♦️8『自然と人間の歴史・世界篇民』太陽系惑星(生物は存在するか)

2020-08-18 19:30:09 | Weblog
8『自然と人間の歴史・世界篇民』太陽系惑星(生物は存在するか)

 金星は、太陽系で太陽に近い方から2番目の惑星である。また、地球に最も近い公転軌道を持つ惑星である。地球から見ると、金星は明け方と夕方にのみ観測でき、太陽、月についで明るく見える。明け方に見えるのが「明けの明星」、夕方に見えるのが「宵の明星」と言い分けられるところだ。
 ここに天文単位(AU)というものさしがあって、より内側の水星が0.39、直ぐ外側の地球が1AU、そのまた外側の火星が1.52AUなのに対し、金星のそれは0.72AUとなっている。これらの配置加減は、「ケブラーの第3法則」に従う。また、この惑星は、「地球型惑星」とか「地球の姉妹惑星」と表現される。これは、太陽系内で大きさと平均密度が最も地球に似ているためだ。金星の半径は地球の0.95倍、質量は0.82倍だと推定されており、まさに地球と同じ岩石惑星なのだ。
 それなのに、金星には地球のような生物環境は存在していないと言われている。その要因としては、やはり温度と水、それに生物が呼吸に必要とする酸素などであろうか。
 金星には非常に厚い大気があり、そのほとんどが二酸化炭素であるとのこと。そのため某かの二酸化炭素による温室効果がはたらくであろう。また、金星の表面の温度は昼も夜も摂氏460度と、太陽により近い水星よりも高いというから驚きだ。
 大気中には硫酸の粒でできた雲が広がっているともいわれる。その厚さは、何キロメートルもあるらしい。その雲にさえぎられて太陽からの光が直接地表に届くことはない。雲から硫酸の雨が降っても、地表があまりにも高温なため、地表に達する前に蒸発してしまうと考えられている。おまけに、金星の大気の上層では、秒速100メートルもの風が吹いている。
 この生命起源の観点からは、現在までの、太陽系の条件をあてはめた計算により、軌道半径0.6~0.8AUの間に、地球型惑星の初期進化の明暗を分ける境界があるのではないかと推計されている。ただし、「(現在の知識に不確定要素があり、位置は細かくしぼれていない。惑星のサイズはあまり影響しない)」(「地球と金星の明暗を分けたものとは?」:雑誌「ニュートン」2013年8月号)との注釈が付けられている。

 そういえば、太陽に近い方から、水星の自転は59日、公転は約88日、その直径は約0.5万キロメートルだ。次に来る金星の自転は約243日、公転は約225日、その直径は約1.2万キロメートル。この金星だけは、他の7つの惑星とは異なり、自転の向きは公転の向きと回転方向が逆である、なので、金星にいたとすると、厚い雲で視界が遮られるのを無視すると、太陽は西から昇り東に沈むのだろうか。また、なぜ、金星だけこのような向きで自転しているのかは、まだ明らかになっていないようだ。
 いずれにしても、たとえ地表に生物がいたとしても、大変厳しい生存環境であることは、間違いない。
 参考までに、その外側を回る地球の自転は約1日、公転は約365日、さらにその直径は約1.3万キロメートルだというから、金星とかなり似ているのではなかろうか。それから、火星については、 自転が約687日なのに対して、公転は約0.7日。その外側を回る木星の自転周期は、約10時間にしてかなり早く、12年をかけて太陽の周りを公転し、その直径は約14万キロメートルと地球の約10倍ある。さらに、その外側の土星に至っては、自転が約10時間なのは木星並みながら、公転はなんと約 29年、その直径は約12万キロメートルという。


(続く)

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