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今年も、仙台の街が音楽で満たされた。
街じゅうがステージと化し、ジャズ、スカパラ、ゴスペル、ビックバンドなど、
どこを歩いても音楽が聴こえる二日間。
今年のジャズフェスは感慨深い。
今年もこの街で、音楽に体を揺らすことが出来る喜び、そして多くの人々の悲しみ。
道端に腰掛けて、見知らぬひとと交わす話題の中にも、あの日のこと。
「あの日はどうでした、お家は大丈夫でしたか」
「うちの犬は、いまだに余震の度におびえて泣くの」
見知らぬひとであっても、行き交う人の誰もが、「お互い無事でよかった」という共通点。
そして澱のように心に潜んだままの、言いようのない悲哀と。
でも立ち止まってはいられない。
日々の日常へと戻っていくことへの安堵と、罪悪感。揺れ動く気持ちはたぶん、皆おなじ。
11日午後2時46分。あの日からちょうど半年。
2時46分、全会場で一斉に、「A(ラ)」の音が響き渡り、演奏者も聴衆も揃って、黙とうを捧げた。
「A(ラ)」の音は、人間の心の中に深く響く音として、お寺の鐘の音や仏壇の鐘の音として鳴らされてきたという。
また、赤ちゃんがこの世に生れ出た時の泣き声もこの音なのだそうだ。
震災で亡くなられた人たちへの鎮魂、そしてこれからも生きて行く人たちの祈り。静寂の中にあふれる。
「仙台、ともに前へ」
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