本中のだれもが今きっと、心から笑うことが出来ないでいる。

最高気温33度の今日、その町では半袖、またはタンクトップの人を多く見かけた。

勿論私もノースリーブで出かけたが、福島に着いてみるまでは、

現地でどういう状況になっているのか、わからなかった。

でも町では普通に、赤ちゃんを抱いたお母さんが散歩しており、

幼稚園バスが、子供たちをたくさん乗せてすれ違い、

ピザ屋さんでは薄着の女性客が食事をしながら、

高らかな笑い声をあげていた。

  

私は夫といくつか福島の山にも登って、福島が大好き。

（磐梯山、一切経山、西吾妻山、西大てん,霊山）

自分の目で見て、なにがどうなのか、感じたいと思った。

そして私が遊び歩くことで、僅少ながら福島に恩返しできるなら嬉しい。

美しい吾妻山麓は、震災以前に来た時と、なにひとつ変わらないように見えた。

 

ただ、仙台の泉インターを入る時は、

「災害支援車輛・被災者車輛は一般レーンへ」

となっていたが、

福島西インターでは、

「災害支援車輛・被災者車輛・原発避難」となっていて、

けして原発問題が、悪い夢なんかではなかったことを感じさせられる。

 

アンナガーデンの「ざくろ館」で買ったお人形。

525円也。

フルーツ王国の福島らしく、左手に果物、レモンの帽子。

そして右手に、小鳥をのせている。