石臼玄麦自家製らーめん「丸竈」店長のブログ

県産玄麦を石臼で挽いた自家製麺専門店。人気は鶏白湯。
なると以外全て自家製で素材を大事にしたらーめん。

鶏白湯らーめん始めます!

2015年03月22日 | らーめん

丸竈ではオープンより現在「鶏だし魚介系醤油らーめん」と「豚骨醤油らーめん」の2種類のスープで営業して参りました。

研究を続けた結果、美味しい「鶏白湯」のスープが完成しましたので、3月24日から、新しくメニューに加えさせていただきます。

お値段は、「鶏だし」や「豚骨」と変らず、750円(税込)です。

麺は、「豚骨」と同じ中太ストレート麺を使います。

「豚骨」と「鶏白湯」は丼ぶりも同じものを使用しますが、味の違いは丸鶏をふんだんに使った「鶏白湯」のほうが、スープが黄金色で生姜などの風味も感じられ、飽きのこないスープになっていると思います。

豚骨のスープにあるようなクリーミーさも感じられるので、豚骨が苦手で、だけど濃厚なスープが飲みたいお客様には喜んで頂けるかと思います。

また「豚骨醤油らーめん」につきましては、醤油の量を減らし、さらに豚骨らしいまろやかな味になるよう研究いたしました結果「豚骨らーめん」に名称を変更させて頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします。

尚、明日23日(月)は店休日をいただいておりますので、よろしくお願いいたします。


丸竈ができるまで

2015年03月21日 | らーめん

賃貸物件を借りたのは12月でした。

前はエステだったため、フロアはじゅうたんが敷かれています。

工事は2月の上旬より始まりました。

3月3日のオープンにこだわり、業者さんが毎日急ピッチで休日も返上して、作業して下さいました。

トイレはもともと一段高くなっている和式でしたが、コンクリートは解体され、便器もウォシュレットに変わります。

コンクリートの解体費用は、結構かかります。

それに配管工事も・・・

カウンターが取り付けられました。

外観に色が塗られました。

厨房には防火タイルが貼られました。

ベンチシートが取り付けられ、床が貼られました。

厨房器具が搬入されて、店舗備品も次々と・・・

照明も取り付けられ、壁紙も貼られて、やっと店舗の感じになってきました。

左官工事をした後に竈が設置されました。

事務所仕様だった扉も変わりました。

このドアノブは七ヶ浜に打ち上げられた流木を使っています。

七ヶ浜の海岸では、サーファーさんたちの海を愛する心から、定期的に海岸清掃が行われているそうです。

そのため、なかなか流木も見つからないのですが、たまたま地元のサーファーさんがドアノブに使えそうな流木を発見して下さり、それがこうばに持ち込まれ、加工されて丸竈のドアノブになりました。

様々な方の手から手へ、作業のバトンが渡され、その結果、こうしてお店が完成しました。

工事に携わって頂いた関係者の皆様には、あらためて心より御礼申し上げます。

また工事中に「何ができるのですか?ラーメン屋なら毎日きます~」など、お声をかけてくださり、ご理解いただいた近隣の皆さまのあたたかい励ましが、なにがなんでも3月3日にオープンさせるという思いに繋がったとも聞きます。

ご近所に愛されるお店になるよう、工事関係者からバトンを渡された私は、これからも研究を続け、おいしいらーめんと言われるよう、頑張ってまいります。


ふすまで何か・・・?

2015年03月19日 | らーめん

先にお話しさせて頂きましたが、石臼で挽いた玄麦の60%程度が「ふすま}となってしまいます。

実は、「ふすま」にはすごい魅力があるのです!

ふすまは、小麦粉に比べて糖質(エネルギーの元)が少ないので、ダイ工ッ卜中や糖質制限されている方にも安心。

パンにすると、通常のパンと比べ、カロリー最高60%カット、糖質最高94%カットできるそうです。

その他、鉄分・ミネラル・カルシウム・亜鉛なども多く含んでいます。

 

東京や大阪でも「ふすまパン」を出しているお店があり、興味がてら購入してみたのですが、食べてみると、パンの概念が変わりました!

