桜が開花になり、私が喘息になり、天候がコロコロ変わる時期になり…。
昨年よりも1週間以上遅れての春のお手伝いが始まりました。
昨年は人工交配からのお手伝いでしたが、今年はその1つ前の作業から。
というのも、今年から輸入花粉が禁輸&使用禁止になりました。
ゆえに人工交配に使う花粉は、全量自作することになり作業量がふえました。
それも伴って、花粉用品種の花摘みという作業も従来の倍くらいやっているンですけれどね、先日、母がその作業中に木の上から転落して鎖骨を骨折。
私は、えー!!とビックリしてます。
本人はケロッとしていて、できないこともあるけど飄々と農作業してます。
私は鎖骨を骨折したことないので、よくわからないけれどそんなものなのかしら?
固定方法はバンドだそうで、2ヶ月はかかるみたいです。
父も近々介護認定を受ける予定で、ますます歩くのが遅くなり、転びやすい状況ですが、畑には出ないと気がすまないので好きなように働いて貰えればいいなかな?と思っています。
この日の作業は、花粉採取用の花摘み、摘蕾、摘花、少しだけ人工交配。
バラ科の果実は、晩生種ほど早く開花するのですが、昨年は晩生種は開花時期からすでに調子が悪く、収穫期も結実したものの2割すら販売できたかな?というくらい調子が悪かったです。
今年は昨年ほどではないものの、すでに花が焼け焦げたような姿のモノもあって今後当地での栽培はますます合わないンだろうな、と思ってしまいます。
さて花粉採取は、単に花を摘み取るだけではありません。
蕾〜開花の間の花粉採取に適した花だけを選んで摘み取り、それを冷暗所で半日くらい花の水分を飛ばします。
それを専用の機械で粉砕し、3種類のフルイにかけて、花粉が詰まった葯(やく)だけにします。
葯から花粉を取り出すには、開葯器(かいやくき)で温度と湿度の調整を11時間かけて花粉を取り出します。
これを粗花粉(そかふん)といって、これだけでも手動式なら人工交配に使えます。
私の実家では電動の交配器を使っているので、粗花粉を純花粉に生成し、そこへ石松子(せきしょうし)という粉を混ぜて使います。
花粉は使用期限があるのであまり古いモノは使えません。
それに今年は開花がうまく行っても、来年は分からないので一部は来年用に長期冷凍保存をします。
長期冷凍の花粉は、解凍から6時間ほどが有効期限。
この辺りをうまい塩梅、さじ加減をするのが農業者の腕の見せどころです。
私の兄は、この辺りの塩梅がうまいんでしょうね。
この日も県の農業技術普及員さんが来訪していました。
私に馴染みがある普及員のОさんはすでに定年を迎えているようで、この日いらっしゃった若手の普及員さんは「Оさんから、こちらではすでに摘蕾作業が終わっているはずだよと教わりました」とおっしゃったとか。
兄は苦笑しながら「さすがにそんなに早くは終わってない」と伝えたそうですけれど。
兄の病気も穏やかだけれど確実に進行しているそうですから、私が手伝える限りは手伝っていきたいな、と思っています。
春のなんともハッキリしない天候が続く季節ですが、次回も楽しく手伝いたいです。