makoto's daily handmades

「まほろ駅前多田便利軒」を読む

三浦しをん著

11月にマー姐さんに渡した紙袋に間違ってこの本を入れてしまって、読みさしのまま先月末まで宙ぶらりんの状態になっていた。
今月になってから読書再開。

この本はシリーズ化しているし、映画にもドラマにもなっているという。
残念ながら、映画にもドラマにも興味がわかない。
なぜなら、舞台であるまほろ市は、東京都町田市のこと。

高校・大学の友人達との遊び場の1つが町田だった。
だからこの本を読んでいると、だいたいどの辺のことを書いているのかが分かるし、かなりなじみ深い場所もあった。

さて内容だけれど、体だったり心だったりどこかに傷を負っている人たちが危うい関係で結ばれている。
そして小学生を使って(雇って)犯罪の手先にしたり、娼婦が出てきたり、裏社会の人間が出てきたりするのは「スワロウテイル」を彷彿させる場面もある。

これまで読んだ三浦さんの作品の中では、意外とウェットな感じではあるモノの、それでもサラサラ。後戻りしない感じがして多い日も安心。

人それぞれに大切にしてるモノが違うという、価値観の違いを感じる作品だ。
主人公の多田。彼が大切にしているモノは、もの凄く脆い幸せの記憶。
行天が大切にしているモノは、会わないと決めた元妻と会ったことがない娘。
ルルならハイシーで、ハイシーならルル。
由良なら期待に添ってくれない母というところだろうか。

私にはそんなに大切にしているモノがあるだろうか。
人並みにお金や今の生活というくらいか…大切なモノとは何なのか、と自分に問いたくなる。

この作品はシリーズ物ということなので、追々読んでいきたい。
多田と行天という特殊な人間関係の上に成り立っていて、便利屋という仕事にもちょっとだけ興味がある。
私の知らない世界を見せてくれるこの作品は気持ちが盛り上がってくる。
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