 

「モチモチしていて、弾力があって、本当に本当に小麦を食べている~~!」

 

という感じでした。

 

 

でも丸竈では、毎日大量にできる「ふすま」を今のところ廃棄するしかありません。

製パン技術のある私でも、らーめんの製麺で毎日がいっぱいいっぱいだし、ましてパンを作る機械もないし・・・

このふすまで、パンとか、ケーキとか、クッキーとか、ダイエットバーとか、シニア犬用ペットフードとかできるのに、惜しい・・・

どなたか、コラボしてなにか新しいもの、商品化しませんか???

ぜひ、ぜひ・・・

真ん中が「ふすま」(bran:ブラン)


外国産の小麦のこと

2015年03月18日 | らーめん

本日は、外国の小麦と通常に販売されている小麦のそれぞれの違いについて書かせていただきます。

日本ではもともとは米が主食でしたから、米の生産量は多いのですが、昨今米からパンや麺などに味の好みがシフトしたため、麦は輸入に頼っているというのが現実です。

国内産の小麦は10~11%の消費量があり、その他は輸入に頼っている状況です。

外国産の麦には、ポストハーベスト農薬(収穫後農薬)という問題があります。

アメリカから日本に運ばれてくる小麦は、農家の小型サイロ、輸送港の貯蔵倉庫、太平洋を輸送する船、日本で上陸したあとの貯蔵倉庫などで約5回農薬が混入されているそうです。

このポストハーベスト農薬の主役はかつて「スミチオン」「マラチオン」などの有機リン系農薬が使われていたそうですが、最近は「レルダン」(有機リン系)などが使われているとか。

また、漂白されている場合もあるそうです。

恐ろしい話ですよね~。

外国産の小麦は、扱いやすくそれぞれの特性をカバーするようブレンドされている場合もあります。

安定して使いやすく、国内産の小麦と比較すると価格的にも安価な傾向があります。

味について、スーパーなどで流通している製粉メーカーの小麦粉は、「ロール挽き」という工程を経て袋詰めされており、小麦本来の風味や味わいがロール挽きによって飛んでしますそうです。

ロール挽きと比べて、丸竈のような石臼挽きをした場合、大きな特徴は熱の発生が抑えられることにあります。

したがって、小麦が本来持っているタンパク質、ビタミン、ミネラル、繊維分などの栄養成分が損なわれにくいため、味や香りが損なわれず、まろやかで、ふんわりと優しい仕上がりの粉となっています。

また、ロール挽きのような細かすぎる粒子にはならないため、食べた人の腸にもやさしいのです。

丸竈の麺は、お子様にも安全です。

また胃腸の弱い方にもオススメです。


玄麦について

2015年03月17日 | らーめん

本日は、玄麦について詳しく書かせて頂きます。

じつは「玄麦」とは、正式名称ではなく、当店が付けた当て字です。

正しくは「原麦」で、げんばくと呼ぶことから、丸竈では「玄麦」と表記しげんむぎと呼ばせて頂いております。

現在、小麦の国内生産でにおいて、収穫後の検査がとても厳しく、農家さんが手を出したくない、というのが現実のようです。

米の減反政策のために麦を作付しているということです。

なおかつ米のほうが価格も安定しています。

できれば、東北のものを使いたい、と思っていた私は、玄麦にこだわり、方々探しました。

そうして宮城県産「ゆきちから」と出会うことができました。

ところが国内産の小麦というのは、たんぱく質や水分量が一定していないという特徴があり、製麺する時の湿度や気温にもかなり影響を受けるため、扱いが大変難しいです。

そのため、毎日水分量や打ち方を変えるなどの工夫を行っていますが、パテシエや製パンの修行を積んだ私でも、その変化の難しさにはため息の出る日もあります。

また、玄麦は高温多湿を嫌うため、保存が難しいのです。

丸竈では、仙台港の低温倉庫を借りて、玄麦を保管しています。

使う分だけ店舗に運びだし、製麺室の大きな冷蔵庫で保存するなど、扱いにも気を遣っています。

さらに、内産小麦は外国産小麦に比べて、胚乳と外皮の分離が難しく、小麦粉の歩留まりが低いという難点があります。

外皮が外国産に比べ柔らかく、最初の挽砕(バンサイ)で細かく砕かれてしまうからです。

丸竈でも、石臼から出てきた玄麦をふるいにかけた際、玄麦の半分量の粉しか取れないという日もあります。

玄麦から製麺用の小麦として使える量は、日によって少しの違いはありますが、40%程度です。

小麦の状態で仕入れた方が、手間も時間も石臼や電気代や低温倉庫の費用ももかからず、安価で済むのに、丸竈は小麦本来の美味しさを追及した結果、石臼で挽くことに信念をもってこだわっています。

