相変わらず日中は残暑厳しいですね
そんな中でも秋の気配を少しずつ感じます
ススキって下ばかり向いて儚げに風に揺れている
イメージが強かったのですがこれにはハッとしました
さて入選句の続きです
「水中花」の句意はと言うと
高校卒業後就職した私は電車で通っていました
電車の中では同級生の顔なじみもあり
退勤後も同じ顔ぶれのこともありました
私のことですからぺちゃくちゃお喋り
男女関係なくそうしていました
或る日
同級生の男子から
「今度の花火大会一緒に観にいこう」って誘われました
皆も一緒だと思っていたのですが
どうやら彼は私だけを誘ったと知って悩みました
別に花火くらいどうってないことなんですが
当時、父は入院中で母と二人暮らしだった私
下手な行動はとれません
近所の目もあります
今の若い人からは考えられないことだったかも知れませんが
私は或る意味
箱入り?籠の鳥?
でした
一旦はOKの返事をしたものの
やっぱり断ろうと受話器を取りました
父が入院をすることになって
その日は母と一緒に父を
送って行かなければならないから
と嘘をついたのです
既に父は病院にいたのですが
下駄箱の上には電話器と水中花が置いてありました
電話を切ってから
水面から顔を出している水中花を指でぐっと沈めたのです
また浮いてきましたから
新しい水に取り替え水を一杯に満たしました
芯の黒いアネモネの水中花でした
男子に悪いと言う気持ちと
何て言ったらいいのかなぁ~・・・
複雑な気持ちの私がそこにいたのでした
あの時
花火を観に行ってたら二人の未来に何か変化が
あったのかどうかは判りませんが
どこかで水中花を目にしたりすると
何だか切ない思いになるのです
その後
彼はもう電車に乗ってこなくなりました
私にふられたからではありません
彼は免許を取ったばかりでしたから
車で通いだしましたとさ!
日産マークⅡ グリーン色でした