この日は剪定枝の太枝切り、剪定枝束ね、癒合剤塗布でした。
ところが果樹園がなんとなーく雑然としています。
よく見ると束ねた剪定枝が乱雑に放置されていて、近くに寄ってみると束ね方や紐の結び方がいつもと違う…。
あ、うん、これ以上は言うまい。
言いかけた言葉を飲み込んで、結んである紐をギュッと結び直して端に積み上げるところからスタートでした。
地面にも細かい剪定枝が落ちたままになっているから、それを拾い集めてコンテナに詰め込んだり。
イヤイヤ作物をしている人がまぎれると、作業が遅くて雑になるものです。
その尻ぬぐいも別に私は構いません。
兄の病状が進んで農業ができなくなれば、実家の離農が現実のモノになるだけですから。
ただ兄が一生懸命農業をして、要請があれば私も手伝いに行くだけのことです。
そう割り切ってあるから何も言わないで粛々とお手伝いするだけです。
この日は癒合剤塗布も私の役割。
癒合剤は塗った場所が分かりにくいので、染料を混ぜています。
農薬には勝手に何かを混ぜるのはダメなんだそうで…。
えーと、染料も化学的な染料ではないものの、なんというか…グレーゾーン的な行為なので詳細は省きます。
で、刷毛を使って塗布するのですが、癒合剤がついた刷毛は空気に触れると固化します。
ゆえに塗布作業を小休止する時、刷毛は水に漬けておくのですが本来はこの水がついた状態で癒合剤を使ってもダメなんだそう。
え?刷毛が固まったらつかえないのに?!
と思うのは、私のような素人の浅知恵。
本来農薬とはそういう厳しい管理の下に使用するものだ、ということです。
この日は午後2時から10分間父と面会。
義姉と姪R2号ちゃんと私の3人で会いました。
10分間の時間でも、父にはちょっと長いみたいで最後は目をつぶってしまいました。
病院の看護師さんからは父に会わせたい人がいれば皆さん呼んでください、と言われたそうです。
その割には面会には予約、人数、時間に制限があって、毎日面会に来られては困るンだそうです。
だ、か、ら、この病院はダメだ、と最初に私が言っていたのに。
今さら父をどこかに転院させてら、疲れて寿命が縮まるだけだしね。
私はすべてを諦めたから納得しています。
母や兄は今さら騒ぎ立ててもしかたないじゃあないか、とは思わないものなのかなぁ…。
父は輸液だけで生きていて、時々輸血を受けています。
でも輸血の間隔が狭まってきているので、やせ細ってきています。
背が高い父だったのに、今では私よりも背が小さく感じるほどです。
この日の印象ではあと1週間か10日か、それとも輸血をして少しは回復するのか…、そんな感じがしました。
何事も認識や見通しが甘い兄には「年末年始は病院も人手不足になるから、輸液減らされるかも。爺ちゃんの時もお盆前で治療がストップしてお盆明けに亡くなったでしょ?そんな感じにさせられるハズだ、と覚悟しておいてね」と。
またもや兄絶句。
あの病院なんだから、そんなもんだと割り切ればいい、と何度言ったか分からないです。
そのたびに兄が絶句するのはズルいなー、と思っています。
絶句すれば誰も彼もがお膳立てしてくれるわけでも、父が再び立ち上がって一緒に農作物をするわけでもないのです。
いい加減、自分の父親の死を受け止める覚悟をして欲しいものです。
次回も楽しくお手伝いしたいです。