是非、丸竈のこだわりのらーめんを食べに来てください。

心より、お待ち申し上げています。

 

 左より>玄麦(10)/小麦ふすま(6)/小麦(4)

※石臼挽きした場合、玄麦10に対し、小麦は4の量しかできないということです。


石臼のこと

2015年03月16日 | らーめん

宮城県産「ゆきちから」の玄麦を選んだことや、なぜ石臼になったのかは、既に書かせていただいておりますが、これからそれぞれのことについてもっと詳しくお話ししたいと思います。

まず石臼について。

このインターネットで情報を得られるという社会のシステムがなかったら、どこで石臼が販売され、各社どのような違いがあるのか、見当もつかず、石臼で挽いた玄麦でらーめんの麺を作るという考えに至らなかったはずです。

それだけ情報は貴重であり、ネット社会のおかげで「食」の世界も進化してきていると思います。

「石臼」を調べていくと、宮城でもかつて製造されていたのですが、3・11の震災で大打撃を受け、現在は納入先のメンテナンスしかしていない、ということがわかりました。

もともと石臼は一般的ではなく量産してどうかなる商品ではないため、小さな町のこうばとかが、細々と受注生産しているケースがほとんど。

しかも「蕎麦」のための石臼であって、麦や玄麦を挽けると謳っている石臼はないのです。

そんな折、ある石臼の販売会社に問い合わせてみると、なんとお店まで電動石臼を持ってきてくれて、動作確認してみましょう、というお話が舞い込んできました。

その時の嬉しさといったら、飛び上がるほどでした。

そうして翌日、まだ改装前のお店で、石臼が回ったのです。

玄麦が挽かれていき、それを目だての違うふるいに2回かけると、少し茶色が混じった粉ができました。

石臼を回転させながら、同時に電動でふるいもできる機械も試しました。

でも思ったような粉には挽けてなかった・・・

案の定、その粉で製麺してみると、まるで石巻焼きそばのような、茶色の麺ができました。

「麺はコシがあって躍るけど、色がダメだね・・・」

そう妻に言われて、なんだか途方もないところに運ばれてしまった・・・と思いました。

無理じゃないか、とも思いました。

ところが、妻から日本で石臼を製造しているこうばのリストを渡されて、可能か不可能か徹底的に調べてみようということになり・・・

そうして私は玄麦を抱いて祈るような気持ちで新幹線に乗り、国内産では最高級と言われる羽黒青糠目石の石臼と出会うことができました。

羽黒青糠目石の石臼で挽かれた玄麦をふるいにかけると、白い綺麗な粉になりました。

それを触った時、これなら美味しい麺が作れると確信しました。

出会いは財産だなぁ~、と今製麺室で回っている石臼を見るたびに思います。

 


自家製麺に込める私の思い

2015年03月15日 | らーめん

「修行先は?」とよく聞かれるのですが、私は何処かのラーメン店で修行したことはありません。

もともと実家が横浜の新子安で定食屋を営んでいました。

幼少の頃から、家の玄関=定食屋の入口というありさま。

近隣では当時、日産の工場があり、夜勤明けの工員たちが、

実家の食堂で早朝から酒を仰ぎ、ランドセルをしょった私は、

その酒臭い息と酔っ払いに絡まれながら、小学校に通っていました。

私はいつしかパテシエを目指すようになり、専門学校を卒業後は、

青山の「シャンドン」等で修行し、製パン技術も学びました。

 

そんな折り、母が病に倒れ、実家の経営を引きつきましたが、

母が亡くなった後は、妻の実家がある仙台の定禅寺通りで、

創作料理店を始めることになったのです。

その時から、フォン(=だし)がいかに料理に影響するかということを実感し、

研究し続けた結果、それぞれの肉と付随するものの特製を学びました。

 

こんな私には、修行先がなくても、パテシエと製パンに関わってきて、

小麦がどんなに「不機嫌」か、「友好的」か、触ればわかるプロです。

と言いたいところですが、玄麦たちはいつも私に寄り添ってはくれない

のも現実です。

お願い!気分次第なのは、玄麦たち!

真面目に、真剣に向き合うからね・・・

  


藤本つかさ様 ご来店♪

2015年03月14日 | 日記

3月13日、女子プロ団体「アイスリボン」のエース「藤本つかさ」さんにご来店いただきました~♪

なんと、ブログにもアップしていただいたようで・・・

↓↓↓ ぜひご覧ください♪

http://ameblo.jp/fujimoto-tsukasa/entry-12001170919.html

仙台で6月27日、宮城野区文化センターで試合を行うそうです!

アジャコングさんも参戦するなんて!

頑張れ!つかさちゃん♪負けないで!!

 


宮城県産 ゆきちからを選んだ理由

2015年03月13日 | らーめん

今回は、玄麦の「ゆきちから」をなぜ、採用したのかのかについて触れていきたいと思います。

この品種は、昭和51年に農林水産省東北農業試験場(現独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構、岩手県盛岡市)において、「東北141号」に出願者所有の育成系統を交配。S54年に雑種第3代で系統選抜、以後、固定を図りながら特性の調査継続により、H14年にその特性が安定していることが確認され育成を完了ました。

近年、麦の栽培をしたいという農家さんは少なく、今までは米の減反政策の一環として行われてきました。

収穫した麦を農協に納品するにあたっては、少しの遺物の混入等規格があまりにも厳しいことから、「麦」を作りたいという農家さんがますます減少していくこととなりました。

東日本大震災で東北の農業に少しでも貢献貢献したいと思った私は、「丸竈」を始めるにあたり、国内産業を活性化し、完璧な保管のもとに安全な小麦でらーめんを製麺したいという、衝動に駆られました。

しかしながら、国内産の麦はタンパク質の量や水分量が一定していないという特徴があるため、その日の湿度などの変化に影響されやすく、毎日微調整が必要です。

宮城県産「ゆきちから」はこの品種は、「東北141号」に出願者所有の育成系統を交配し育成された固定品種。

育成地(岩手県盛岡市)における成熟期はやや早、稈長が中、製粉歩留がやや高め。

宮城での玄麦を入手するにあたり、大変苦労しました。

宮城のらーめん店で、宮城の「ゆきちから」の美味しさを感じていただきたければ、

嬉しいかぎりです。

尚、店内で提供しておりますお米は宮城県産の「ひとめぼれ1等米」にこだわっております。


石臼で玄麦を???

2015年03月12日 | らーめん

今日は「石臼玄麦自家製らーめん 丸竈」がなぜ石臼で玄麦を挽き提供しようと思いついたのか、そのことについてお話したいと思います。

もともと妻が蕎麦好きで、私はそれに影響されたのがきっかけでした。

週末となる度に美味しい蕎麦を求め、隣県の山形に「ドライブ+温泉」セットで通いつめました。

最初のうちは、大石田町の「次年子」という山の上のとある民家さんの蕎麦しか食べなかったのですが、通いつめるたびに、蕎麦や汁やサービスで提供されるおかずの味が、毎回変化することにいつしか抵抗を感じるようになりました。

そうして「一期一会」という、基本的には一度行ったらもう再訪しないという、真剣勝負の(妻の)蕎麦の食べ歩きに付きあわされるようになりました。

美味しかったからまた行こうよ、と言っても空しく無視され、知らない蕎麦屋の暖簾をくぐり、食べ歩く日々・・・

そんな中で、私と妻なりに出した公式は・・・

製麺所から買った蕎麦<製麺所でオリジナル(自家製)してもらった蕎麦

<自家製の手打ち蕎麦<蕎麦粉を購入して自家打ちした蕎麦<

石臼で挽いて自家製打ちした蕎麦

そう!

「石臼で挽いて自家製打ちした蕎麦」は、作り手のこだわりや日々研究しているさまや

作り手の信念(心)が感じられ、わざわざ往復120KM以上走っても、充足感が得られる確率が高いというのが結論でした。

 

ならば、らーめんの世界でも同じことがいえるのでは・・・という妻のこだわりから、

「石臼玄麦自家製らーめん 丸竈」の骨組みが決まったようなものです。